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「こだわり過ぎず、日々のルーティンを大切に」 栄養のプロが実践する、春の疲れを癒す心と体のセルフケア
3月の終わりから4月の慌ただしい新生活も一段落し、暖かい気候とともに気持ちや体も少しずつゆるんでくる5月。緊張感が収束して、一気にたまっていた疲労やだるさを感じていませんか。今の時期の不調には、「あまり無理な食事制限などをせず、日々3食、ルーティンを大切にしましょう」と話すのは、『コンビニ・ダイエット』の著者で、栄養指導や講演など多方面で活躍中の管理栄養士、浅野まみこさん。今回は、浅野さんが実際に行っている不調の解消法をお聞きしました。
Contents 目次
食事はこだわり過ぎず、適度に
春先の心身の不調も食事でケアすることが基本です。とはいっても、「これは一切食べない」「必ずこうしないといけない」と難しいルールを作るのではなく、1日3食(あるいは2食)、規則正しく食べる、日々のルーティンを決める、など自分にとって心地よい食生活をしましょう。きちんとした食事ができると、自分自身もしっかりと安定してきます。
体によいといわれる特定の食材にあまりこだわり過ぎず、旬の物やカラフルなもの、いろんな食材をこまめにとる感覚がいいと思います。案外、こだわらない食事のほうが、気持ちが楽になって、食事も楽しくなりますし、栄養バランスも整えやすいですよ。
そのほか、私が気をつけているのは、やはり腸内環境ですね。腸内の状態は、肌にも現れてくるので、肌の調子が整わないときは、腸内環境改善から意識することがおすすめです。
腸と脳はつながっていて、腸の状態が悪いと、気持ちもうしろ向きになったり、不調を起こしやすくなったりします。これを「脳腸相関」といいますが、腸を整えることで心も含めて全身、元気でいられます。
毎日の食事では旬の食材を多く食べるように心がけています。そしてそれに加えて腸のケアのために、善玉菌を増やすためのみそやぬか漬け、納豆、ビフィズス菌入りヨーグルトなどの発酵食品は毎日の食事に必ず入れています。みそも手作りしていますし、ぬか漬けも漬けます。ヨーグルトは、腸まで届くビフィズス菌入りのものなどをあえて選んでいます。
また、菌のエサになる水溶性食物繊維も加えますね。もずくやわかめなどの海藻類が大好きですし、ビタミンDが豊富なまいたけやきくらげなども欠かさず食べています。みそは手作りしているので、みそ汁を1日2杯は飲んでいます。甘酒も大好きです。きくらげは乾燥したものがあるので、それを使うと便利ですよ。
腸内環境を整えるには乳酸菌やビフィズス菌が必要ですが、同じ食材から摂取していると“菌慣れ”ということがあるので、毎日いろんな発酵食品を楽しんでとってくださいね。
ランニングやラジオ体操も
運動もまとめて何時間もするなどしてハードルを上げるよりは、こまめに行うほうが続けやすくなります。私は週に2~3回、10kmほどランニングをしています。でも、これは、もう10年以上の習慣なので、特にランニングをしなきゃいけない、長距離を走らなくてはいけないということはまったくありません。ランチのあとに、好きなペースで歩くことだって十分です。無理してランニングをして心拍数を上げ過ぎてしまうと脂肪が燃えにくくなることもあります。ウォーキングの心拍数のほうが脂肪燃焼率は上がりますよ。
また、最近はラジオ体操もしています。ラジオ体操をして、グーっと体を伸ばすことで柔軟性が高まります。体は柔軟性があるほうが代謝も上がりますし、やせやすくなります。また、不調がある箇所に気づきやすくなるんです。むくみや疲れも一掃されるので、無理な運動をするよりもオススメです。リモートワークで、動くことが減ってしまって、体がガチガチになっている方が多いと思いますが、ラジオ体操やストレッチをすると、血行がよくなり疲労感も軽減しやすくなります。
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はつらつとしていつも元気な浅野さん。
「今はいつもより情報過多になりやすいので、食生活も凝り過ぎたり、やらねばとプレッシャーになったりしがち。あまりこだわらず、食事でストレスを感じないようにしたいですね。また“これを食べれば元気になる!”といったお守り食材があると気持ちも上がりますよ」とアドバイスをいただきました。
不調を感じたら、食事や運動など、無理のないルーティンを。この時期のセルフケアがこれからくる暑い時期のバテない体の基礎になっていきます。
取材・文/庄司真紀