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もっと、ずっと、ヘルシーな私

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43歳・独身、妹と2人暮らしを始めて20年。結婚してこの家を出ていくイメージができません。~私、ひとりでいてもイイですか?(41)~
沖縄にて。「2019年に地元の友人と旅行したときの写真です。素敵なコテージに興奮してベッドにダイブしました」(本人提供)

本企画は、ひとりでいるのが好きな人も、ひとりでいるのが寂しいと感じる人も、“おひとりさま生活”について思いのたけを語るインタビュー連載です。インタビュアーは、婚活・恋愛の記事を多数手がけ、さまざまなメディアで活躍中のフリーライター・大宮冬洋さん。
今回登場するのは、大阪で働く43歳・独身の女性。大学卒業と同時に妹さんが上阪し、一緒に暮らし始めて20年になるそうです。「他人からは『彼氏が欲しいとか言っているけれど、妹がいて寂しくないから本気になれない』なんて指摘されます」という彼女に、今の本音を語ってもらいました。


最終回。人生の状況は「ボチボチですね」と明かす大阪の独身女性が登場

本連載もいよいよ最終回。今回も含めて独身女性40名と独身男性1名に登場してもらい、その近況と心境を赤裸々に語ってもらってきた。自分の置かれた立場を「盛る」人などは誰もいなくて、孤独の喜びと悲しみを率直すぎるほど明かしてくれたと感じている。

それは本人にとっての癒しであると同時に、僕やこの連載を読んでくれている人にも救いだったと思う。本音で話してくれると、その中に「自分の言葉」を見出せたりするからだ。文章を読みながら彼らとしみじみと語り合う気持ちになってくれていたら嬉しい。

腹を割って話す相手や機会がないことが本当の孤立(孤独ではなく)なのだとしたら、本連載に快く登場してくれた人たちの見通しは明るい。「どう思われるかちょっと心配だけど、心の底にあるものを話したい」と行動できる人はふさぎこむ危険性は少ないからだ。家族と一緒に暮らしていても、本音で話せる相手がいない人のほうが危ないように思う。

大阪で会社員をしている石井晴恵さん(仮名、43歳)は、20年間妹と暮らしている。家賃は多く負担しているが、家事はほとんど妹に任せきり。「妹は本当はどう思っているのでしょうか」――仲はいいけれど本音を聞き出せない妹と一緒に暮らす、そんな彼女の日常を語ってもらった。

***石井晴恵さん(仮名、43歳)の話***

サービス業の妹とは休日が合いません。つかず離れずの距離で仲よくしています

生まれ育ったのは大阪ではない関西の田舎町です。大学で神戸に出て、最初の2年間は女子寮で2人部屋でした。その後の2年間はひとり暮らしをしましたが、学費を稼ぐために居酒屋で昼も夜もアルバイトをしていたので、寂しさを感じる暇もなかった気がします。

大学卒業と同時に、4歳下の妹が進学で大阪に出てきて、親の心配もあって2人で暮らすことにしました。以来、ずっと一緒に暮らしています。もう20年になるんですね。

妹はサービス業に就いているので土日休みではありません。私とは休日が合わないので、つかず離れずのちょうどいい関係を続けられているのだと思います。コロナが始まった昨年からは妹の仕事が激減し、土日も家にいることが多いです。私も遠出はしにくいので、近場で一緒にモーニングを楽しんだりしています。

家賃は私が多めに払っているけれど家のことは妹任せ。私のこと、どう思ってる?

家賃は私が多めに払っていますが、家事はほぼ妹任せです。彼女が学生だった頃、私は新卒入社の会社で営業担当として夜9時過ぎまで働いていました。もともと苦手な家事をできなくなり、それ以来は妹に世話を焼いてもらっています。

朝と昼はそれぞれに食事をとっていますが、夜は会社から疲れて帰ると妹が晩御飯を作って待っていてくれます。すごくラクですね。他人からは「彼氏が欲しいとか言っているけれど、妹がいて寂しくないから本気になれない」なんて指摘されます。確かにそうかもしれません。

妹は本当はどう思っているのでしょうか。どうしようもない姉の世話をしなくちゃいけないことに腹を立てているかも…。あまり話すタイプじゃないのでわからないのです。私も相手が自己開示をしてくれないと話せなくなるほうです。

妹が結婚してこの家を出ていくのは大歓迎。私と同じ道を歩いてほしくはありません

私も妹もテレビっ子なので、夕食のときは会話ではなく録画してある番組を一緒に見ることがほとんどです。今、私たちがハマっているのが『オモウマい店』(中京テレビ制作)。めっちゃ大盛やん! などとツッコミを入れながら楽しんでいます。妹にも彼氏がいません。出会いもないようです。テレビを2人で見ながら食事する毎日。老夫婦みたいですね。

彼氏がほしいと思うこともありますが、オンライン飲み会に2回ほど参加したぐらいで行動はあまりしていません。もし結婚してもこの家を出ていくイメージができないんです。
でも、妹が出ていくのは大歓迎です。私が一般的な「女の幸せ」を得られていないので、妹は同じ道を歩んでほしくないという気持ちがあります。相手も独身の兄弟でそれぞれマッチングしたらいいのに…。単なる妄想ですね(笑)。

私には弟もいて、結婚して実家の近くで暮らしていています。子どもも3人いるので、両親からの私と妹へのプレッシャーはほぼなくなりました。昨年からはコロナで帰省できていませんが、母にスマホを持たせて週1ぐらいのペースでビデオ通話をしています。父はIT機器類がまったくダメなので、母と通話しているときにちょっと顔を出すぐらいです。

東洋占星術を勉強中。自分を占ったら恋愛運はよくないことはわかりました(笑)

勉強は嫌いな私ですが、数年おきに何かを学びたい欲が高まります。去年からは占いの勉強をオンラインでやっています。東洋占星術というちょっとマニアックな分野です。仕事にするつもりはなくて、自分や近くの人を占えたらいいなと思っています。

でも、こういう占いは決まった答えは出ないんです。おおまかな占い結果からそれぞれの運勢を読み解かなければなりません。それが難しいし、はっきり言って面倒くさい(笑)。
練習で私自身を占いました。恋愛運がよくないらしいことはわかりました(笑)。大枠では「女王様」キャラで、人から助けられる運命みたいです。確かに妹にはずっと世話になっていますし、新卒入社の会社が倒産したときも職場の人が次の会社を紹介してくれて、さらに今の会社にも引っ張ってくれました。明確な転職活動はしたことがありません。それでもこうして生活できているので、人から助けられて生きていることだけは確かです。

コロナ禍では妹と一緒に過ごす時間が長くなったという石井さん。「妹が好きなのは昔ながらのプリンです」(本人提供)

***大宮より石井さんへ***

ひとりでいてもいいけれど、ひとりきりで生きてこられた人は誰もいません

“私、ひとりでいてもイイですか?”というテーマで続けてきた本連載。石井さんの「人から助けられる運」という言葉が、期せずして結論を言い当ててくれた気がします。明るくざっくばらんな雰囲気なのに思いやりや繊細さも感じる石井さんは、人から好かれるタイプです。妹さんや同僚だけでなく、いろんな人に支えられてきたのだと思います。

でも、冷静に考えると、社会の誰もが「他人から助けられる運命」にあります。そうでないと生きていけないのが人間という動物だからです。大切なのは、石井さんのようにその幸運を自覚して感謝することなのかもしれません。

通信やデリバリーサービスが発達し、お金さえあれば誰とも交流せずに生活できてしまう現在。豊かな社会であるように見えて、実は多くの人が不安や退屈や寂しさを抱えています。それはこの連載の取材でも明らかになりました。自分は幸運に恵まれてこの世に生まれて現在までたどり着いたことを忘れると、「持っていないもの」にフォーカスしてしまい、不運を呪いながら暮らすことになります。真の貧しさとはそういうことではないでしょうか。

ひとりでいてもいいけれど、実際にはひとりで生きてこられたことは片時もない。だから安心して、精一杯に自分の人生を楽しめばいい――。そのように考えられたら、気がラクになる気がしています。

***大宮より読者の皆さんへ***

おかげさまで1年間に渡って連載を続けることができました。最初は月2回でしたが、ありがたいことに好評を博して月4回ペースに上げて記事をお届けしてきました。読むだけでなく、インタビュー取材先として立候補して下さる方もいて嬉しかったです。「インタビューは受けられないけれど、似た境遇の人が登場したら自分のことのように感じていた」という方もいるのではないかと想像しています。

これも何かのご縁ですので、よかったら僕の無料メールマガジン「冬洋漬」も読んでいただけると幸いです。月2本ぐらいのペースでコラム(人間関係考察ネタが多いです)や僕主催のイベント情報(コロナが終わったら交流飲み会を再開します)などをお送りしています。登録解除も簡単です(笑)。もちろん、FYTTEでみなさんと再会できるときにはメルマガでもお知らせします。またすぐにお会いしましょう!

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大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

大宮冬洋 (おおみや・とうよう)

フリーライター。恋愛・結婚に関するインタビュー記事を得意とし、最近は「お見合いおじさん活動」も勝手に遂行中。35歳以上で結婚した「晩婚さん」を160人以上取材した実績を持つ。2012年、再婚を機に愛知県蒲郡市に移住。近著に『人は死ぬまで結婚できる~晩婚時代の幸せのつかみ方~』(講談社+α新書)がある。

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