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女性のダイエットに筋トレは必要?やせ効果を高めるトレーニング方法

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女性のダイエットに筋トレは必要?やせ効果を高めるトレーニング方法

無理な食事制限のみでダイエットしようと思っても、キレイにやせられなかったり、はたまたリバウンドしてしまったり、なかなか上手くいかないもの。健康的で美しく、引き締まったヘルシーボディを手に入れるなら、女性でも筋トレで筋肉をつけてあげるのが正解! ダイエットに筋トレをとり入れたい理由をご紹介していきます。

Contents 目次

ちょっと意外?ダイエットに必要なのは「発達した筋肉」と「ほどよい脂肪」

女性らしく、細く引き締まった体。そうなるためには、「ただ脂肪を減らせばいい」と考えてダイエットをしていませんか?

「体のラインは、脂肪の量だけで決まるわけではありません。
脂肪は、とてもやわらかい組織。脂肪の内側にある、弾力のある筋肉でメリハリあるラインの土台をつくり、その上にほどよく脂肪がのることで、しなやかに引き締まった体ができるのです。
たるみのない腕やスッキリしたお腹、スラリとした脚、形のいい豊かな胸さえも、筋肉がしっかり発達していることでつくられるもの。
また、女性らしい体の凹凸は女性ホルモンの働きによるところが大きいのですが、脂肪を減らし過ぎると、その分泌が低下。体脂肪率は15~20%が目安です」(東京大学大学院教授・石井直方先生)

つまり、無理な食事制限のダイエットだけでは、女性らしい体に近づくどころか遠ざかっていってしまうということ。

女性らしいボディラインを決める3要素

ダイエットをしてやせて、キレイなボディラインになりたい」というのはダイエッターの誰しもが願うことですよね。
このボディラインは、3つの体の要素が重要なキーポイントに。

<要素1> 骨

体型の基礎となるラインを決めるのが骨格。ゆがみがあると、ボディラインを崩すことにつながります。悪い姿勢や、筋肉不足もゆがみの原因に。

<要素2> 筋肉

体にメリハリをつけてくれる筋肉。
弾力があり、曲線的なラインをしています。脂肪の下にあり、ボディラインを形づくる土台に。骨格を支えて、正しい形状に保つ働きもあります。

<要素3> 脂肪

やわらかく、筋肉の上にのって、ボディラインにしなやかな丸みをプラス。
女性らしい体の凹凸をつくる、女性ホルモンの材料にもなります。

燃焼ボディをつくる!筋肉と代謝の関係

ダイエットで目指したいやせやすく、太りにくい体質づくりにも、筋肉は大きく関係していると言います。

「筋肉が増えると、体のエネルギー代謝が上がります。エネルギー代謝とは、食べたものから体や内臓を動かすためのエネルギーをつくり、消費する働きのこと。
この代謝が上がるほど、エネルギーを効率よく消費して体に脂肪をためにくく、さらに、たまった脂肪を燃焼しやすい体質になるのです。

筋肉はエネルギー代謝の中の『熱をつくって体温を保つ』『体を動かす』という働きにおいて、もっともたくさんのエネルギーを消費する器官。
そのため筋肉が増えるほど、同じ働きをするにも、より多くのエネルギーを消費できるように。その結果、やせやすくなるのです」(石井先生)

ダイエット成功は「体重減」より「脂肪減&筋肉キープ」にあり!

多くの女性にかかげられるダイエット成功の定義には、「スタイルがよくなる=体重が減る」ことがあります。その考えははたして正しいのでしょうか?

「体重が減ることは、確かにやせたことの表れ。でも、キレイにやせたかどうかの証明になるわけではありません。

キレイにやせるとは、適度な運動をしながらの食事制限で、筋肉の量は減らさず、脂肪をほどよく減らすこと。しかし、体重的には、運動せずに筋肉を中心に減らしたほうが、体重は軽くなります。なぜなら脂肪と筋肉では、筋肉のほうが重いため。

しかし、重いということは、同じ重さでも、脂肪より体積が小さいということです。ですから、同じ身長・体重の2人を比べた場合、筋肉が多い人のほうが、引き締まってスリムに見えるもの。ダイエット中は体重だけでなく、サイズや体脂肪率にも注目すべきです」(石井先生)

筋肉にはやせやすくなる種類があった!

筋肉という大きなカテゴリにくくられていますが、実は筋肉にも種類があるって知っていましたか?どんな種類があるのでしょうか。

「筋肉は大きく分けて、遅筋と速筋の2種類があります。遅筋は日常生活での軽い活動で、こまめにエネルギーを消費する筋肉。速筋はいざというとき、大きな力を出す活動のために使ったり、安静時に熱をつくるために使う筋肉です」

「体は基本的に、活動でなるべくエネルギーを使わないようするもの。そのため、遅筋と速筋では、活動の頻度が少ない速筋のほうが、エネルギー消費量は大きいのです。
ですから、速筋の多い体こそ、エネルギー消費量の多い体=やせやすい体ということ。動かなくてもエネルギーを消費するうえ、増やしていくと遅筋の長所も兼ね備えるようになります。 速筋を効率よく増やすには筋トレが効果的です」(石井先生)

速筋と遅筋の違い

<遅筋>

  • エネルギー消費量:少
  • 特徴:軽い運動時に使われる、脂肪をダイレクトに燃やす

<速筋>

  • エネルギー消費量:大
  • 特徴:安静時と重い運動時に使われる、エネルギーを大量消費した結果、脂肪を燃やす

<速筋の進化形>

  • エネルギー消費量:もっと大
  • 特徴:遅筋と速筋の両方の特徴を兼ね備える

筋トレはやり過ぎNG!休むことが必要ってどうして?
筋トレというと、ハードなイメージがつきまとうもの。ですから、毎日筋トレを行わないと…と思うとなんだか気持ちもしんどくなってしまいますよね。はたして女性でも、続けることができるのでしょうか?

「筋トレをやればやるほど筋肉は増えると思いがちですが、そうではありません。
筋肉を効率よく増やすために、ハードなトレーニングで筋肉を疲労させ過ぎるのは逆効果。適度に疲労させ、休養をとってしっかり回復させることで、順調に増えていくのです。

筋トレのめやすとしては、10~20回程度でもうムリ、と思える運動を2~3日に1回行うのがベスト。筋肉が増えていき、同じ運動がラクに感じるようになったら、その時点で10~20回でムリと感じる運動に変えてみましょう。この運動でどの部分に効かせたいか、意識しながら行うことも、効果アップにつながります」(石井先生)

効率のよい筋トレのポイント

  1. ハードさは、10~20回で限界と思う程度に
  2. やり過ぎず、2~3日に1回行う
  3. 使っている筋肉を意識する

筋トレで部分やせはできる?

腹筋をすればお腹が、スクワットをすれば太ももが、ピンポイントで「やせて」くれる……、 そう信じて、せっせと筋トレに励むのはダイエッターのよくある日常。
なのに、筋トレでは「部分やせ」ができないって本当ですか!?

「少なくとも、現在の科学的データでは、筋トレによってある一部位を鍛えることで、その部位”だけ”脂肪が燃えたり、重さが軽くなったりすることはありません。
そういう意味では、”部分やせ”はできないということになります。というのは、“脂肪を燃やす”という脳の指令のもと分泌されるアドレナリンや成長ホルモンは、全身にくまなくいきわたるため。
やせたい部位はもちろん、ある1つの限られた部位の脂肪だけに働くことはできないからです」

では、筋肉をつけて代謝を上げ、“全身やせ”をしたいという人以外は、筋トレをとり入れても意味がないんでしょうか?

「意味は大いにあります。正しく筋トレをすれば、筋肉が発達し、その部位に美しいメリハリがでてきます。
だから、『部分やせはできない』と、あまりガッカリしないでください。それに、筋肉がついて代謝が上がれば、全身がやせてきます。やせたい部位“だけ”ではありませんが、筋トレによって結局はやせたい部位がやせることになるのです」 (石井先生)

結果的にはやせたい部分を含めた全体が、やせられると考えれば、むしろプラスにつながりますね。

ダイエット中にとり入れたい「筋トレ」のQ&A

キレイな美ボディになるために、筋肉をもっと効率よく、ラクに増やしたい! そのために知りたいソボクな疑問にお答えしていただきました。

Q.運動せずに普段の生活だけで筋肉を増やす方法はある?
A.姿勢をよくして、大きく動くと効果的!

「体を動かすという行為はすべて、筋肉を使って行われています。ですから、日常生活の動作をちょっと工夫するだけで、より効果的に筋肉を使い、効率よく増やすことは可能です。今すぐ簡単にできるのは、姿勢を正すこと。背すじをまっすぐ伸ばすだけで、お腹周りの筋肉が刺激されるのがわかるでしょう。また、階段は下半身の筋肉を増やすのにおすすめ。上りのほうが下半身全体に効きますが、下りだけでも太ももの筋肉を増やすのに効果的です」

Q.ダイエット中の筋トレはいつやるのが効果的にやせられる?
A.1日のスタート時に行うと、エネルギーの消費量がUP

「体が目覚めていない起床後30分間は避けて、1日の始まりである午前中に行うのが効果的。筋トレを行うと、その後6時間ぐらい代謝が高い状態が続き、1日の消費カロリーがUPするのです。また、交感神経も活発化し、脂肪分解を促すホルモンが分泌されます。ここで有酸素運動をすると効率よく脂肪燃焼が促されるので、近所まで歩くなどしてみては」

Q.「気合い」で筋肉は増えますか?
A.「楽しさ」で筋肉量のUPをうながすことはできます

「どんな種類の気合いであるかは、筋肉を効率よく増やせるかどうかに関係しています。『やる気』と呼べるような、ポジティブになれる気合いを入れてトレーニングをすると、アドレナリンという筋肉増強作用があるホルモンが分泌され、筋肉を増やすように働きかけます。一方、歯を食いしばって耐え忍ぶような、ツラい気合いは逆効果。ストレスでコルチゾールというホルモンが分泌され、筋肉を分解するように働きかけてしまいます。運動は楽しみながら行うことが大切ですね」

Q.ダイエットをしながら筋肉を効率よく増やす食事のコツは?
A.たんぱく質をとり、食事の回数を多くすること!

「まずは、筋肉の材料である、たんぱく質をしっかりとること。そして、食事の回数もポイントです。なぜなら、食事という行為をすることによって、『筋肉を増やせ』という指令が出されるため。食事で同じカロリーをとるにしても、まとめてではなく数回に分けて食べることで、それだけ指令の回数が増えるということになります」

Q.毎日、筋トレし続ける自信がありません、……どのくらいサボってもいい?
A.続けた日数と同じならセーフ

「増やした筋肉が元の状態に戻るまでには、増やすためにかけたのと同程度の期間が必要。3か月続けたなら、3か月サボらなければ元の状態までは戻りません。ただし、週3を週1にするなど頻度を落としても、ある程度は筋肉をキープできるので、完全にサボるよりおすすめです」

筋トレで筋肉をつけることは、美しくやせて、ダイエットを成功させるための秘訣。
正しい筋トレの知識を活かしながら、理想の体づくりにとり入れてみてください。

監修/石井直方 

文/FYTTE編集部

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