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睡眠中って脂肪燃焼するの? ダイエットに水は必要? ボディメイクの基礎知識、いくつ知ってる?
美しいボディメイクに必要な知識、どれぐらい知っている? コンディショニング・トレーナーの桑原弘樹先生にクイズ形式で教えていただきました。知っているようで、意外と知らないことや勘違いしていること、ちょっとマニアックだけど知っていると得することなどを集めました。さっそく次の5つ問題を〇か×か、考えてみましょう。
Contents 目次
Q1、睡眠時は省エネモードになるため、脂肪の燃焼も進まない
正解は× しっかり寝れば、脂肪燃焼は進む!「空腹で寝ること」が代謝アップのカギ
寝ているときは成長ホルモンが分泌されますが、その際、成長ホルモンは脂肪の分解を促し、脂肪をエネルギーとして使いやすくするめに脂肪燃焼が進むのです。そして、ここでひとつカギとなるのが、「空腹」で寝るということ。食べものが胃の中にあるまま寝ると内臓が活動状態にあるため、睡眠が浅くなってしまうのです。すると、成長ホルモンの分泌も低下して燃料力も弱まってしまいます。就寝の2~3時間前から、食べものは口にしないことがポイントです。
睡眠時とトレーニング時の一時的な代謝量を比較すれば、当然、トレーニング時のほうが多くなります。しかし、睡眠は6~8時間といった長時間に及びます。同じ時間トレーニングに費やすことはまずないので、トータル的な消費量で比較すれば睡眠時のほうが多いのです。だからこそ、寝ている時間を上手く活用することが、やせる近道とも言えます。
Q2、野菜にはビタミンなどのほかに、カロテノイドなどの抗酸化成分が豊富に含まれる
正解は〇 緑黄色野菜に多く含まれる栄養素 高い抗酸化作用に注目!
カロテノイドは植物が光合成で生まれる活性酸素から身を守るために存在する色素成分。にんじんやかぼちゃ、ブロッコリーなど色の濃い野菜、すなわち緑黄色野菜に多く含まれているのですが、その高い抗酸化作用が注目されているのです。
人は体内で酸素を使ってエネルギーを生み出す際に活性酸素が発生するのですが、ストレスや紫外線、喫煙などが重なるとこの活性酸素が多量に発生。それらが体内の細胞を傷つけ、老化の進行や病気を引き起こす原因になると言われています。そんな、活性酸素を除去する働きが、抗酸化作用です。カロテノイドをはじめとした抗酸化作用の高い栄養素を積極的にとることは、美容や健康に効果的です。
Q3、ダイエット中はなるべく水をたくさん飲むように心がける
正解は〇 水を摂取すると、代謝が上がる!特にダイエット中は積極的に
水を摂取すると「水太りになる」「むくむ」といったイメージを持つ女性もいるようですが、それは勘違い。水を飲むことによって、代謝は上がります。それゆえ、こまめに飲む習慣をつけたほうがやせる力が高まるのです。
特にダイエット中は積極的に飲むことがおすすめです。というのも、食事制限などをして摂取カロリーが減ると、体は代謝を落としてその事態に対応しようとします。
代謝が落ちると脂肪燃焼力が弱まってしまうので、代謝低下を防ぐことが大切なのですが、水を飲んで代謝を上げることが、その対策のひとつです。
たくさん飲んだほうがよいとはいえ、飲み過ぎは胃に負担をかけるのでよくありません。一度にがぶがぶと飲むのではなく、こまめに摂取するのがよいでしょう。
Q4、高地トレーニングは赤血球の数を増やすことで、持久力を高めることができるが一般の健康にも役立つトレーニング法である
正解は× パフォーマンス向上に効果的ですが、体への負荷も大きい
高地トレーニングとは、酸素が薄い高地などで行うトレーニング。
酸素が薄いと血中の酸素濃度も低下するため、体は赤血球を増やします。それにより、多くの酸素を筋肉まで効率よく運べるようになります。増えた赤血球はすぐに減らないので、平地に戻った際、高い持久力が発揮できるのです。
しかし、赤血球が短期間で数を増やすと、逆にひとつひとつの質が低下してしまいます。例えば同じ材料で、倍の量のお菓子を作らなければならないとき、どうしますか? ひとつひとつを小さくしたり、中身をスカスカにするしかありません。これと同じで、赤血球も数をムリやり増やしているのですから、質が低下。これは、体にいいと言えません。
高地トレーニングは水泳やマラソンなど持久系の種目のパフォーマンス向上に高い効果を発揮することは確かですが、体への負荷が大きいため適応させるための期間やその間の栄養状況などの注意が必要なのです。
Q5、赤血球は、栄養素で質を高めることができる
正解は〇 赤血球の質を上げるために摂取したい、ヘム鉄とEPA
赤血球の数は高地トレーニングで増えますが、赤血球の質は運動では上がりません。しかし、食品などで必要な栄養素を摂取することで、質を高めることができます。
その栄養素のひとつが「ヘム鉄」です。ヘム鉄は動物性たんぱく質に多く含まれています。
赤血球の成分はほぼヘモグロビンですが、その材料は鉄とたんぱく質なので、鉄の不足は、赤血球の質に大きく関わります。
そしてもうひとつ覚えておきたい栄養素は、青魚に多く含まれる必須脂肪酸「EPA」。EPAは赤血球の膜を作るために大切な材料です。不足するとその膜が硬くなってしまうため毛細血管のなかをスムーズにと通り抜けることができず、血流が悪くなってしまうのです。
そのほか、先に説明したカロテノイドなども膜の酸化を守るためには効果的です。
いくつ正解できましたか?
睡眠時間を上手く利用する、水を飲んで代謝を上げるなど、ちょっとしたコツを踏まえると、やせ効果も格段に変わっています。ぜひ、これらのコツを意識し、健康的で効率的なダイエットを行いましょう。
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取材・文/柿沼曜子 写真/ⓒhagamera-fotolia.com