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フライパン・炊飯器・無水鍋でパン作り! オーブンなしで美味しいパンを焼く方法

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Contents 目次

 

3. ワインやチーズを合わせたくなる、無水鍋で焼く「クルミのカンパーニュ」

コロンとした丸くてかわいいフォルムに焼けるカンパーニュは、クープ(切り込み)がきれいに開いて、まるでプロのような仕上がりになります。粉と塩、イースト、水だけのシンプルな生地に香りのよいローストしたクルミを混ぜ込みました。

「フランスパン専用粉を使うことで、フランスパンらしい香りと風味を感じられるパンが焼き上がります。代用したい場合は、強力粉7:薄力粉3で作ってみてくださいね」

【材料(24cm鍋1台分)】

・フランスパン専用粉(リスドォル)…200g
・塩…4g
・ドライイースト…2g
・水…150g~
・クルミ(ローストしておく)…50g

【道具】
・無水鍋
・蒸し板

無水鍋はどんなものでも構いませんが、取手の部分も高熱になるので、鍋ごとオーブンに入れられるような造りのものを選びましょう。「蒸し板は100円ショップでも売っているもので構いません。パン生地が底についてしまうと焦げるので、底上げするために使用します」

【工程】
①こね→②一次発酵(室温60分)→③分割・ベンチタイム(10分)→④成形→⑤二次発酵(室温40〜60分)→⑥焼成(30分)

【作り方】
1. クルミ以外の材料を混ぜ合わせてこねる

クルミ以外の材料を混ぜ、粉っぽさがなくなったらクルミを入れてさらにこねます。「フランスパンのようなパンは、こねすぎるとグルテンが出てしまい、食感がふっくらしてしまいます。歯切れがよくサクッとしたフランスパンらしいパンに仕上げるには、混ぜすぎないことが大切です」

クルミを入れたあともあまり混ぜすぎず、ベタベタしているまま発酵に移ります。

2. ボウルにラップをかけて一次発酵させる

室温で60分ほど発酵させます。発酵が終わると、このくらい膨らみます。ベタつく生地なので、取り出す前にフランスパン専用粉をかけてから、パンマットやまな板などの上に生地を出しましょう。

生地がゆるいので、手にくっつかないように粉をつけながら丸めていきましょう。

3. ベンチタイムをとってから丸め直す

生地が丸くまとまったら、濡らして硬く絞った布巾をかけて10分休ませます。このときも炊飯器で焼くパンと同じように、表面にハリが出るようまとめ、後ろをつまんでしっかりと閉じます。

4. 生地に飾り用の粉を振る

生地をオーブンシートの上に乗せ、アルミ皿に入れたら、飾り用の粉を振りましょう。表面に粉を振ると、カンパーニュらしい表情に焼き上げることができます。「アルミ皿は熱伝導率がよく、パンにしっかり火を通して焼けるのですが、ガラス皿や耐熱皿で代用すると、熱の伝わり方が変わってしまうので、焼き上がりに時間がかかる恐れがあります」

5. 無水鍋の中で二次発酵させる

アルミ皿ごと無水鍋に入れたら蓋を閉め、40〜60分ほど室温に置いておきます。きちんと発酵したかどうかの見極めが難しいところですが、室温25℃くらいのところであれば40分ほど、冬場など寒い時期であれば60分ほど発酵時間をおきましょう。「目安は、生地が2倍くらいまで膨らんでいるかどうかです。18cmのアルミ皿のひと回り小さいくらいまで発酵させます」

6. 鍋と蓋を余熱する

アルミ皿ごとパン生地を取り出し、蓋と鍋が温まるよう、中火で5分温めます。このとき蓋の方を熱くしたいので、蓋を鍋の下に敷いて火をつけるのが効率的です。「通常のコンロでは、鍋が熱くなるとセンサーが働いてしまい、弱火になったり火が消えてしまったりするので、カセットコンロを使って焼きます」

7. クープを入れる

パン生地にナイフで十字の切り込みを入れましょう。製パン材料では、パン生地に切り込みを入れるためのクープナイフというものが売っていますが、ペティナイフや包丁でも切れます。「パン生地がナイフにくっついてしまわないよう、そっと表面を剥ぐように切りましょう。しっかり後ろを閉じて表面にハリが出るように丸められていたら、この時点でクープ(切り込み)がきれいに開いてきますよ」

8. パンを焼く

鍋の余熱ができたら、生地の表面を霧吹きでしっかり濡らしましょう。その後、蒸し板にアルミ皿ごと生地をのせます。パン生地にかからないよう、鍋の中に大さじ1の熱湯(分量外)を入れてすぐ蓋をしたら、中火で20分焼きます。熱湯を入れるとじゅわっと蒸気が上がってくるので、気をつけて行いましょう。「蓋も鍋も高温になっていますので、火傷しないよう注意してください。オーブン用のミトンでも構いませんが、五本指がしっかり動かせるので軍手を2枚つけるのがおすすめです」

9. 20分経ったら焼き色を確認する

蓋を一度開けて様子を見て、焼き色が薄いときは弱火にし、すでに焼き色がつきはじめているときは中火のまま、蓋を閉めてさらに10分焼きましょう(焼き時間は合計30分)。こちらが20分経ったときのようすです。まだ上部には焼き色がついていないので、中火のままもう10分焼いていきます。

そしてこちらがそこから10分経ったカンパーニュ。こんがりといい焼き色がつき、おいしそうに焼き上がっています。

「熱いので気をつけてアルミ皿ごとパンを取り出し、クーラーの上で冷ましましょう。粗熱がとれたらスライスしていただきます。クルミを入れなくてもおいしいですし、ドライフルーツなどを入れてアレンジすることもできます。ただ、ドライフルーツなど糖分の高いものはどうしても焦げやすいので、プレーンやクルミ入りに慣れてきたところで作ってみてください」

無水鍋で焼く本格的なパンレシピ

「無水鍋で焼くおいしいパン」(文化出版局)
今回紹介した無水鍋で焼くパンのさまざまなアレンジレシピは、荻山さんのレシピ本「無水鍋で焼くおいしいパン」にたくさん掲載されています。

焼いたパンの保存は冷凍庫で

焼いたあとのパンはなるべく3日以内には食べ切りましょう。すぐに食べないとわかっている場合はラップに包んでからチャックつきの保存袋に入れるなど二重にしてから、冷凍庫で保存します。

「冷蔵庫ではパンの水分がどんどん抜けていってしまい、劣化が進みます。冷凍すればおいしくいただけますが、パンは匂いや水分を吸収しやすいので、必ず二重にラッピングしましょう。ちなみに使わない小麦粉も冷凍庫で保存するのがおすすめですよ」

オーブンがなくても、こんなに本格的でおいしいパンが焼けるなら、作ってみたい気持ちもわいてきますよね。工程の時間さえ守れば上手に焼くことができますから、ぜひ挑戦してみてください。


Profile

パン・料理研究家 / 荻山和也
フレンチとアジアンのキュイジーヌレストランで調理を担当したのち、パン作りに魅了されパンと料理の研究家に。現在は料理教室にてパン作りのレッスンをしている他、パン作りのレシピ本も数多く発表している。無水鍋やホームベーカリーを使ったパンのレシピ本もある。最新刊は『ホームベーカリーでプレミアム食パン』(エイ出版)。

GetNaviがプロデュースするライフスタイルウェブマガジン「@Living」

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