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「眠れない」「起きられない」悩みをどうする? 睡眠のプロが教える、冬の快眠環境作り

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「眠れない」「起きられない」悩みをどうする? 睡眠のプロが教える、冬の快眠環境作り

日に日に寒さが厳しくなってきた今日この頃。体が冷えてなかなか寝つけなかったり、朝布団から出られなかったり、といった睡眠の悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。東京・大阪在住の男女600名に冬の睡眠環境による意識調査を行ったところ、6割以上が「冬の睡眠の質に満足していない」という結果が出ています(三菱電機 霧ヶ峰PR局実施)。健康と美容のために、質の高い睡眠をとるにはどうしたらいいのか。快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんが解説します。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

6割以上が「睡眠の質に満足していない」と回答

調査によると、「睡眠の質に満足していない」といの回答は63.9%。睡眠で気になることとしては「朝寒くて起きるのが辛い」が36.2%と最も多く、次いで「乾燥でのどが痛い」31.7%、「手足が冷えて眠れない」23.2%など、室内の冷えや乾燥が原因と思われる項目が並びました。また、睡眠時にエアコンを利用していない人は66%。理由としては「のどの乾燥が気になる」「空気の乾燥が気になる」との回答がそれぞれ半数以上を占めています。とくに女性は男性に比べて、乾燥を気にする傾向があることがわかります。

寝室の温度は18℃以上、湿度は40〜60%にキープ!

快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんによると、寝床内の快適な温湿度は33℃±1℃、湿度 50%±5%」で1年中同じ。それを左右するのは寝室の「温度」「湿度」「気流」といった環境サイドの要素に加えて、「寝具量」「着衣量」「体質」といった合計6要素が影響しており、トータルで考えることがとても大切です。
真冬に熟睡できない原因は、寒さによって筋緊張が起こり血行が阻害され、 体の深部の温度が下がらないこと。寒いと掛け布団を何枚も重ねて保温性を担保しようとしますが、かけすぎると布団の重さで体が圧迫されて、逆に血行が妨げられてしまいます。質のよい睡眠をとるには、「寝室の温度は 18℃以上、湿度が40-60%」がベストです。

冬の睡眠環境を整える7つのテクニック

睡眠時の部屋を快適に保つためには、どうしたらいいのか、今からできる7つのテクニックを紹介します。
<1>エアコンをひと晩中つけっぱなしにする

エアコンの温度は18〜23℃に設定して、ひと晩中つけっぱなしにしておきましょう。「夜中に寒くて目が覚めてしまう」「朝布団から出られない」といった問題はこれで解決できるはず。とはいえ、エアコンの空気で肌が乾燥してしまうのは、なんとしても避けたいところです。
そこでおすすめなのは、エアコンの風向きを人がいない下向きに切り替える方法。人に直接温風を当てずに、暖かい空間を作り出すことができます。「風よけ運転」ができる製品なら、エアコン側で人に当たらない風向きに設定してくれるので、より簡単です。
エアコンの機能に「保湿機能」があれば、こちらもぜひ活用してみましょう。エアコンからミストが放出されて部屋をきれいにし、保湿効果で乾燥を抑えてくれます。エアコンの温風を弱めて眠りやすい環境を作ってくれる「ねむり運転」機能も便利です。

<2>断熱カーテンや断熱シートで外気をブロック
寝室が冷える一番の原因は、外からの冷気。室内の暖かい空気が窓際で冷やされると床に滞留し、部屋全体が冷えてしまいます。窓からの冷気を防ぐには、「断熱カーテンを床までかける」「窓に断熱シートを貼る」「窓を二重窓にする」といった方法が有効。一時的にコストはかかりますが、長期的に見ると光熱費を下げることができます。

<3> 加湿機の利用や洗濯物の室内干し、マスクの着用で湿度をUP

エアコンをつけると温度を一定に保つことができますが、湿度を上げることは難しくなります。そのため必ず、同時に加湿を行うことが大切。加湿器がなくても、洗濯物を室内干ししたり、観葉植物を飾ったり、といった手軽な方法でも効果が期待できます。
睡眠時にマスクを着用するのもおすすめ。この場合は不織布ではなく、綿やシルクを選びましょう。繊維の間に水分を含むため、保湿性が高まります。

<4>部屋を換気する
部屋の空気が汚れていると呼吸が浅くなり、 睡眠の質が低下してしまうことがあります。エアコンをつける前には、窓を開けて換気をするよう心がけましょう。きれいな空気を部屋にとり入れてから睡眠に入ることで呼吸が深くなり、疲れが残りにくくなります。

<5> 布団を事前にあたためておく

冷たい布団に入ると、筋肉がキュッと収縮して深い眠りに入るための体温の放熱ができず、寝つきが悪くなってしまいます。布団乾燥機や湯たんぽなどを使って、あらかじめ人肌程度にあたためておくといいでしょう。

<6> 寝具の順番を考える
羽毛布団は体に直接ふれる形で使うと、布団の中に熱をキープできます。マイクロファイバーの毛布を使う場合は、羽毛布団の上からかけるのが基本。羽毛布団が体に密着し、 肩口からの冷気を防いでくれます。それでも寒い場合にはウール、カシミア、キャメルなど動物の毛の毛布を羽毛布団の内側に敷く方法もあります。保温性・吸放湿性にすぐれている動物性の毛布は、蒸れることなく温かさをキープできるのが特徴。一方、綿の掛ふとんは温まりにくい性質があるので、掛けふとんの内側に毛布を敷き、体に密着させるといいでしょう。

<7> パジャマの着方を考える

就寝中に横向きになると、背中と掛け布団のすき間から冷気が入り、寒さで目が覚めることがあります。これを避けるために活用したいのはパジャマの下の肌着の内側にフェイスタオルを入れるテクニック。背中側に入れることで保温や保湿効果が期待でき、熟睡感がアップします。

家で過ごす時間が多く、ストレスを抱えがちな今年の冬。睡眠環境を整えてしっかりと疲れをとり、元気に春を迎えましょう。

<Profile>
快眠セラピスト・睡眠環境プランナー
三橋 美穂さん

寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。講演・研修や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。主な著書に『眠トレぐっすり眠ってすっきり目覚める 66 の新習慣』(三笠書房) ほか、日本語版を監修した『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』(飛鳥新社)はシリーズ累計 115 万部を突破

【調査概要】
調査対象者:東京・大阪に在住の 30-59 歳の男女で、寝室にエアコンがある方 600 名
調査方法:インターネット
調査期間:2020 年 11 月 6 日(金)~11 月 8 日(日)

文/わたなべゆうこ

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