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不調の原因は「自然欠乏症」!? 漢方のプロが教える「最高の体調をつくる」方法

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一緒に調理する親子

どこも悪くはないのに、体がだるく、気分がすっきりしない、お腹が重い…といった、なんとなくの不調には、食事を見直すことから始めてみませんか。今、高めたい免疫力も自分なりによいコンディションを保っておくことがカギ。今回は、WELLNESS UNION代表の山本竜隆医師と国際中医師の石部晃子さんの共著『漢方のプロが教える 最高の体調をつくる食事術』から、食事と不調の関係についてお伝えしていきます。

Contents 目次

間違ったものを食べると「不調」を引き起こす

トマトをフォークに刺して不満げな様子の女性

なんとなくの不調や生活習慣病、頭痛、疲れ、冷えなどの解消には、食べ物が大きな力になってくれます。

「ただ、何を食べるかが重要。注意したいのは、健康食品と呼ばれるものばかりを選んでしまうこと。たとえば、しょうがが健康にいいからと、朝昼晩と毎日食べ続けるのは問題ありです。同じ食材の食べ過ぎはよくありません。また、自分の体質に合った食べ物をとることも大切です。食べ物の効用を知り、自分の体質に合わない食べ物を、知っておく必要があります。薬や治療法が体質によって合う・合わないがあるのと同様に、食べ物も体質によって相性があります」と山本先生。

トマトは栄養豊富ですが、「清熱」の作用があり、冷えがある人は冬に食べると、ますます冷えがひどくなってしまいますし、健康によいとされる玄米も胃腸が弱い人には不向きです。

食事は「自然」をとり入れる最短ルート

麦畑で麦の穂を触る手

健康になる方法として、食事を重要視するのは栄養価以外にもじつはもっと大きな理由があります。

「それは体の不調の多くが、自然から遠ざかっていることと関係しているからです。現代人が自然と触れ合うために近道となるのが、食事なのです」(山本先生)

自然との触れ合いが不足することによって、さまざまな不調が起こることを「自然欠乏症」といいます。「自然欠乏症」は近年提唱されたものですが、医学の父であるヒポクラテスが「自然から遠ざかるほど病気に近づく」 という言葉を残しており、はるか昔から指摘されていること。

「200年前までは自然にたっぷり触れてきた人間が、わずか数百年で急に自然から切り離された存在になってしまったのです。これでは体がおかしくなるのも無理はありません。自然があふれた環境に身を置き、人工物を遠ざけ、季節感を肌で感じ、太陽と月が織りなす昼夜のリズムに従って日々を暮らすこと。それが健康的に生きるために必要なことなのです」(山本先生)

その自然をとり入れるのが食事です。

女性の肩にとまろうとする蝶

最後に「自然欠乏症」のチェックリストをご紹介しましょう。

(1)日の出と日没を意識して生活している。(日の出前に起床し、日没から4時間以内に消灯している)
(2)木材など自然素材の住宅に住んでいる。
(3)静寂さや、自然の音などを感じやすい場所で活動している。
(4)自然の香りを実感しやすい環境で活動している。
(5)綿や麻、絹など自然素材の衣服を着ていることが多い。
(6)携帯電話やパソコンに接することは少ない。
(7)長時間の自動車運転や電車通勤(通学)をしていない。
(8)主に自然食を摂取し、化学薬品は摂取していない。
(9)飲料物は、自然水や有機栽培などで作られたものである。
(10)電気毛布や電子レンジ、電化製品は用いていない。
(11)日常的に森林浴、海水浴、日光浴などをしている。
(12)化学薬品を塗布または吸入していない。

「いいえ」が多いほど自然が足りない状態です。
原因がないのに不調がある場合は、まず食生活を見直してみてはいかがでしょう。

文/庄司真紀

参考書籍

『漢方のプロが教える 最高の体調をつくる食事術』(アスコム)

 

山本竜隆先生

聖マリアンナ医科大学、昭和大学医学部大学院卒業。内科研修・医学研究の後「アンドルー・ワイル」が主催する米国アリゾナ大学医学部統合医療プログラムAssociate Fellow(2000年~2002年)をアジアで初めて修了。その後、統合医療ビレッジグループ総院長(東京・四谷)、JA中伊豆温泉病院内科医長、(株)小糸製作所静岡工場診療所所長・産業医などを経て、現在は朝霧高原診療所院長のほか「日月倶楽部」「富士山靜養園」の施設を含めた3施設WELLNESS UNIONの代表として活動している。日本東方医学会学術委員・中医専門医、日本医師会認定産業医、日本統合医療学会指導医、日本ホリスティック医学協会理事、日本メディカルハーブ協会理事、日本東洋医学会認定専門医、日本ホメオパシー医学会認定医、日本リラクゼーション業協会顧問医師など。

石部晃子先生

北京中医薬大学日本分校中医中薬学科卒業。世界保健機構(WHO)が発足に関わり、現在、中国政府の外郭団体である世界中医薬学会連合会が61の国と地域で主催している資格「国際中医師」、「国際薬膳師」を取得。漢方薬局、中医クリニック等の勤務を通して、体を本当に健康にするのは、薬でなく「食事と心」であることを実感。その後、薬膳治療食・薬膳介護食の企画・調理に従事し、東洋医学の食事療法専門店《ふじの国薬膳》を開業。「五感で感じる薬膳」をモットーに、自分自身で健康を管理し、病気やその疑いがある状態を食事で治すセルフメディケーションの普及活動を行っている。富士市を中心に静岡県内で薬膳教室・講演も実施中。

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