暑さでヨレヨレになって帰ると、なにより先にシャワーや入浴でサッパリしたい! ウイルスの感染予防にもなるようだけれど、これではしっかり眠れない?
生活習慣改善サロン「Flura」を主宰する小林麻利子さんにうかがう、【睡眠のお悩み解決】。そこで、猛暑やコロナ対策でなるべく早く体を洗いたい人のお悩みに答えていただきました。今回はそのパート1です。
Contents 目次
CASE21
汗だくになる夏は、帰宅後すぐにシャワーを浴びます。寝る前の入浴が体にいいとは知っているけど、夏バテぎみだし、食後はテレビを見て寝てしまう。
小林先生のお答え
体調や気分に合わせて、3パターンの対策法を使い分ける
新型コロナ対策のためにも、深い眠りが大切
夏はとくに、早い時間に入浴したい人が多いですね。すっきりして爽やかな気分になりますから、どうぞ入って下さい。ただし、早い時間に40℃のお湯に15分つかっても、快眠のための良い効果を寝る時間までキープすることはできません。シャワーであればなおのこと。
「そんなことをいわれたって、暑いし、ウイルスだって気になるから仕方ない!」と言いたくなる気持ちもわかります。でも、緊急事態宣言が解除されて久しぶりに毎日通勤・通学して、心も体も疲れたように感じていませんか? 長いお休みのあとに仕事や学校などに復帰すると、いわゆる“五月病”のようになって、気持ちがズトーンと落ち込んだり、何にでも否定的になったりしがちです。
しかも、急に気温が上がって、まだ蒸し暑さに体が慣れていないし、逆にそれほど気温が上がらずに涼しいような日もあったりして、まだ季節の変わり目。心身の調子が上がらない時期なのです。
こうした症状があるのは、自律神経が整っていない、そして、深く眠れていない証拠です。五月病対策にもウイルス感染予防のためにも、毎日ぐっすり眠って疲労を回復させて、免疫力をアップしましょう。
そこで、帰ってすぐシャワーまたは入浴を済ませても、元気に過ごす方法をお伝えします。その人のヤル気とめざすところに合わせて3パターン。あるいはその日の体調、気分によって選んでください。
絶好調をめざすなら、寝る前にやっぱりお風呂!
まずは「なにをしてでも最高に体と心をリカバリーしたい!」と思う人のための上級コース。その願いを叶えるには、帰ってすぐに汗を洗い流したあと、寝る前に改めてお湯につかるのがいちばんです。夏はお風呂から上がって30分~1時間経ってから寝るように、入り始める時間を調整します。
正しい入浴法は40℃のお湯に15分ですが、夏に40℃は熱いと感じるなら39℃にして、そのかわり血流をよくする炭酸ガス系の入浴剤を入れて、15分間つかりましょう。入浴剤は血流がよくなることが研究でわかっている炭酸ガス濃度は60ppm以上を選ぶこと。メーカーHPなどに記載されています。
ところで炭酸ガスの入浴剤は、ブクブクシュワシュワと溶けるときがもっとも体に効果があって、あの感触も気持ちイイ……なんて思っていたら勘違い! 完全に溶けきってから入らないと、炭酸ガスの効果を100%得られません。溶けきるまでの時間は商品によって違うので、パッケージの表示で確認しましょう。
うっとりタイムで、さらに免疫力アップ
入浴後はリビングに行かず、そのまま寝室へ。部屋が暑いとどうしても睡眠の質が悪くなるので、エアコンで快適な室温にセットしておきます。
そして、お風呂で高くなった深部体温が下がるまで、ラベンダーのアロマオイルを焚きながら軽くストレッチをしたり、深呼吸したり、ベッドの上で“うっとり美容”の時間を過ごします。だんだん手足がぬくぬくしてきてあくびが出てきたら、おやすみのタイミングです。
この眠りに就くまでのリラックスタイムが、入浴に引き続き副交感神経を刺激して、自律神経が整って睡眠の質が高くなるのです。自律神経が整えば、免疫力も高まります。
「ひと晩に2回も浴室に入って、しかも暑いのにお湯につかるなんて」と思うかもしれませんが、初めのバスタイムで髪も体も洗ってスキンケアまで終わっていますから、2回目はただ湯船に入って、上がったらボディクリームを塗るだけ。実際やってみると、これだけなのに快眠、快調への効果を実感できて、止められなくなる人も多いです。
次回は、ここまでの時間はかけられない!もうちょっと簡単な方法はない?という人のための夏の快眠入浴法をお伝えします。
取材・文/宮下二葉