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「焦り」は不安を引き寄せる。カウンセラーが教える、焦りの感情を解消して、人生を好転させるコツ

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浜辺で両手を広げ、解放感に満ちあふれる女性

新型コロナの影響で社会生活がうまく行かず、“焦り”の感情を強く感じた人も多いのではないでしょうか。焦りの感情は漠然とした他者中心の評価軸から生まれてくることが多いと、心理カウンセラーの石原加受子さんはいいます。現代人が抱える焦りを解消する方法とは…? 著書の『感情はコントロールしなくていい 「ネガティブな気持ち」を味方にする方法』からお伝えしていきます。

監修 : 石原加受子 /心理カウンセラー (心理カウンセラー)

「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表。日本ヒーリングリラクセーション協会元理事、厚生労働省認定「健康・生きがいづくりアドバイザー」。「思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声」などをトータルにとらえた独自の心理学で、問題解決、生き方、対人関係、親子関係などのセミナー、グループ・ワーク、カウンセリングを行う。『「しつこい怒り」が消えてなくなる本』(すばる舎)、『仕事・人間関係「もう限界! 」と思ったとき読む本』(KADOKAWA)などベストセラー著書多数。累計100万部を超える。

Contents 目次

焦りはネガティブな思考を引き起こす

焦ってパニック状態の女性

「人に評価されたい」と多くの人が望むものですが、「何年も〇〇を続けているから、〇〇で評価されたい」とはっきり言える人は、心はスッキリとし、焦りがない状態。

反対に「自分のしたいことがわからない、何かに熱心に取り組んでいるわけでもない状態で、ただ“人に評価されたい”と望んでいるとしたら、自分の心は常に“焦り”で占められているのではないでしょうか」(石原さん)

そんな焦りはしだいに大きくなり、「早く何かを始めなければならない」「こんなことをしてはどんどん時間が過ぎていくばかりだ」というネガティブな思考を引き起こすことになります。

現代は“他者中心”の価値観がどんな人の心にも入り込んでいます。他者中心とは、自分の気持ちではなく社会が描く“あるべき姿”を基準にしてしまうこと。自分の判断や選択ではなく、「みんなに合わせなければ」「社会に適応しなければ」と外側の基準にとらわれています。

この他者中心の価値観が焦りを増幅させていきます。他人と比べて焦ってしまったり、完璧でなければという思いから焦りが募ってしまったりします。

「ゆっくり実感すること」で着実に伸びる

浜辺に立ち、リラックスして充実した表情の女性

“焦り”の解消法は、無頓着になることではありません。

「焦っている人はいつも焦っています。自分では自分が焦っていることすら気づいていないかもしれません。それは自分の意識の目が常に“一歩先”にとらわれているからです。他方で“今を生きている人”ほど焦りません」

今を生きるというのは、「ゆっくりと実感する」ということ。

「もし、本当に成功を望むのであれば、“一歩先を見るクセ”をやめるために、今、自分が取り組んでいる“目の前”のことをゆっくりとていねいに実感しましょう。焦っている人たちにとっては特にゆっくりと時間をかけるというのは、遠回りしているように感じるに違いありません。けれどもポジティブな気分や感情を“ゆっくり味わいながら”のほうが着実に目標達成できる最短コースなのです」

頭であれこれと焦っているときは、焦らないようにするのは至難の技。しかし、感情や五感で実感することに集中できると焦りの思考は簡単に止まります。

「焦りや不安というネガティブな実感よりも、“ポジティブな実感”を増やしていく。これだけで厳しい状況を好転させたり、人生をいい方向へ発展させたりすることができるかもしれないのです」と石原さん。

焦って目の前のことが手につかないとき、もう一度、心のありようを見つめて、“ゆっくり実感すること”を意識してみましょう。

文/庄司真紀

参考書籍

『感情はコントロールしなくていい 「ネガティブな気持ち」を味方にする方法』(日本実業出版社)

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