いつ、どこで、被災するかは予想ができないのが災害。あれほど準備していた防災グッズを持つことなく、着の身着のままの状態で避難することだって、誰にでもあり得ることです。やっとたどり着いた避難所で、少しずつ手に入る物資を活用してできるスキンケア、ヘアケアのしかたをご紹介します。
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洗い過ぎず、拭き過ぎないが鉄則
突然訪れる非常事態。毎日の洗顔もままならず、お風呂にも入れない状態が続くこともあるでしょう。その状態を簡易風呂の利用などで脱する機会が訪れた際に、過剰に洗い過ぎてしまったり、拭き過ぎてしまうことがあります。しかし洗い過ぎや拭き過ぎというのは、かえって肌を傷めてしまいます。
“汗は化粧水、皮脂は乳液”。これはメイクの基本です。皮脂をうまく活用してバリア機能を維持することは、非常に大切なこと。
非常事態のなかでは、最初は皮脂がたくさん出ることに戸惑うでしょうが、そのうち体が適応して皮脂量が調整されますので、いきなりの洗い過ぎや拭き過ぎには十分気をつけてください。
ウェットティッシュの活用
ウェットティッシュや介護用の清拭シート、赤ちゃん用のおしりふきを活用しましょう。肌が弱い人は、選べるならアルコールフリーのものを使うとよいです。
目のまわりはウェットティッシュに含まれる成分が粘膜につくことで痛みを感じやすいため、さっぱりしたいかもしれませんが、避けてふくことをおすすめします。
目もとは乾いたティッシュを
デリケートな目もとに関しては、ウェットティッシュではなく乾いたティッシュを使って、軽く油分を除去してスキンケアをしましょう。
乾いたティッシュを使うときは、短冊状に折り、目もとの内側から外側へティッシュの面をスライドさせるように変えながら清拭(せいしき)していきます。
常にキレイな面を使うのがポイントです。
続いて、ヘアケアについてご紹介します。
ブラシでとかす
クッションブラシや木のくしがあれば、これらを使ってブラッシングをしましょう。
とくに木のくしは万能です。洗髪できないことで起こる頭皮のかゆみも、木のくしで地肌にしっかりと当てて、軽くスライドして頭皮をかくことで、頭皮を傷つけることなくかゆみをおさえることができるんです。
さらに、かゆみだけでなく、フケや皮脂の除去もできます。頭皮から浮かせた皮脂を、ブラッシングすることで髪になじませることができるので、髪にツヤも生まれます。一石二鳥どころが、それ以上のメリットをもたらしてくれます。じつはこれ、昔から活用されている伝統的な髪のケア法なんですよ。
オシャレな携帯ブラシは今のご時世たくさんありますが、昔ながらの木のくしはこれらのメリットがあるだけでなく、軽量で場所もとりませんので、ふだん持ち歩いているバッグや、いざというときの貴重品入れに忍ばせておくことをおすすめします。
また、空気中の塵やホコリがなるべく髪につかないように、ヘアゴムやヘアピン、クリップなどがあれば、髪はまとめておくとよいでしょう。これもまたバッグに入れていてジャマになるものでもないので、ふだんから持ち歩くのもよいですし、デザイン性の高いヘアゴムなら、手首にブレスレットのようにつけておくのも、いざというときにおすすめです。
ウェットティッシュで簡易洗髪
アルコールフリーのウェットティッシュを使って、簡易洗髪ができます。
まずは毛髪を細かく分けてとり、ウェットティッシュで地肌を軽くさするようにして拭いていきます。
地肌をひと通り拭き終わったら、再度毛髪を細かく分けてとり、根もと~毛先までウェットティッシュで細かく拭いていきます。
全体を拭き終わったら、15分後に先述したブラッシングをしてください。新しい皮脂が頭皮から出てくるので、それを毛先までなじませることで保湿できます。
ふだんから、アルコールフリーのウェットティッシュの持ち歩きもマストにしておきたいところです。ぜひ覚えておいて、いざというときに活かしましょう!
取材・文/高田空人衣