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ハンドボール女子日本代表・塩田沙代選手の練習時の補食と食事法 #アス女飯

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ハンドボール女子日本代表・塩田沙代選手

アスリート女子。彼女たちは栄養素をバランスよく摂取しながら、食事量をうまく調整して体づくりを行い、競技に臨んでいます。そんなアス女の皆さんに健康的な食生活を送る秘訣を教えていただこうという企画『アス女飯』。第6弾にご紹介するのはハンドボール 女子日本代表・塩田沙代選手です。

監修 : 青柳 愛

フリーアナウンサー。野菜ソムリエ、日本スポーツコーチ&トレーナー協会JASCATスポーツ栄養アドバイザー。日本テレビ系列静岡第一テレビ時代に農業番組を担当したことから「食」に興味を持ち、フリーアナウンサーに転身後は、イベント司会業、アナウンス業を行いながら、スポーツ取材の経験を活かしスポーツ栄養を専門としたライター・アドバイザーとしても活動中。著書『監督たちの高校サッカー』(東洋館出版)。
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Contents 目次

激しいコンタクトプレーがおもしろい「ハンドボール」

試合中の塩田沙代選手

今回はハンドボール 女子日本代表のエース・塩田選手のハンドボール人生について、そして激しい運動量を補う食事についてご紹介していきます。

第5弾・バトントワラーズフェリーチェ所属・池田遥香選手、栞利選手の記事
こちら。『【アス女飯】バトントワーリング世界大会で優勝した双子アスリートの食事管理』

ハンドボール日本代表は東京オリンピック開催枠での出場が予定されており、女子チームとしてのオリンピック出場は1976年モントリオール大会以来、なんと44年ぶりの出場となります。

昨年12月には熊本県で世界選手権も行われ、これまで以上にメディアで大きくとり上げられ、さらに注目度が高まっています。

オリンピックでは、男女共日本のほか、世界選手権優勝国1チーム、各大陸予選大会優勝国4チーム(アジア、アフリカ、ヨーロッパ、パンアメリカ)、世界最終予選3グループで残った上位2チームの合わせて12チームで頂点を競い合います。
強豪国として知られるノルウェー、デンマーク、ドイツ、フランス、ロシアなど、パワフルなプレーが強みである一方で、日本の強みは機動力とコンビネーションが武器と言われています。

ハンドボールの魅力について、塩田選手に伺いました。

「7対7で競い合う競技で、全員がオフェンス、ディフェンスとして走りあう、早い試合展開が魅力です。今ラグビーW杯を終えてラグビーブームが起こっていますよね。体と体のぶつかり合いを間近に見るのがおもしろい!と感じるファンが多いようですが、ハンドボールも激しいコンタクトプレーが多いのです。女子でもこんなアグレッシブなプレーをするんだ!と興奮される人も多いので、ぜひコンタクトプレーの臨場感を楽しんでほしいです!」(塩田選手)

人生を大きく変えた恩師との出会い

塩田選手とハンドボールの出会いはちょっと変わったものでした。
高校で高松商業に進学した塩田選手は、高松商業が野球の強豪校だったこともあり、野球部のマネージャーになる道を考えていました。しかし、ある新任のハンドボール部コーチとの出会いによって、ハンドボール部へ入部することになりました。

「当初、入部するつもりはなかったのですが、言葉巧みな先生の勧誘でいつの間にか部員になっていました(笑)。田中先生に出会っていなかったら、今の自分はありません」(塩田選手)

塩田選手の人生を大きく変えた高校時代の恩師である田中潤先生(現・香川中央高校ハンドボール部監督)にもお話を伺いました。
「当時、赴任してきたばかりで部員数を増やしたくて必死でした。(塩田選手に)初めて会ったときから背丈はあるし、顔つきもよいし、雰囲気がありました。入部してからもへこたれずにコツコツがんばっていました。特別身体能力が高かったわけではないですが、ガッツは誰よりもまさっていましたよ」(田中先生)

塩田選手と初めて会ったのは今から約15年以上も前のことですが、当時の塩田選手ついて記憶されていたことが印象的でした!

高校時代に食べていた「補食」

試合中の塩田沙代選手

高校入学と同時にハンドボールをはじめた塩田選手。競技をスタートさせる時期としては遅かったものの、高校2年次と3年次には高松代表として春の選抜に選ばれ、インターハイにも出場を果たすほどの偉業を成し遂げました。

「田中先生は、自然な動きの中にハンドボールの動作を見つけ、わかりやすくステップやコンタクトプレーができるようにメニューを考えてくださいました。

練習前と練習中には補食(不足する栄養素や成分を補うために摂取する食事のこと)をとるよう練習メニューの間に“パンタイム”というのがありました。パンにジャムを塗って食べるだけなんですが(笑)今思うと、激しい練習の合間に糖分と炭水化物を摂取する大事な栄養補給だったと思います」(塩田選手)

田中先生にも補食について、お話を伺いました。
「ハンドボールは激しいスポーツで、1、2キロ普通に落ちてしまうので、補食タイムを組み込んでいました。高校生だし、お金も時間もなくおにぎりさえ握る時間がなかったので、簡単に食べられるように考えた末にだどりついったのがパンとジャムでした」(田中先生)

現在、塩田選手が所属している北國銀行の選手たちは練習後、すぐ補食がとれるようにコート内にあるスポーツ飲料やプロテインを摂取しています。
充実した環境が整っていればバランスを考え抜いた補食をとることができますが、たとえお金や時間がなくても、適切な時間帯にエネルギー補給することが大切なのですね。

進路に悩んだ塩田選手を支えた恩師の言葉

塩田選手は高校卒業後、2007年に香川銀行の実業団に入団し、2010年に初めて正式に日本代表に選出されました。順風満帆に見えたハンドボール人生ですが進路に悩み引退を考え、進むべき道がわからなくなった時期があったそうです。そんなとき、彼女の背中を押してくれたのも、高校時代の恩師である田中先生でした。

「『お前はハンドを止めることがやりたいことではないやろ』『ハンドボールだけは続けてくれ!』という先生の言葉で、途切れかかっていた糸がつながりました。それからもう一度プレイしたいチームを探し、日本ハンドボールリーグで高みを目指したい一心で強豪・北國銀行『Honey Bee』チームの門をたたきました」(塩田選手)

2013年に北國銀行に移籍し、現在7年目を迎えた塩田選手は3年前からはチームキャプテンを任され、北國銀行の主柱として、さらに日本代表として活躍しています。

彼女にとってハンドボールを続けていくうえで常に大切にしている想いは何なのでしょうか?
「変な自信があるのです(笑)。故郷を離れてプレイしている以上、何も結果を出さずには帰れないという気持ちもありますし、何より志高くありたいと思っています。高校卒業してハンドボールを続けると決断したときから“オリンピックに出る”という目標がありました。40年近く日本はオリンピックにハンドボールで出場していなかったですが、今こうして出場機会がめぐってきたのですから、最大のチャンスだと思っています!」(塩田選手)

周りがなんと言おうと夢の実現を信じて突き進めることが、誰にも歩めない塩田選手だけが歩める道がひらけていくわけだと思いました。

次のページでは、実力派選手たちを支えるアス女飯をご紹介します。

 

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