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CATEGORY : ダイエット |考え方

理学療法士が教える! 「産後ダイエット」なかなか改善しない「ぽっこりお腹」の解決法 [腹直筋離開セルフケア編]

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産後のぽっこりお腹のイメージ

「ぽっこりお腹がどうしても改善しない…、もう何をしても戻らない?」妊娠・出産によって生じる体の変化に悩んでいる女性はとても多いです。「産後ダイエット」に励んでもなかなかいい結果が出ないとあきらめている人は、この記事で解決するかもしれません! 今回は、理学療法士でも知っている人が少ない貴重な情報をお教えしながら、ぽっこりお腹解消に導きます。

監修 : 伊藤 彰浩

株式会社MEDI-TRAIN代表取締役。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、理学療法士。JIN整形外科スポーツクリニック、リバーシティすずき整形外科でトップアスリートから子ども、高齢者まで幅広い年代に向けたリハビリテーションを経験。東京広尾の女性専用パーソナルトレーニングスタジオにてダイエット指導やボディメイクなどの経験を持つ。現在は、神奈川、東京都内を中心に、オリンピック強化指定選手のパーソナルトレーニングや、産前産後ケアの分野など幅広く活躍中。

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Contents 目次

腹直筋離開に対するセルフケア

前回の記事『「産後ダイエット」あきらめたほうがいい? 産後に生じたぽっこりお腹は「腹直筋離開」が原因かも!?』では、産後のぽっこりお腹の原因で多くみられる「腹直筋離開(ふくちょくきんりかい)」について解説しました。

妊娠中はお腹の皮膚や腹筋が伸ばされ、なかには皮膚や筋膜の損傷、また多胎児の妊婦さんにおいては、さらに腹囲が大きくなるため腹直筋離開が生じやすくなります。腹直筋離開が生じると、腹筋の力が入りづらくなり、腰や背中にかかる負担が大きくなることで腰痛や骨盤痛へと発展する可能性がでてくるため、産後にしっかりとケアすることが大切です。今回は腹直筋離開に対するセルフケアについてお伝えいたします。

まずは前回の「腹直筋離開」について復習しましょう。

腹直筋離開とは

腹直筋離開のイラスト

お腹を上下に走る腹直筋という筋肉があります。妊娠週数に伴い腹直筋が伸ばされ、真ん中にある「白線(はくせん)」が引き伸ばされてくる症状のことを腹直筋離開といいます。妊娠中には多くの妊婦さんが経験しますが、産後に腹直筋離開が残存する人もみられます。
妊娠中によくおこる症状ですが、妊娠していなくても肥満であれば男女問わず発症することがあります。
腹直筋離開が生じると、外観の問題だけでなく、腹筋の力が入りづらくなり、腰や背中にかかる負担が大きくなることで腰痛や骨盤痛へと発展する可能性があります。

【腹直筋離開に対するセルフケア】
腹直筋離開は3つのステップでケアしていきましょう。
ステップ1:腹直筋と腹斜筋の癒着をとる
ステップ2:腹式呼吸でインナーマッスルを鍛える
ステップ3:腹直筋の幅を寄せた状態での腹筋運動

【ステップ1:腹直筋と腹斜筋の癒着をとる】
腹斜筋(わき腹を覆う外腹斜筋と深層にある内腹斜筋の総称)が硬くなり「癒着(ゆちゃく)」が起こることで、腹直筋と白線が外側に引っ張り出され腹直筋離開が生じます。
まずは、腹直筋と腹斜筋のつなぎ目の部分をゆるめて「癒着」をとることがファーストステップです。
腹直筋離開のある高さのつなぎ目の部分を内側へ寄せるように動かしていきます。腹直筋の幅をせまくしていくことが目的です。

腹直筋と腹斜筋の癒着をとる

【ステップ2:腹式呼吸でインナーマッスルを鍛える】

腹式呼吸でインナーマッスルを鍛える

あお向けに寝て、両ひざを90度くらいに曲げます。両手で腹直筋を中央に寄せた状態で腹式呼吸を行い、腹横筋と骨盤底筋群の収縮を行います。鼻から息を吸って、吐くときは口から細く長く息を吐いていきます。息を吐いていくときに、両手で腹直筋を中央に寄せるような力を加えます。息を吐くときには、尿道・膣を閉じて呼気を頭側へ送るイメージで深い呼吸を行っていきます。
体幹のインナーマッスルを正しく使えるようになることで、体幹部を安定させることができます。

【ステップ3:腹直筋の幅を寄せた状態での腹筋運動】

腹直筋の幅を寄せた状態での腹筋運動

ステップ2の状態から、息を吐きながら軽く頭を起こしていきます。頭を上げる高さは、お腹がぽっこりと盛り上がらない高さまででよいです。頭を上げすぎると、腹圧が高くなりすぎて離開部分が内側から突出し、離開の幅を広げてしまうことにつながるので注意してください。

腹直筋離開の回復には個人差があり、産後6か月~1年で自然治癒する人もいます。産後1年以上経過した人でも、今回ご紹介した3ステップのエクササイズを続けていくことで腹直筋離開の幅がせまくなっていくことを感じられると思いますので、ぜひ取り組んでみてくださいね。

産後すぐに腹筋運動やトレーニングを行うのではなく、まずは腹直筋離開の有無をチェックして、お腹まわりを正しくケアしたあとに産後ダイエットに取り組んでいきましょう。

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