なかなか人には聞けないけれど、最近注目度もニーズも高まっているVIOケアの新常識をお伝えするシリーズ。VIOケアをクリニックで行いたいけれど、どうやって選べばいいの? どんな器械で脱毛するの? 皮膚科医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子先生に、クリニックでの医療脱毛について伺いました。
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VIO脱毛するならどこへ行くのが正解?
前回の記事「VIOケアはメリットしかない!? 医師に聞く最新のデリケートゾーン脱毛」で、セルフケアは肌を傷つけないよう慎重に行う必要があるということをお伝えしました。安心してVIO脱毛を始めるにはどうしたらいいのでしょうか?
「VIOゾーンの皮膚はやわらかくのびやすいことと、非常に薄いのが特徴です。じつは女性の体のなかでもっとも皮膚が薄いのがまぶたと大陰唇です。つまりVIOゾーンは目もとと同じくらい肌がデリケートなのです。また、アンダーヘアは濃くて太いので、エステサロンで使用する光脱毛では脱毛効果が出にくいうえ、デリケートゾーンの皮膚色は浅黒いので、ヤケドのリスクもあります。万一の皮膚トラブルにも対処できる医療クリニックでの脱毛が安心です」(銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子先生)
インターネットなどでは多くの脱毛広告を目にしますが、選ぶ際に注意したいポイントはありますか?
「極端に低価格な脱毛料金を掲げている脱毛専門サロンなどは要注意。安全なレーザー照射を行うためには看護師の高いテクニックも必要になります。デリケートゾーンの脱毛だからこそ、トラブルが起きたときにすぐに対処できるかどうかも重要なポイントです。VIOゾーンに多いお悩みは毛の問題だけではありません。ナプキンかぶれ、加齢によるイボやホクロ、性感染症など、皮膚科専門医がいるクリニックを選べば脱毛に関すること以外での皮膚トラブルについても相談できます。下着を脱いだついでに専門医のチェックが受けられるので、病気の発見にもつながりやすく早めのケアが可能になります。本来の脱毛は医療行為とされているので、VIO脱毛を受けるなら、こうしたトラブルについても念頭に置いてサロンを選ぶようにしましょう。
個人差はありますが、医療機関でレーザー照射を3回程度行えば、アンダーヘアが軟毛になるので、かなり自己処理がしやすくなると思います。レーザーは黒い毛のメラニンに反応して照射するので、白髪にレーザー脱毛はできません。脱毛したい人はアンダーヘアが黒い40代までにスタートしましょう」
レーザーが、肌を守りながらマイルドに作用する「ジェントルレーズ・プロ」
実際に慶田先生がクリニックで使用しているのは「ジェントルレーズ・プロ」というもの。
「日本で初めて『医療レーザー脱毛』の効能で薬事承認を受けた医療機器で、デリケートゾーンなど、生理的に色素の濃い部位の脱毛も安全に短時間で照射できます。レーザー照射の直前に冷却ガスを表皮に噴射する機能があるため、レーザーによる痛みを大幅に軽減できるのも特長です。
Vゾーンの脱毛はあお向けでひざを伸ばした状態で行います。痛みは少なく、麻酔はいらないほどです。とくに3回目以降は毛が細くなり、密度もまばらになるので施術時の痛みはほとんどなくなります。
Iゾーンはあお向けになりひざを立て、片方ずつひざを倒しながら行います。事前に麻酔クリームを塗り、大陰唇から会陰へと慎重にレーザーを照射していくので痛みはほとんどありません。
Oゾーンも麻酔クリームを塗って行います。横向きになり、お尻を施術者に突き出すような態勢で行い施術します。皮膚の奥のほうで、ややずんとした熱さを感じる方もいるかもしれませんが、施術後まで続くものではありません。いずれの部位も施術後は毛穴の周りが少し赤くなりますが、30分~1日で治まります。
1か月ほど毛が生えない時期があり、休止期の毛が生えそろう1か月半後が、次の照射のタイミングです。レーザー脱毛の治療中は、毛抜きはせず、シェーバーで剃るようにしてください
『ジェントルレーズ・プロ』には施術部位の美白効果もあり、顔のレーザーフェイシャル治療では、シミ、そばかす、くすみの改善目的にも使われます。脱毛と同時に、気になるエリアの美白も叶うなら一石二鳥です」(慶田先生)
まぶたと同じくらい皮膚が薄いデリケートゾーン。ふだんきちんとドクターに診察してもらう機会が少ない部分だからこそ、VIOケアをするならば、信頼できるクリニックできちんとした施術を受けたいですね。
取材・文/牧内夕子