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向かって左を両手で指す女性画像

40代になると、そろそろ気になるのが更年期です。女性ホルモンが急激に減少することで、気になる症状を経験する人もいます。更年期をできるだけ快適に過ごせるように、今から知っておきたい更年期症状のケア方法について、産婦人科医でイーク表参道副院長の高尾美穂先生に聞きました。

監修
高尾 美穂

自律神経を整えて、更年期以降の不調をやわらげる

頭の後ろに手を回してくつろぐ女性画像

更年期以降の不調には大きく分けて、自律神経のアンバランスによるものと、エストロゲン減少の影響を受ける2タイプがあります。まず、更年期の自律神経症状をやわらげる方法をみていきましょう。

自律神経のアンバランスを整える方法として、深呼吸が有効です。自律神経を整える呼吸法として注目されているのが、ゆったりとした呼吸法です。次の手順で行っていきましょう。

【ゆったりとした呼吸法】
〈1〉息を吐ききったら、4つ数えながら、息を吸う。
〈2〉息を止めて、7つ数える。
〈3〉8つ数えながら、息を吐く。

〈1〉~〈3〉を2、3回くり返しましょう。

気になる症状別のセルフケア法は、次のとおりです。

●のぼせ、ほてり、発汗
頭や顔にカーッと熱を感じて汗が出てきたときは、首を冷やすことで治まってきます。短時間の外出であれば、小さめの保冷剤を持ち歩いたり、水でぬらして使えるように大きめのハンカチを常備したりするといいですね。もちろんホルモン補充療法は著効しますし、漢方薬の服用も有効 です。

●疲れやすい、やる気が出ない
貧血や甲状腺機能低下症などでも疲れやすい症状が出ることがあります。また、うつでも同様の症状が出やすいです。忙しい生活をしている人は、まず、しっかり睡眠をとる、栄養バランスのとれた食事をとるなど生活習慣を整え、それでも改善しないようなら婦人科に相談してみましょう。

●動悸、胸がしめつけられる
動悸、胸がしめつけられる感じは更年期によくある自律神経の症状ですが、心筋梗塞、狭心症、不整脈、甲状腺の病気などでも同様の症状が出ます。まずは内科や循環器科を受診しましょう。心臓や甲状腺などに問題がない場合は、1日の中で少しでもリラックスできる時間をとるように心がけたいですね。

●めまい
メニエール病でもめまいが起ります。めまいがひどいときは耳鼻科を受診しましょう。疾患によるものではない場合は、耳や首回りの血流を促すことで改善することがあります。首を回したり、耳のうしろのツボを押したりすると血の巡りがよくなります。

エストロゲンの減少によるトラブルにはコレが効く!

グーサインを出す女性の画像

エストロゲンの減少による主な更年期症状への対策をまとめました。

●肌の乾燥、肌あれ
更年期の肌の乾燥、肌あれは、エストロゲンの減少により肌の水分を保つヒアルロン酸も減ってしまうせいです。更年期の肌ケアは、まずは保湿です。自分の肌に合った保湿剤でケアしていきましょう。

●ドライアイ
エストロゲンの減少により涙も少なくなるため、ドライアイのリスクが高まります。同じドライアイのリスクになるパソコンやスマホの使い過ぎには要注意。ときどき、画面から目を離して目を休ませましょう。

●ドライマウス
ドライマウスは、唾液の量が少なくなることが原因です。唾液には抗菌作用、消化作用、食べものを飲み込みやすくする作用などがあります。食べものをよくかんで食べたり、ガムをかんだりすると唾液の分泌量がアップします。

●ドライノーズ
鼻の中がカサカサする、鼻くそがたまりやすくなったといった変化を感じたら、ドライノーズかもしれません。セルフケアとしては鼻に潤いを与えることが大事。空気の乾燥した季節には加湿器などを使う、マスクをすることなどが有効です。

●性交痛
婦人科で相談してみましょう。性交をスムーズにするゼリーや腟に入れる座薬などを処方してもらえます。ホルモン補充療法も効果が期待できます。

●骨密度の低下
閉経後、エストロゲンの減少により骨密度が急激に低下していきます。骨がスカスカになってしまう「骨粗しょう症」を予防するためにも、乳製品、小魚、小松菜、大豆製品などでカルシウムを摂取して、体内でビタミンDが合成されるように適度に日光浴をしましょう。骨に刺激を加えることも大切なので、ウォーキングなど運動もおすすめです。

●関節痛、指のこわばり
エストロゲンには関節の動きをスムーズにする作用もあります。更年期以降は関節痛が起きたり、指にこわばりを感じることがあります。血行を促すようにゆっくりマッサージをするといいでしょう。痛みや腫れなどの症状を強く感じるようなら、関節リウマチや手指に炎症が起こるヘバーデン結節などの可能性もあるので、整形外科を受診してみましょう。

●手指の冷え
更年期には末端の血流が悪くなり、冷えが強くなることがあります。洗面器を2つ用意して、お湯と水を入れ、交互に手を入れて血流を促すケアがおすすめです。

●尿もれ、筋力の低下
骨盤底筋を鍛える体操をしましょう。

骨盤底筋を鍛える筋トレを紹介します。朝起きたら行うなど、無理のない範囲で、生活習慣に組み込んでいくとよいでしょう。

ひざを立てているイラスト画像

〈1〉あお向けになって、ひざを立てる

お尻を上げているイラスト画像

〈2〉尿道、腟、肛門をきゅっと締めるようなイメージで、お尻を持ち上げる。その姿勢のまま10秒キープ。3回くり返す

いかがでしたか。
自分の症状に合う対処法を試しながら、少しずつ体調を整えていきたいですね。

取材・文/海老根 祐子  イラスト/クロカワユカリ

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高尾 美穂

高尾 美穂

産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。長年ヨガを愛好し多くのヨガインストラクターを指導。YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」では毎日、女性のお悩みに答え、楽に生きられる考え方を配信している。

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