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月経前の体の不調。つらいけれど、人には頼りにくい…。女性の8割が悩んでいる「PMS(月経前症候群)」への正しい対処法

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女性の不調画像

「なんだかいつもよりイライラする日が続くなと思ったら1週間後に生理(月経)が始まった」「生理の前は食べ過ぎやむくみが気になる」など、いわゆる「PMS(月経前症候群)」の症状に悩んでいる女性はとても多いそう。PMSは、月経前の約3~10日間に、周期的に起こるさまざまな不調のこと。お腹の張りやむくみ、頭痛、イライラ、だるさ、不安感などさまざまな症状があり、その種類は200ほどあると言われています。とはいえ、ツラいと感じていながらも放置しがちだというPMS、どのように対処したらよいのでしょうか。大塚製薬主催のヘルスケアセミナーに参加してきました。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

大きな弊害があるのに放置されている、それが「PMS」

PMS画像

生理前になると体重が落ちにくくなり、焦りつつも、なぜか甘いものを欲してしまう。だるいし頭が痛いし、親知らずを抜いたあとの歯ぐきがはれ、喉も痛くなってきて、風邪かなあと思っていると生理が始まって治まる――筆者の月経前の状況は、たいていこんな感じ。月経前、月経中は不調が当たり前で、波風を立てないように諦めながら過ごし、快調になればそれなりにやる気も元気も出てくるけれど、そのうちにまた月経前の不調に悩まされ…。考えてみると、1か月のうちに、快調な時期って1週間くらいなんですね。ところが、私の周囲にいる仕事仲間もママ友も、いつもみんな朗らかな様子に見えます。これは、「私だけが不調だから」ではなくて、多くの女性が同じような状況に置かれているにもかかわらず、元気にふるまおうとがんばっている結果なのではないでしょうか。

今回のセミナーで「PMS」の症状と、日本の抱える課題について教えてくれたのは、東京歯科大学市川総合病院 准教授の小川真里子先生です。小川先生によると、PMSは月経がある限り、どの年代の女性にも起こりうるもので、女性の95%は月経前に何らかの症状を経験しているそう。

PMSの症状には、たとえば下のようなものがあります。これは200種類ほどあると言われている中の主なPMS症状です。

このように多くの女性を悩ませるPMSですが、気軽にその情報を共有し、前向きに対処しているかというと、現状はそうではありません。
「国内外の働く女性2000人を対象にした調べによると、現在または過去にPMSの症状があったと回答した人のうち、6割の人は何も対処していません。また、日本全国の女性1000人を対象にした調査では、PMS症状のある人の4割が『とにかくガマンしている』と答えています。

多くの人がPMSについてどう対処したらよいのかよく知らないうえに、日本では専門家が不足しています。さらにPMSの原因は、実ははっきりとはわかっていません。ただ、PMSの女性と、非PMSの女性を比べたとき、黄体期(排卵後から月経が始まるまでの期間)に水分をためやすい(水分貯留量が多く、むくみやすい)という特徴があります。また、生活習慣の見直しや、いくつかの栄養素がPMS症状の改善に有効だということもわかっています」(小川先生)

PMSを改善するためには、「運動・睡眠・食生活」を見直そう!

「PMSの症状を改善するには、適度な運動、7~8時間の睡眠が大切です。食生活は次の6つの点を見直してみましょう。また、喫煙の習慣がある人は禁煙しましょう」

1、 月経前に甘いものや刺激物をとり過ぎない
2、 3度の食事をとる。精製されていない炭水化物を摂取する
3、 たんぱく質をきちんととる
4、 アルコールを控える
5、 カルシウム、オメガ3脂肪酸、ビタミンB6、マグネシウム、鉄をとる
6、体を温める食事をとる(しょうが、ねぎ、根菜類を使ったスープなど)

東京医療保健大学 神田裕子先生協力、小川真里子先生作成

「ただし、忙しい生活の中で栄養のことを細やかに考えた食事を毎回準備するのは難しい側面があります。不足しがちな栄養素をサプリで補うのもひとつの方法ですね。また、黄体期のむくみの解消については、医薬品よりもマイルドに水分貯留を解消する食成分に期待したいところです」(小川先生)

現代の社会では、PMSや月経困難症といった不調を抱えながらも、まだまだ「ガマン」という選択肢を選ぶ女性が多いのが現実。不調を持つ女性が、不調を持たない人と同じ社会で生きていくのは、フラットな地面を走る徒競走にハードル走で挑むような大変さがあると小川先生は言います。

まずは自分の不調がいつ起きるのかを自覚し、ガマンで乗り切るのではなく、それを緩和するための生活を心がけていくのが大切だと言えそうです。

取材・文/FYTTE編集部

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