毎日のスキンケア、どのように行なっていますか? なんとなく無意識に、あるいは熱心に顔を引き上げながら行っている、という人も多いかもしれません。じつは、恐ろしいことに日々のケアがシワやたるみを招き、老け見えを加速させている可能性があるのです。そこで、今回はピンとハリのある若々しい顔を作り、キープするための美顔ワークを、パーソナルフェイストレーナーの木村祐介さんに教えてもらいました。
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無意識&カン違いしがちなNGスキンケア
顔は毎日のスキンケアで肌にふれている通りにクセづきます。まずは、意外と多いNGスキンケアを、肌への悪影響と合わせて確認しましょう。
<これはNG!>肌を上下に動かしながらケア
肌を上下に動かすことで、目尻や目の下のシワ、ほうれい線を作る原因に。また、皮膚に摩擦がおこり、炎症による赤ら顔を招く危険も。
<これはNG!>下から上へ、肌を引き上げながらケア
顔を上方向に押し上げる動きで皮膚がよれて、目もとのシワやほうれい線を助長します。
<これはNG!>外から内へ、肌を内側に寄せながらケア
手で肌を内側に寄せるたびに、ほうれい線が深く刻まれるため注意。
<これはNG!>脱力姿勢でケア
体の背面の力が抜けて背中が丸くなっていると、背面の筋膜に連動する表情筋がたるみます。その状態でケアをすると、たるみ肌を育てることに。
骨に皮膚をフィットさせると顔は引き上がる!
では、どのようにケアすれば、シワやたるみのない若々しい顔を維持できるのでしょう?
「顔の骨と皮膚をフィットさせることが大事です。どういうことか、顔の構造から説明しますね。
顔には、顔の骨と皮膚をつなぐ筋肉の表情筋があり、表情筋のほとんどが唇(口輪筋)につながっています。口輪筋には唇を閉じたり、すぼめたりする働きがあり、唇を開くときは、口輪筋以外の筋肉が使われます。つまり、口輪筋と口輪筋以外の表情筋には、相反する動きをするきっ抗関係があるのです。この関係性を活かし、唇を意識的に締めると、口もと以外の表情筋に負荷がかかり、筋トレの効果を発揮。顔の骨と皮膚をつなぐ表情筋がピンと張り、骨と皮膚をフィットさせることができます」
唇を締めるときは、「う」の口の形をするのがベスト。顔のサイドの表情筋を縦方向に伸ばすことができ、フェイスラインやほお、目の下のたるみ、目尻のシワを解消しやすくなります。
「それともうひとつ、シーツのアイロンがけをイメージしてみてください。もし、シーツに穴が空いていたら、全体をキレイに仕上げるのに手間がかかって大変です。対処法としては、穴を縫うことでアイロンをかけやすくなり、キレイに仕上げることができます。これと同じことが、顔にもいえます。
シーツの穴に例えられるのは唇。『唇を締める=穴を縫う』ことで、額〜上唇、デコルテ〜下唇の顔の上下をつなげることができます。アイロンがけを顔にたとえるなら、スキンケアのこと。顔の上下をつなげ、表情筋を活性化させて顔の骨と皮膚をフィットさせた状態でスキンケアを行うと、まるでのり付けされたようなピンとしたハリが、肌にもたらされます」
始めに紹介した「NGスキンケア」は、こうした肌の構造を無視したアプローチ法といえ、「骨から皮膚を剥がす」ケアに。
「骨から皮膚が剥がれると、その間にできたスペースに脂肪が集まります。脂肪が重みで下垂すると、その上にある皮膚も下がり、シワやたるみを招くと、僕は考えます」
表情筋は他の部位の筋肉と異なり、深部に深層筋がないため、骨から皮膚が剥がれやすいそう。そのため、NGスキンケアを続けていると若い世代でもシワやたるみを招くことに。顔の構造を理解した上でスキンケアを行うことが、肌のハリ感を高めるヒケツと言えそうです。
それでは、顔の骨と皮膚をフィットさせる美顔ワークを試してみましょう!
●ハリ感UPの美顔ワーク
(1)つま先重心の姿勢をとり、胸を肩より前に出し、黒目を正面に向ける。
(2)唇をトランペットのような形に突き出し、「う」の口の形にする。
「口先だけで『う』にするのではなく、顔全体の筋肉、皮膚を唇に集めるイメージで『う』の口の形に。このとき、ほうれい線ができる人は、鼻の下を少し伸ばすなど、シワが消える位置を探して試してみてください」(木村さん)
(3)「う」の口で顔の骨と皮膚をフィットさせ、肌を動かさないようにして顔の内→外へ、スキンケアアイテムを塗布。人さし指を使ってケアすると、外に向かう力が働いて引き締め効果がUPします。
スキンケアを行うときの習慣にすると、ピンとしたハリが保たれ、引き締まった小顔にも!
次回は、木村流美顔メソッドによる、目力アップの方法をご紹介します。
取材・文/野口美奈子