身近な食材にも関わらず、体のあらゆるところ、さまざまな症状に効果を発揮するはちみつ。乾燥や肌あれが気になるこの季節、はちみつを使った肌ケアの方法を紹介します。自然療法に詳しい前田京子先生に教えていただきました。
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はちみつには、お肌にうれしい効果がいっぱい
あま~いはちみつですが、実は殺菌作用を持っています。はちみつに含まれるグルコン酸という成分と、同じくはちみつに含まれるグルコースオキシダーゼという酵素がつくり出す過酸化水素に、強力な殺菌力があるのです。過酸化水素は、消毒液・オキシドールの成分というとイメージしやすいかもしれませんね。
「肌の表面にいる菌にも善玉菌と悪玉菌が存在し、腸と同じように善玉菌が優位になることで肌の健康が保たれています。でも、はちみつが発生させる過酸化水素は消毒液よりさらにすぐれていて、善玉菌を傷めずに、悪玉菌だけを殺菌してくれるのです。さらにはちみつには、保湿効果や新陳代謝を促して炎症や傷を修復する働きもあります」(前田先生)。
このように肌にうれしい効果をたくさん持つはちみつを、肌ケアに取り入れたのが「はちみつクレンジング」なのです。
通常の洗顔後、肌になじませてしばらくキープ
まずは、ふだん通りに一度洗顔します。そのあとに、小さじ2程度の純粋はちみつを手に取り、指で顔全体に伸ばします。顔に残った汚れを浮かせるように、指先でくるくると円を描きながら、はちみつを顔になじませましょう。急ぎの場合は、1、2分程度そのままの状態にしておき、最後にはちみつを洗い流すだけ。はちみつで手がべたついたり、周囲に垂れたりするのが気になる人は、バスタイムにゆっくり、のんびり行うのがおすすめ。お湯に浸かり、甘い香りとなめらかな肌触りを楽しんでいる間にも、はちみつはあなたの肌の悪玉菌をやっつけてくれています。
「いきなりはちみつを直接顔にのばすことに抵抗がある人は、ふだん使っている洗顔料に純粋はちみつを小さじ1程度を混ぜて洗顔してみてください。いずれの方法でも、洗い流したあとは肌がふっくら柔らかく、キメも整っているのを実感できるでしょう。肌の乾燥が気になる冬場は、2日に1回程度行うのがおすすめです」(前田先生)。
トラブル肌にこそ、はちみつがおすすめ!
肌の調子が悪い、乾燥でゴワつく、このままではメイクがうまくのりそうにない…。そんなときには、救急ケアである「はちみつフェイシャルパック」の出番です。洗顔後、化粧水をお肌にたっぷりしみこませたら、純粋はちみつ小さじ1に好みの美容オイル(なければ食用のエキストラヴァージンオリーブオイルでも代用可能。健康な皮脂成分をバランスよく含んでいるのでおすすめです。ニキビ肌の方は、オリーブオイルよりオレイン酸が少ないホホバオイルや、ローズヒップオイルなどがおすすめ)を5滴加え、手のひらでよく混ぜ合わせて肌全体に伸ばし、1〜2分。ぬるま湯で洗い流すと、メイクがきれいにのるキメの整った肌に仕上がります。オイルは決して使いすぎないことがコツなのだとか。
「はちみつの強力な殺菌作用は、ニキビや吹き出物の原因となるアクネ菌や黄色ブドウ球菌にも効果を発揮してくれるのです。私は、吹き出物を発見したときには、洗顔後にすかさず指先か綿棒で吹き出物の頭にはちみつをそのままつけますよ」(前田先生)。
冬場の乾燥はもちろん、さまざまな肌トラブルに広く対応してくれるのが、はちみつなのです。
文/馬渕綾子