下半身太りに悩む女性の間で、美脚づくりの教科書になっているのが、運動指導者の森拓郎先生の著書『30日でスキニーデニムの似合う私になる』(ワニブックス)。
前回は、この本から美脚プログラムの基本となる「股関節」「ひざ下」のねじれを矯正するストレッチを森先生に紹介していただきました。
「歩き方で、太もも、ふくらはぎを太くしないためには、足首と足指のストレッチも行いましょう」と森先生。その理由とやり方のポイントを森先生に教えていただきます!
Contents 目次
■ふくらはぎが太くなるのは、歩くときに足指をうまく使えていないから
「歩くときは、脚を大きく前に踏み出して、かかとから着地したほうがいいと思っていませんか? じつは、この歩き方の意識が、太もも、ふくらはぎを太くしてしまうんです」と、森先生から意外な言葉が! その理由は…
「脚を前に大きく踏み出すと、体重が前にかかるため、太もも前面の筋肉でふんばることに。そのため、前ももの筋肉は使い過ぎて張り出し、後ろのお尻や太もも裏の筋肉はうまく使えず、脚のラインが崩れやすくなります。
また、かかとから踏み出して歩くと、足首を使い過ぎて地面をかくような歩き方になります。足首を動かすために、ふくらはぎの筋肉を過剰に使ってしまうので、太くなってしまうのです。ハイヒールの靴、つま先がきゅうくつなパンプスをよく履く人も、足首の動きに頼った歩き方をしがちです」(森拓郎先生)
■足首、足指の関節を正しく動かすストレッチで、ふくらはぎを細く
歩くときは、地面に接する足裏から筋肉が連動して働き、足指、足首の関節、ひざ関節、股関節が動きます。しかし、足裏の筋肉、足指が正しく使えていないと、その上に積み重なる、脚の関節がゆがみやすくなってしまうそう。
「歩くときに意識してほしいのは、足を後ろに運んだときに、足裏、足指で地面を押すこと。足裏で地面をとらえ、足の親指を最後まで感じてキックすると、お尻や太もも裏の筋肉を使えるように。ふくらはぎを使い過ぎることがなくなり、張りが取れて細くなっていきます。
足首の動きに頼った歩き方をしている人は、足指の関節を動かしにくくなっています。次の2つのストレッチを行いましょう」
■ふくらはぎを太くしない歩き方に! 足首のストレッチ
まず紹介するのは、「足首の関節」「足指の付け根の関節」(MP関節)を正しく動かすストレッチです。
「足首と足指をそれぞれ動かし、1つ1つの動きを丁寧に行うことで、歩くときに関節を正しく動かせるようにします。足首が内側にねじれないように注意しながら行いましょう」
【1】イスに座り、右脚を前に伸ばします。足首を上げ、足指はつけ根から反らせるように上げます。
【2】足指を上げたまま、足首だけを前方にまっすぐ伸ばします。
【3】次に足指を下ろして伸ばし、足首からつま先まで、まっすぐ伸びている状態に。
【4】足指だけを上げて【2】に戻ります。次に、足首を上げて【1】に戻します。
これを10回くり返し、2~3セット行って。反対の足も同様に行いましょう。
■足裏の筋肉を使えるようになる! 足指ストレッチ
次は、「足の親指」「ほかの4本の指」を交互に動かして、足裏の筋肉を使うストレッチです
「足の親指を上げた状態で、ほかの4本の指を下げると、足裏の外側の筋肉が使われます。反対に、親指を下げてほかの4本の指を上げると、足裏の内側の筋肉が使われるのがわかります。
最初は手で足指の動きを補助しながら行い、慣れてきたら手を使わずに行ってみましょう」
《やり方》
【1】床に座り、右脚のひざを立てます。足の親指は上を向けて反らせ、左手で支えます。ほかの4本の足指は下に向け、右手で持ちます。
【2】次は、親指を下に向け、4本の指を上げます。これを10回くり返し、2~3セット行って。反対の足も同様に。
《ポイント》
足指の動きをなるべく大きくして、足裏の筋肉をしっかり使いましょう。
●足指を動かしにくい場合は…
足首と足指の間にある中足骨をほぐすことで、足指を動かしやすくなります。
手の親指を「足の親指と人さし指の間」「人さし指と中指の間」に当てて足をつかみ、上下にもみます。同様に、「足の中指と薬指の間」「薬指と小指の間」ももみほぐして。
「足指の動きがよくなると、足裏の筋肉をしっかり使えるようになるので、歩くときに地面を押す力がアップ。前ももやふくらはぎの筋肉を使い過ぎることがなくなり、脚のラインが整います」と、森先生。
前回お伝えした「股関節」「ひざ下」のストレッチ、今回の「足首」「足指」のストレッチの4つを毎日行うことで、ゆがみのない美脚に近づけるそうです。
次回は、太ももの前ハリを取るストレッチを教えていただきます!
*参考図書/『30日でスキニーデニムの似合う私になる』(ワニブックス)
撮影/山上忠 モデル/北風百恵 ヘア&メイク/斎藤節子 取材・文/掛川ゆり