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CATEGORY : ダイエット |考え方

1日10分「産後ダイエット」! 妊娠-出産時に起こる体の変化と骨盤底筋エクササイズ

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伊藤さんが女性の質問に答えている様子

「産後ダイエット」第2回目の記事では、「妊娠-出産時に起こる体の変化」と「骨盤ケア~骨盤底筋エクササイズ」についてお伝えしていきます。
私が考える「産後ダイエット」は、体重や体型、骨盤を整えていくだけのものではありません。もちろん、それらも大切なことですが、その先にあるママとして「子育てが楽しめる体作り」や女性としての「健康的な体作り」を目的としています。産前・産後に必要なセルフケアの知識を知り、健康的な生活を送っていただけると幸いです。

監修 : 伊藤 彰浩

株式会社MEDI-TRAIN代表取締役。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、理学療法士。JIN整形外科スポーツクリニック、リバーシティすずき整形外科でトップアスリートから子ども、高齢者まで幅広い年代に向けたリハビリテーションを経験。東京広尾の女性専用パーソナルトレーニングスタジオにてダイエット指導やボディメイクなどの経験を持つ。現在は、神奈川、東京都内を中心に、オリンピック強化指定選手のパーソナルトレーニングや、産前産後ケアの分野など幅広く活躍中。

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Contents 目次

妊娠-出産時に起こる体の変化

ソファに座っている妊娠中の女性

妊娠中の骨盤の役割は、赤ちゃんがいる大きな子宮を守ることです。赤ちゃんを支えているのは骨盤だけではなく、体幹にある筋肉(インナーマッスル)が赤ちゃんを支えています。妊娠中や産後に腰痛がある人の多くは、この「支える筋肉」がうまく使われなくなってしまい、お腹の重みがどっしりと骨盤にかかることで骨盤や腰椎(ようつい)がかたむいてしまったり、骨盤が広がることによって痛みを感じていることが多いです。

産前・産後に必要な体のケアは、まず骨盤や内臓を支えるインナーマッスルを適切に使えるようにすることが大切です

また、妊娠中の体は「ホルモン」による影響を受けます。妊娠中は、リラキシンというホルモンの影響で骨盤まわりの靭帯や関節がゆるんできます。でも、これは出産に向けた正常な機序なのでご安心ください。筋肉の硬さも産褥期には大きく変化します。分娩時の出血量や授乳の有無などにより個人差はありますが、筋肉の回復は出産後6か月の間に正常に近い状態にまでとり戻せると言われています。

つまり、産後6か月の間は骨盤まわりの靭帯のゆるみや、関節の不安定感が生じることが多いということです。

出産後の骨盤ケア ~骨盤底筋エクササイズ~

骨盤底筋群の図解

妊娠-出産の経過で負担がかかり、場合によってはダメージを受けてしまう部位。その代表的な部位が「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」です。

骨盤底筋群とは、骨盤のいちばん真下にある筋肉で骨盤の中にある臓器(膀胱、子宮、腸など)を支えている筋肉です。妊娠中や胎児の成長に伴って子宮の重さや容積が大きくなったり、出産後にこの筋肉がダメージを受けてしまうと尿もれや便もれ、骨盤臓器脱といったさまざまな症状を引き起こしてしまう要因となります。出産後は、まずは骨盤底筋群を中心とした「骨盤ケア」を行いましょう

私が産前・産後ケアの活動を始めて、産後ママからよく耳にする言葉、それが「妊娠・出産当時から知りたかった。もっと早く骨盤ケアをやっておけばよかった」という残念な思いです。

今回ご紹介する骨盤底筋エクササイズは、いつでもどこでも、いつからでも行えるエクササイズです。ぜひ、産後ダイエットのファーストステップとしてとり組んでみてください。

【骨盤底筋群のしくみ】

骨盤底筋群は、お腹の中の臓器を支えるハンモックのような形態と役割をもっています。本来の「支える」役割ができなくなると、尿もれ、便もれ、骨盤臓器脱といった症状が起こってきます。

また、骨盤底筋群は「呼吸」とも深く関係しています。「腹式呼吸:息を吸うときにお腹がふくらみ、吐くときにお腹がへこむ」の際には、横隔膜は下へ下がり、そのときに骨盤底筋群も同時に下へ下がります。その後の、息を吐くときには横隔膜と骨盤底筋群は元の位置まで上がってきます。

今回ご紹介する骨盤底筋エクササイズは、この「腹式呼吸」がポイントになります。

【骨盤底筋エクササイズ】

[方法]
1.椅子に座り、脚は腰幅くらいに広げます。骨盤は真っすぐに立てます
*猫背になったり、腰が反り過ぎたりしないように気をつけます。

2.息を吸うときに、横隔膜は下がりお腹がふくらみ、骨盤底筋群は下へ下がります。息を吐くときには横隔膜は上がりお腹がへこみ、骨盤底筋群は上に上がってきます。
*腹式呼吸の際、お腹の動きと骨盤底筋群の動きをイメージしながら行ってください。息を吐くときは、「膣を引き上げる」イメージを持ちながら行うと骨盤底筋群の収縮を感じやすいです。

[会陰腱中心をチェックしよう!]
「骨盤底筋群が使えているかよくわからない」そのような人は、骨盤底筋群の収縮を確認するために「会陰腱中心(えいんけんちゅうしん)」をさわって確認しながら行いましょう。会陰腱中心の収縮感を確認しながら行うことで、骨盤底筋エクササイズをより効果的に行うことができます。

会陰腱中心の位置図版

会陰腱中心とは、膣と肛門の間にある部位です。会陰腱中心には多くの骨盤底筋がついています。この部位をズボンの上からさわり、「息を吐くときの骨盤底筋群の収縮感」を確認しながら行うと、ご自身でも骨盤底筋群が使えているかチェックすることができます。

今回ご紹介した骨盤底筋エクササイズは、最初はできているかどうかよくわからないかもしれませんが、続けていくと会陰腱中心が収縮している感覚をつかめてくると思います。
まずは、1日10回からでもよいので行ってみてください。

次回は、「骨盤底筋エクササイズ」の続編と、産前産後onlineチームケアMY Team・助産師による「産後ダイエットの注意点」についてお伝えします。

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