東日本大震災で甚大な被害にあった三陸海岸では、新たな産業活動や特産品を売り出す事業が立ち上がっています。そのなか、注目されているものひとつに「気仙椿」があります。平安の時代から肌や髪のケアに使われてきた「椿油」は、加工することで食用としても使え「和製オーガニックオイル」と呼ばれるほど。また香りもよく、「ジャパニーズローズ」ともいわれます。
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塗ってよし、食べてよしの椿油の使い方
椿油には様々な使い方がありますが、ここでは代表的な使い方を紹介。
ヘアケア
- ヘアパック…シャンプー前に椿油を頭皮へすりこむようにして、蒸しタオルやシャワーキャップで包み、数分経った後、シャンプーして洗い流す。
- リンス代わり…お湯を張った洗面器に椿油を1~2滴垂らしてかき混ぜ、シャンプー後の髪になじませてから、ゆすぎ流す。
- 髪の毛用日焼け止め…手のひらに椿油数滴をとり、髪全体にのばす。
スキンケア
- クレンジグオイル…椿油をメイクとなじませ、コットンやティッシュでふき取り、洗い流す。蒸しタオルで顔全体を覆ったあと、ふき取るのもおすすめ。
- 乳液、クリーム代わり…化粧水のあと、椿油1~2滴を手にとり、顔全体にのばす。
他にもネイルオイル、ハンドクリーム、お風呂上りのボディオイルなど、顔、体のお手入れに最適です。商品によっては椿油独特のにおいがあるので、他のオイルやエッセンシャルオイルとブレンドして使うといいですよ。
※敏感肌や肌が弱い人も使えますが、個人差があります。肌に異常がでた場合は専門医を受診してください。
食べるときの使い方
- サラダ…ドレッシングの材料として使うのはもちろん、サラダにそのままかけて食べてもOK。
- 卵焼き…卵焼きを焼くときに使うとふっくらした仕上がりになるそう。
- 天ぷら、フライ…他の食用油と混ぜて揚げる。さらっとして胃もたれしにくいく仕上がりに。
また、お味噌汁にスプーン1杯入れて飲んだり、焼き魚にかけてとるなど、椿油の素材をそのまま生かした方法でとるのもおすすめです。
椿油が美容・健康にいい理由
椿油はその名のとおり、各種のツバキの種子から搾油する植物性油の総称。「ヤブツバキ」が多く使われ、低温での加熱処理、あるいは非加熱で加圧で油分を分離する圧搾法などで搾油されます。
椿油の主な成分にオレイン酸があります。オレイン酸とは、動脈硬化の原因となる悪玉コレステロールを減らす脂肪酸のひとつ。一般的に油脂は酸化しやすいですが、椿油をはじめとした植物油はこのオレイン酸が多く含まれており、酸化しにくい性質があります。また、人の肌の皮脂に潤いを与える成分もこのオレイン酸が主であり、その割合は約40%といわれています。
そのオレイン酸がもっとも多いのが椿油です。椿油のオレイン酸は、オリーブオイルの約75%に対し、約85%以上。椿油が美容や健康にいいとされるのは、この豊富なオレイン酸が理由。椿油に含まれるオレイン酸が肌や頭皮・髪に浸透することで、肌はやわらかく、頭皮に栄養を与え、髪をドライヤーやカラーリングのダメージから守り、サラサラに。また、椿油を含む植物油には、抗酸化ビタミンの代表、ビタミンEも豊富。細胞を酸化から守り 、血液循環をよくする働きから貧血予防にも効果があるとされています。
椿油の利用の歴史は古く、1200年前に万葉集の時代から。塗ってよし、食べてよしの日本古来からのオーガニックオイル「椿油」を、毎日の生活に取り入れてみてはいかがですか?
FYTTE編集部