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44歳・バツイチ。結婚18年目に夫から離婚を切り出され…。今は子育ても終え、朝起きたときに孤独を感じます~私、ひとりでいてもイイですか?(28)~

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44歳・バツイチ。結婚18年目に夫から離婚を切り出され…。今は子育ても終え、朝起きたときに孤独を感じます~私、ひとりでいてもイイですか?(28)~

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、東京郊外の中小企業で役員として勤務する44歳の女性。18年連れ添った前夫が知り合いのママ友と恋愛関係になり、離婚を切り出されて2児のシングルマザーに。現在は子育てを終え、シングルライフを謳歌できる状態にあるようですが、果たして…。

Writer : 大宮冬洋 (おおみや・とうよう) (フリーライター)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

Contents 目次

高校を卒業してから勤続25年。待遇はいいけれど、事務所では社長の代わりです

この春に子育てを完遂したばかりのシングルマザーがいる。東京郊外の中小企業で働いている風間優子さん(仮名、44歳)だ。子どもは立派に育って巣立ったので「元シングルマザー」というべきかもしれない。

勤務先における事務仕事は、勤続25年の風間さんがほぼ一手に取り仕切っているらしい。経営者が世代交代をする際に役員になることを打診されて引き受けた。そのぶんだけ待遇はいいけれど、現場を飛び回っている社長に代わって事務所を支えなくてはいけない。重責だ。繁忙期は週に何日かは朝5時半から夜8時ごろまで働くこともある。

5年前に離婚をした風間さん。前夫からは養育費は受け取っていたが2人の息子の世話は自分だけでやらなければならない。忙しく働きながらも家事をして、土日は息子たちの部活をサポートしてきた。

今、25年ぶりにひとり暮らしに戻った風間さん。どんなことを感じながら暮らしているのだろうか。高校を卒業して就職したときに遡って話を聞いた。

***風間優子さん(仮名、44歳)の話***

結婚18年目でいきなり離婚を切り出された。私は本当に好きだったのに

私の両親は「20歳になったらひとり暮らしをしなさい」と言っていました。だから、私たち4人きょうだいはみんな20歳前後に実家を出ています。でも、私はその数か月後には前夫と出会ってつき合い始め、翌年には21歳で「授かり婚」をしました。本格的にひとり暮らしをするのは子どもたちが巣立った今春からが初めてです。

前夫との出会いはバイト先のスナックです。高卒で就職したので給料が安くて、夜も仕事をしていました。前夫は、雇われママの息子です(笑)。
夫婦仲はよいと思っていたので、39歳のときに前夫から離婚を切り出されたときはショックでした。私は本当に彼のことが好きだったのに…。

離婚原因はありがちな話です。前夫は子どもたちのスポーツのコーチをしていて、そのうちのひとりのお母さんと恋愛関係になったことです。私にとってはママ友でもあります。私と離婚して、その女性と再婚し、最近になって住宅ローンを組んで家を買ったそうです。
養育費はちゃんともらっていましたし、子どもたちとは連絡をとっているみたいです。長男が引っ越すときに前夫から車を借りていましたから。

今春、長男も次男もひとり暮らしを開始。親の責任を果たし終えました

離婚したとき、長男と次男は高校生と中学生でした。私とは違って、「夫婦仲がそんなに悪かったっけ? でも、(離婚するのは)しょうがなくね?」という冷静な反応だったのを覚えています。別居期間を含めると、この春までの6年間は3人で暮らしていました。

子育ては大変なこともありましたが、振り返ってみるといい思い出です。息子たちは何でも自分でできる男性に育ちました。私は酔っぱらっていることも多いからです(笑)。昨年から働き始めた次男からは弁当代も徴収していましたよ。「母ちゃんの弁当に500円は出せない」と言われたので、300円に値下げしましたけど(笑)。

長男は社宅がある会社を見つけて就職して巣立ちました。その背中を見ていた次男もひとり暮らしをしたくなったらしく、職場の近くにアパートを借りたんです。もう少し実家で暮らしてお金を貯めたいと言っていたのに…。

それぞれに独立祝いとして10万円ずつ渡して、私の子育ては終了です。長男には長くつき合っている彼女がいるので、数年のうちには私も孫を抱けるかもしれません。でも、娘の親ではないので世話をすることにはならないと思います。

子どもたちが巣立って肩の荷が下りたのは事実ですが、実際には長男の大学の学費を払い終えた去年のほうがその感覚が強くありました。「なんとかなった。これで私はいつ死んでも大丈夫!」と思ったんです。親の責任をなんとか果たせました。

寂しいのは朝起きたとき。「ああ、誰もいない…!」っていつも思います

私は一応、役員なので3LDKのマンションを社宅として安く借りられています。子どもたちにはそれぞれの個室がありましたが、3人で仲よくリビングで過ごすことが多かったですね。

子どもたちの友だちも大歓迎。10人ぐらいでゲーム大会をして、そのまま雑魚寝していくことはしょっちゅうでした。長男も次男も家を出たことを知った子たちが「え、あそこのうちはお母さんひとりになっちゃったの? じゃあ、オレが下宿したい!」なんて言ってくれています。それもありかな。社宅なので勝手なことはできませんけど。

夜は仕事で疲れていますし、お酒を飲んで気絶するように寝ているので何も感じません。寂しいのは朝起きたときですね。「ああ、誰もいない!」っていつも思います。本当に寂しいです。

近所にいる義父母とは今でも仲よくしています。勝手なことをした実の息子よりも、私をかわいがってくれているかもしれません。息子たちが巣立った今後も関係は変わらないと思います。

週末は都内を散歩。途中で「ガソリン」を補給しながら10キロぐらいは歩きます

趣味は散歩と酒場です。コロナ禍の今は飲み歩きは難しいのですが、なじみの店には顔を出すようにしています。
散歩はひとりでも行きますし、コロナ禍前までは飲み仲間と歩くこともありました。週末は都内を10キロぐらい歩き回って、途中で昼飲みをして「ガソリン」を補給するのがいつものパターン。だいたい2万歩ぐらいですね。

恋人は今はいません。離婚してから2人の男性とおつき合いしました。1人目とは1年半ぐらいつき合いましたが、気持ちのすれ違いがあってお別れすることに。散歩の楽しさを教えてくれたのは彼なので感謝しています。

2人目の人とは2019年の夏に会いました。同い年でご近所なのでときどき会って楽しく飲んでいたのですが、1年経っても何のアプローチもなし。私のほうから「つき合おうよ」と言いました。でも、彼は私にあまり興味がなかったのだと思います。連絡しても忘れた頃に返信があるぐらいですし、泊まったりすることもありませんでした。

できればまた結婚したい。相手に求めるのは「会話を楽しくできること」だけです

私は男性の見た目にはこだわりません。とにかく「会話ができること」に尽きます。一緒に楽しく飲んでしゃべりたいだけなんです。

別れたりするのはもうしんどいので、一緒に住める相手ならば結婚したいなと思っています。結婚していても別れるときは別れることは身をもって知っています。でも、拘束力が少しでも強いほうが安心できるからです。

これから子どもを育てるのは絶対に嫌です。私はもう十分にがんばりました。20代30代は子育ての記憶しかありません。だから、小さい子どもがいるシングルファーザーとおつき合いするのは無理かも。お父さんをとられた、と思われたくもないですし。理想としては、うちのように子どもが巣立ったあとの人がいいですね。お互いにわかり合える気がします。

首都高の大橋JCTの上にある庭園から見えた富士山。「この日は渋谷から歩いて大橋JCT、そして代々木上原まで歩いて東京ジャーミイ(モスクがあるトルコ文化センター)も見学してきました」(本人提供)

***大宮より風間さんへ***

寂しいという感情は新しいことを始める活力の源泉。自分で「酒場」を作りましょう!

子どもの学費を払い終えたときに「これで私はいつ死んでも大丈夫!」と思ったと振り返る風間さん。今、息子さんたちが巣立った後の3LDKで朝起きるたびに寂しさを覚えているとも明かしてくれました。僕には子どもがいませんが、おそらく風間さんと同じぐらいしゃべり好きの寂しがりなので、その気持ちは少しわかる気がしています。

見方を変えれば、風間さんはだれよりも自由な立場にあります。役員を務めている勤務先での責任は重いけれど、自由度は大きいですよね。年収は高めで家賃は安く、散歩によってコストゼロで健康を維持できています。人間関係も良好。さらに、風間さんには「子どもを2人も立派に育て終えた」という経歴もあります。今後は、だれにも引け目を感じることなく、第二の人生を謳歌できるのです。

寂しいという感情は新しいことを始める活力の源泉です。若い頃はお金のためにスナックのアルバイトをしていた風間さん。コロナが終息して昼間の仕事で後輩が育ってきたあたりで、スナックを自分で開いてみたらどうでしょうか。安く飲めるけれど、ママの審査ありの会員制のお店です。なじみのお店が場所を貸してくれるのであれば、週に数日だけ飲み仲間と一緒に経営しても面白そうですね。寂しさを感じる暇もなくなるでしょう。よき出会いもあるはずです。今から楽しく計画を進めることをお勧めします!

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