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もっと、ずっと、ヘルシーな私

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54歳・医療関係。経歴詐称&逆ギレする前夫とは一瞬で離婚…。「はずれくじ」を引くぐらいならひとりでいたい~私、ひとりでいてもイイですか?(22)~ 勉強家の星野さん。現在は医療系専門職です。「アマチュアカメラさんに撮ってもらった写真です」(本人提供)

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さんです。
今回登場してくれたのは、医療関係の仕事に従事している54歳の女性です。両親とも職場の人間ともそりが合わず、「人間関係でずっとつまずいてきました」と語る彼女。経歴を詐称し、それを指摘すると逆ギレするようになった前夫とはすぐに離婚。今一番のいやしは飼っているウサギなのだとか。そんなアラフィフ女性のリアルに迫ります。


両親から愛されなかった女性。「50年間かけてやっと気持ちが落ち着きました」

親の存在。幼い頃は圧倒的だ。自分の居場所そのものと言ってもいい。親もしくはそれに代わる人から愛情という名の安心を与えられた経験がない場合、大人になっても「生きづらさ」に苦しむ人は少なくない。

「50年間かけてやっと気持ちが落ち着きました。私も幸せに生きていいんだと思えるようになったのです」

重大なことを淡々と語ってくれるのは、兵庫県出身で医療系専門職の星野明恵さん(仮名、54歳)。現在は、東京都内でひとり暮らしをしながら大手の医療機関で働いている。クリニックは都内でも複数あり、曜日ごとに勤務先が異なる。職場の人間関係が固定されていないことが自分には「ちょうどいい」らしい。

「今までの勤め先では人間関係でずっとつまずいてきました。根本的にいら立ちを抱えた私自身にも原因があったのだと思います」

現在は「健康で性格も穏やかな」ウサギと一緒に快適に暮らしながら働けている星野さん。その生い立ちと近況を伺うことにした。

***星野明恵さん(仮名、54歳)の話***

離婚できない理由は一人娘の私。「食わせてやっている」と言われ続けて育ちました

残念な両親のもとに生まれてしまいました。夫婦仲がものすごく悪くて、私のことは「あの男の子ども」「あの女の子ども」という扱い。離婚できない理由を一人娘の私のせいにしていました。「食わせてやっている、住まわせてやっている」と言われ続けながら育ったんです。

両親ともに働くことが嫌いな人たちで、家はいつも貧乏でした。習い事はできないので学校しか居場所はありません。自然と成績はよくなり、学級委員などもやっていました。母は世間体をすごく気にする人なので、私が先生から誉められたときだけは機嫌がよかったのを覚えています。でも、母から誉められたり可愛がられたりした記憶はありません。

大学は京都にある私立大学に通いました。学費だけは払ってくれた親に感謝といえば感謝ですね。卒業後はIT系の企業で営業事務の仕事をしながらお金を貯めてアメリカの大学院へ。留学することが子どもの頃からの夢だったんです。

父は私が29歳のときに亡くなり、母は今ひとり暮らしです。3年前に叔母のお葬式で会ったきり。親子の縁はもう切れたと思っています。母は自分のきょうだいとは仲がいいので勝手に楽しくやっているはずです。

朝も夕方も食事はプロテインバー。生活に慣れたら料理を作り置きしたい

今の勤務先は週末に何百人もの患者さんが来ます。私は平日休みです。勤務時間は朝10時~19時半まで。シフトはきっちり管理してもらっているので残業はありません。
勤務日の朝は7時半ごろに起きて、ペットのウサギに餌をあげてから身支度をして家を出ます。歩いて駅に着く頃にようやくお腹が減るので、プロテインバーみたいなものを駅のホームでむしゃむしゃと食べています。

クリニックに到着するといきなり診察です。休む暇はほとんどありません。診察がずれ込んで昼休憩が30分しかとれないこともあります。炭水化物をとると眠くなってしまうので、サラダチキンなどをコンビニで買って食べることがほとんどです。診察室で仮眠をとることもあります。
夕方はまたコンビニでプロテインバーを買って食べ、帰りがけにスーパーに寄って総菜を探します。でも、20時ごろではろくなものが残っていません。焼肉カルビ弁当とか、がっつりすぎるものを食べて後悔することが多いです。

私はこの仕事が大好きなので日中は元気にしていますが、勤務先から出るとどっと疲れが出ます。今は転職したばかりで落ち着かない毎日です。この生活にもう少し慣れたら料理を作り置きしようと思っています。

オードリー・タン、山中教授、佐々木蔵之介。マイ3大スターの共通点は「知性」

休みの日はとにかく寝てから洗濯や掃除です。5年前から住んでいるマンションは1DKで家賃は6万5千円。急行も停まる最寄り駅までは徒歩8分ほど。内装がキレイで防音もちゃんとしていて気に入っています。前に住んでいたところは近所に変な人がいて騒音がすごかったので、今の静かさは何より快適です。

私の仕事は常に勉強をしなければなりません。休日を利用して、より経験のある先生にスーパーバイジングを受けたり、大きな書店で専門書を買って読んだりしています。自分の専門分野の本はたいてい読みつくしたので、関連する別の分野の本を買うことが多いですね。
数は少ないですけれど、本当に親しくしている友だちもいます。ランチやお茶をしながらお互いの仕事のことや世の中のことを話すことが楽しいです。

陰ながら見守らせていただいている3人のスターもいます。台湾のオードリー・タンさん、京都大学の山中伸弥教授、そして俳優の佐々木蔵之介さんです! 共通するのは知性、ですね。佐々木さんにはときどきファンレターを書いています。ご本人が読んでくれているかわかりません。でも、できるだけ美しい文章を考えてキレイな文字で書く時間はドキドキワクワクしています。

地震や台風があると「自分の身は自分で守らなくちゃ」と実感。不安ではなく覚悟です

男性関係では3年前に大失敗をしました。マッチングアプリで知り合った3歳上の男性と一瞬だけ結婚して離婚したことです。知り合ってすぐにプロポーズされ、安心が欲しかった私は好きになってもいないのにOKしてしまいました。

でも、結婚してすぐに彼の経歴が違うことに気づいたんです。立派に働いていると書いてあったのに、実は契約社員で、その契約も切れていることがわかりました。つまり、無職です。
彼は再就職をしましたが、私はだまされたことが引っかかっていたので謝罪を求めました。でも、彼は絶対に謝らずに逆ギレするようになったんです。街中でも怒鳴り散らすような人なので別居して、裁判で別れました。

私は今までもいわゆる「ダメンズ」と付き合ってきました。外見が好みで、かわいそうな境遇の男性と離れられないのです。でも、50歳を過ぎてようやく彼らに足りないものに気づきました。それは知性です。
前の夫にも明らかに欠けていました。寡黙な男性だと思って結婚してみたら、怒りでしかコミュニケーションができない人だったんです。会話のキャッチボールなどはまったくできませんでした。

地震や台風があると、「自分の身は自分で守らなくちゃいけないんだ」と実感します。寂しさや不安というよりも覚悟の感覚に近いですね。大好きな人をパートナーに持てたら言うことはありません。でも、前夫のようなはずれくじを引くぐらいならばひとりでいたほうがいいと思っています。

ペットのウサギ。「とても賢くて穏やかな性格。いい子です。毎朝、ちょっとなでてから出勤しています」(本人提供)

***大宮より星野さんへ***

同じ場所で同じメンバーと顔を合わせることが義務だと息苦しい。僕も同じです

かなり苦しい生まれ育ちですが、知力と努力で生き抜いてきた星野さん。一歩間違えば自分も「残念な」人になりかねない境遇なのに、今では他人を支える仕事に力を注げています。立派です。
学び続けることができるのも才能だと思います。そんな体質に産んでくれて大学にまで行かせてくれたことには感謝しつつも近づかない。母親との距離感も正解だと思います。肉親でもどうにも価値観が合わないことってありますからね。君子危うきに近寄らず、です。
快適かつ便利な部屋に引っ越せて、変な男性とは別れて、職場での働き方や人間関係も気に入っているそうですね。気持ちが前向きならば、課題の食生活も少しずつ改善する気がします。星野さん、確実に運気が上がっていますよ!
僕が興味深かったのは、「曜日ごとに職場が異なり、人間関係が固定されないのが私にはちょうどいい」という星野さんのコメントです。わかるなあ。僕も同じです。
人間嫌いなわけではありません。でも、同じ場所で同じメンバーと顔を合わせることが義務的になると息苦しさを覚えるんです。仕事内容は柔軟に対応できるし、締め切りなどの約束は絶対に守ります。でも、働き方の自由は確保したい。テレワークが広がる今、僕たちのような感覚の人は増えている気がしています。

好評連載中の「私、ひとりでいてもイイですか?」は、毎週日曜日21時(第5週目はお休み)に掲載しています。次回は、4月11日(日)21時です。お楽しみに!

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大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

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