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    西洋医学だけじゃない。時代はハイブリッド⁉︎ 不眠や糖尿病にも漢方…「中医学に頼るべき病気」とは

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中医学に使われる生薬

西洋医学で治療が難しい症状や病気に効果的に働く漢方。すべてにおいて漢方がよいというわけではなく、西洋医学が得意な病気、漢方が得意な病気というものがあります。今回は西洋医学をベースに中医学による難病の根幹治療にあたる岡部哲郎先生に、中医学に“頼るべき症状や病気”について教えていただきます。著書『西洋医学の限界』(アスコム)から、ご紹介しましょう。

監修
岡部 哲郎

風邪や不眠症にも漢方が合う

風邪で寝込む女性

風邪やインフルエンザなど高熱が出た場合、解熱剤を飲んで強制的に熱を下げるのはよくないと聞いたことがありませんか。

「風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症で熱が出た場合に解熱剤を飲み、 強制的に熱を下げると病気が治るまでの期間が長引く。この事実は、さまざまな研究機関によって発表されています。さらに動物実験によっても、解熱剤を投与されたほうが、体内のウイルスは増殖しやすくなることが証明されています」(岡部哲郎先生)。

ムリに解熱剤を飲むと、風邪が長引いてしまいます。かといって熱で苦しいのをガマンするのも体力が心配です。

「あくまでこれは西洋医学における話。中医学はその限りではありません。適切な漢方薬を服用すれば、早く熱が下がり、風邪も治癒します。漢方薬は、“上がった熱を下げる”のではなく、“体の防衛反応を強化し、ウイルスを排除する”働きをしてくれます。動物実験でも漢方薬を投与されると体内のウイルス増殖が抑えられ、残存ウイルスも減少することが実証済みです」

もうひとつ、代表的な現代病といえば不眠症。
「同じ不眠症でも、寝つきが悪くなかなか眠りに入れないケース、いったん眠るものの途中で頻繁に目が覚めてしまうケース、長く眠ることはできるが早朝に覚醒してしまうケース、などタイプはさまざま。中医学では、不眠症の原因は五臓六腑の異常にあると考えます。原因さえわかれば、あとは漢方薬にお任せ。その原因に対応する生薬を飲むことによって、不眠症はまたたく間に改善されます」(岡部先生)。

やっかいな緑内障や糖尿病にも

目の検査を受ける女性

40歳以上の日本人の20人に1人がかかるといわれている緑内障。緑内障は日本人の失明原因のトップに挙げられる目の病気です。

「緑内障に対する西洋医学の治療はどれも対症療法であり、完治することはありません。だから、治りづらい病気として認識されているのです。これに対し中医学では、緑内障は急性で5タイプ、慢性で3タイプ、合計8タイプの病態が存在するとし、それぞれに合った治療法を施します」

眼圧が高いタイプの緑内障の場合、およそ2〜3か月の治療で眼圧は低下していくそう。根本原因をとり除いてくれるので、完治させることも可能なのだそうです。

また身近な病気である2型糖尿病も漢方薬が役立ちます。
膵臓の疾患による1型は西洋医学に頼るべき病ですが、もう一方の2型は、遺伝、運動不足、食べ過ぎなどが主な要因と考えられていて、生活改善以外に有効な手段がないのが現状です。

「インスリン抵抗性は体質の問題ですので、西洋医学の薬で治すことはできません。しかし、中医学を用いれば西洋医学では解決するのが難しい2型にも対処することができます。
インスリンが分泌されているのに血糖値が下がりにくくなっている体質を、漢方薬によって変えていけるのです」

漢方薬を効果的に服用すれば、インスリンの働きをコントロールすることができるのだそうです。

もちろんこれだけではなく、漢方が得意な領域はもっとたくさんあります。
「医学を東西で隔てる時代は終わりました。いいとこどりのハイブリッドの時代です。ベストな医療の実現を目指すことが、我々医者に課せられた使命であると確信しています」と岡部先生は話します。

治療を受ける立場でも中医学に対する意識のバージョンアップが必要かもしれません。

文/庄司真紀

 

参考書籍
岡部哲郎著『西洋医学の限界 なぜ、あなたの病気は治らないのか』(アスコム)

書影

岡部 哲郎

岡部 哲郎

医師。東京大学大学院医学部客員研究員。「岡部漢方内科」院長。元東京大学大学院医学系研究科漢方生体防御機能学講座特任教授。元日本東洋医学会常務理事。東大医学部に入学し、東大病院にて当時最先端の抗がん剤研究・開発に約20年間携わる。その後、中国伝統医学の高名な漢方医・林天定一門に師事。東大大学院医学系研究科漢方生体防御機能学講座にて、中医学を研究。現在は岡部漢方内科で西洋医学をベースに中国伝統医学による自由診療を行う傍ら、海外の医学会で多数論文を発表し、中医学の啓蒙活動に取り組んでいる。

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