髪の毛が異常に抜けてしまうと当然ながら心配になります。女性の場合は、分け目などを中心に髪の毛が特徴的な抜け方をすることが知られています。年齢とともに毛が抜けやすくなり、更年期が拍車をかけます。このたび海外研究で女性型脱毛の実態が調査されたのですが、経験する人は思いのほか多いとわかりました。そのなかで脱毛が起こりやすい条件も浮かび上がってきました。
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女性の脱毛は珍しい?
女性型脱毛は、髪の毛の分け目部分の毛が薄くなり、頭頂部から放射状に毛が薄くなっていきます。文字通り女性でよく見られる脱毛です。こうした女性型脱毛は10代から見られ始めますが、年齢とともに増えていくと考えられています。背景のひとつにあるのは、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの低下です。これは更年期になるとさらに拍車がかかります。髪の毛をつくっている毛包はエストロゲンに反応する受容体を通して活発に毛をつくるのですが、逆にエストロゲンが減ると脱毛が進んでしまうのです。脱毛が進行すれば女性の自尊心は下がり、ふだんの生活にもよくない影響が及びます。
今回、タイの研究グループが女性型脱毛の実態を詳しく調べています。閉経後の女性178人を対象に、3人の皮膚科医が写真による脱毛のパターンを調査。閉経からの期間、頭皮の皮脂レベル、自尊心のレベルなども分析しました。
条件のひとつは太っていること
こうして判明したのは、閉経後には女性の半数が女性型脱毛を経験するということです。平均年齢は58.8歳、閉経からの期間は平均9.2年の時点で、女性型脱毛は52.2%と確認されました。そして、やはり脱毛が進むと自尊心の低下につながっていました。
年齢が進み、閉経からの期間を減るほどに女性型脱毛になりやすくなりましたが、そのほか女性型脱毛につながる条件となっていたのは肥満度でした。BMI25以上の場合、それ未満の場合と比べると女性型脱毛のリスクは2.65倍に。女性型脱毛を防ぐためにも体重を増やさないようにする心がけは大切といえそうです。
<参考文献>
Chaikittisilpa, Sukanya MD, MSc1; Rattanasirisin, Nattiya MD1,2; Panchaprateep, Ratchathorn MD, PhD3; Orprayoon, Nalina MD1; Phutrakul, Phanuphong PhD4; Suwan, Ammarin MD5; Jaisamrarn, Unnop MD, MHS1 Prevalence of female pattern hair loss in postmenopausal women, Menopause: February 14, 2022 – Volume – Issue – doi: 10.1097/GME.0000000000001927
https://journals.lww.com/menopausejournal/Abstract/9000/Prevalence_of_female_pattern_hair_loss_in.96812.aspx
More Than Half of Postmenopausal Women Experience Female Pattern Hair Loss
https://www.menopause.org/docs/default-source/press-release/prevalence-of-hair-loss-in-postmenopausal-women.pdf