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「豆苗」でストレスを乗り切る!? 栄養たっぷりおすすめレシピ2選

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トレーに入った豆苗

別れと出会いの季節「春」。新しい環境や気温の変動から、心も体も不安定になりやすい時期です。そんな新生活のスタートを元気で快適に過ごすためにおすすめなのが、えんどう豆の若菜「豆苗」。今回は、豆苗の栄養素やストレス軽減レシピを、大学客員教授で学術博士、栄養士の佐藤秀美先生に、くわしく教えてもらいました!

Contents 目次

春にストレスを感じる理由は?

デスクで寝ている女性

新しいことがたくさんあり、楽しいはずなのに「疲れたな」と感じることが多いのが春。佐藤先生によれば、五月病などという言葉にも代表されるように、春はストレスの多い季節です。その原因は入学や入社などの環境変化によるものや、紫外線の増加などが考えられます。

ストレスを受けると感じる症状のひとつが「疲労感・疲れやすさ」です。
「疲労感・疲れやすさ」の主な原因はエネルギー不足と活性酸素の過剰な発生と言われています。環境の変化などでストレスを感じると、それに対抗しようとして脳はフル回転し、オーバーワークになって通常よりもエネルギーを多く消費してしまいます。また、ストレスを受けると体内で活性酸素が大量に発生し、体の細胞にダメージを与えます。これが疲労につながるというわけです。

一方で、春から徐々に紫外線が多くなっていることもじつは影響しています。紫外線も体内で活性酸素を発生させるため、ストレスによる活性酸素の発生とのダブルパンチ。疲労に拍車をかけてしまっていると考えられます」(佐藤先生)

では、ストレスによる疲労を防ぐにはどうすればいいのでしょう?

豆苗はストレス軽減にぴったりの食材!

豆苗

ストレスによる疲労を防ぐには、ストレスの原因をとり除くのがいちばんですが、食生活でも軽減することができます。とくに脳のエネルギー消耗を防ぎ、疲労の原因となる活性酸素の除去に役立つ栄養素の摂取が大切です。

ストレス軽減に役立つ栄養素とポイントはこちら!

●糖質&ビタミンB1
・エネルギー不足を防ぐ
ストレスに対抗しようとして起きるエネルギー消耗をおぎなうために、脳のエネルギー源となる糖質を補給する必要があります。また、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1もエネルギー補給のために、とくに意識してとりたい栄養素です。

●抗酸化物質
・活性酸素を除去する
疲労の原因となる活性酸素を除去するためには、抗酸化作用のある栄養素の摂取がおすすめ。βカロテンやビタミンC、ビタミンEは代表的な抗酸化ビタミンです。

●マグネシウム
・生体機能を保つ酵素の働きを助ける
体内の300種類以上の酵素の働きを助ける重要な栄養素。精神的ストレスによって体内のマグネシウム量が低下することが知られています。マグネシウムの摂取を意識するとよいでしょう。

「ストレス軽減に役立つ栄養素を手軽にとれる食材が豆苗です。私自身も20年来、健康のために食べ続けています。

先ほどあげた栄養素のうち、豆苗にはエネルギー代謝に欠かせない『ビタミンB1』と抗酸化ビタミンの『βカロテン』『ビタミンC』『ビタミンE』が豊富に含まれています。とくにビタミンB1の含有量は緑色葉物野菜の中でもトップクラス。それぞれの栄養素単体で比べると、豆苗よりも含有量の多い野菜もありますが、ひとつの野菜でストレス軽減に役立つ栄養素をバランスよくとれるという点で、豆苗はきわめて優秀な野菜です」(佐藤先生)

それではさっそく豆苗を使ったストレス軽減レシピを見ていきましょう!

ストレス軽減におすすめの「豆苗」レシピ

「豆苗としらすのペペロンチーノ」

しらす干しにはマグネシウムがたっぷり。仕上げに加えるエクストラバージンオリーブオイルは、抗酸化作用をもつほか、香り成分がうつ病の軽減に役立つことが期待されています。

「豆苗としらすのペペロンチーノ」イメージ

■材料(2人分)■
豆苗:1パック
しらす干し:60g
パスタ:160g
にんにく:1かけ
とうがらし:1本
エクストラバージンオリーブオイル:大さじ2
しょうゆ:大さじ1
パルメザンチーズ:大さじ2

■作り方■
(1)豆苗は根元をおとして洗い、3等分に切る
(2)にんにくは薄切り、とうがらしは小口切りにする
(3)なべにたっぷりの湯を沸かし、約1%の塩(湯1Lに対して10g程度)を入れて、表示時間にしたがってパスタをゆでる。ゆで汁は使うのでとっておく。
(4)フライパンにオリーブオイル大さじ1、にんにくとうがらしを入れて香りがたったら豆苗をいれ、パスタのゆで汁をおたまで2杯(100ml程度)加える。豆苗がしんなりしたところに、ゆであがったパスタ、しらす干しを加えてあえ、火を止める。残りのオリーブオイル大さじ1、しょうゆを回しかけてひと混ぜし、パルメザンチーズをふる。

「納豆と豆苗のチャーハン」

納豆もマグネシウムが豊富な食品。油でいためることで、豆苗のβカロテンの吸収が高まります。

「納豆と豆苗のチャーハン」イメージ

■材料(2人分)■
豆苗:1/2パック
納豆:1パック
ごはん:300g
たまご:2個
長ねぎ:適量
しょうゆ:大さじ1
バター:10g
塩、こしょう:各少々
サラダ油:小さじ1

■作り方■
(1)豆苗は根元をおとして洗い、1cm程度の長さにきざむ。長ねぎはみじん切りにする。たまごはボウルに入れて溶きほぐし、納豆を加えて混ぜる。
(2)フライパンにサラダ油を入れて強火で熱し、納豆入りの溶きたまごを要れ、かき混ぜずに加熱する。たまごが半熟になったらごはんを加え、ほぐすように手早く混ぜながらいためる。
(3)ごはんが混ざり、たまごの半熟感がなくなったら、豆苗とねぎを加えて混ぜながら炒める。
(4)豆苗が全体に混ざりしんなりしたら、バターとしょうゆを加え、全体にいきわたるように混ぜる。塩、こしょうで味をととのえる。

ストレス軽減に効果的な豆苗の食べ方にはポイントがあります。

(1)マグネシウムの多い食品やごはんなどの糖質と組み合わせる
魚や大豆などのマグネシウムの多い食品や、ごはんや麺類などの糖質を含む食品と豆苗を組み合わせることで、ストレス軽減に役立つ栄養素をしっかりとることができます。

(2)油と組み合わせる!
油で炒めたり和えたりすると、抗酸化ビタミンのβカロテンの吸収がよくなります。

(3)加熱調理がおすすめ!
加熱することで細胞壁が壊れると、細胞内に閉じこめられている栄養素が細胞外へ出やすくなるので、体内に吸収されやすくなります。ゆでると、ゆで汁に水溶性のビタミンB群やビタミンCが溶け出してしまうので、電子レンジ加熱や、汁ごと食べられる料理がおすすめです。

ぜひこれらのポイントをふまえて、栄養たっぷりの豆苗レシピに挑戦してみてください。いろいろな料理にとり入れやすく、春はもちろん1年を通して安く手に入る豆苗を活用して、春のストレスに負けない体づくりをめざしましょう!

*レシピ提供:村上農園↓
http://www.murakamifarm.com/recipe/list/toumyou/index.php

<プロフィール>
佐藤 秀美先生

日本獣医生命科学大学客員教授・学術博士(食物学)・栄養士。横浜国立大学卒業後、9年間電機メーカーで調理機器の研究開発に従事。その後、お茶の水女子大学大学院修士・博士課程を修了。各地で講演、テレビ出演などでも活躍中。著書に『おいしさをつくる「熱」の科学』、『栄養「こつ」の科学』(ともに柴田書店)、『キッチンの科学~おいしさと健康を考える~』(同文書院)など。

文/FYTTE編集部

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