さまざまな美容ケアアイテムが登場する昨今、「どれを選べばいいかわからない」とお悩みの人は多いのではないでしょうか。FYTTEでは、自分にとってもっとも必要なアイテムやメソッドを選び抜き、効果的に美容に取り組む「メリハリ美容」を2024年のトレンドワードとして掲げています。今回は、エイジイングデザイナーの村木宏衣先生に、顔の各パーツのケアについて、より美しく見せるためのメソッドを伺いました。コロナ禍のマスク生活を経た今、「鼻が低くなった」「鼻が大きくなった」など、自身の鼻の形への変化を感じている人の声も聞かれる今、鼻の形状が変わる理由と、美しい鼻に整えるためのセルフケアをご紹介します。
Contents 目次
以前より鼻が大きくなった…? マスク生活がもたらした鼻の変化
――自身の鼻の形に悩む人が増えているようですが、コロナ禍のマスク生活が影響しているという話は本当でしょうか。
村木先生:マスクによって鼻が押しつぶされてしまったことが、鼻の形が変わったと感じるひとつの要因だと思います。鼻は軟骨でできており、外からの力に影響を受けやすいパーツです。コロナ禍のマスク生活により、少しずつ鼻に圧がかかり、横に広がってしまったのでしょう。私自身、マスクが手放せない日々の中で、「鼻の形が変わってきている!」と焦りを感じ、鼻にフォーカスした書籍を出版させていただいたほどです。
また、マスクによる息苦しさから、鼻呼吸ではなく口呼吸をするようになったことも影響しています。鼻呼吸をしているときは、小鼻にある「鼻筋(びきん)」という筋肉を使うのですが、口呼吸では鼻筋を使わないため、むくんでしまい、鼻が大きく見えるようになってしまうのです。
――鼻もむくむことがあるのですね…!「美しい鼻」とは、どのような形を指すのでしょうか。
村木先生:一般的に人気なのが、「忘れ鼻」と呼ばれる形です。忘れ鼻とは、女優の北川景子さんのような、「きれいだけど主張が強くない鼻」のこと。鼻すじも鼻全体の印象を左右するため、すっと通ったきれいな鼻すじを目指したいですね。眉頭と目頭をつなぐ「尾毛下制筋(びもうかせいきん)」がこり固まると、鼻すじが埋まってしまいぼんやりした印象に。
鼻は顔の中心にあるため、むくんだり広がったりすると、顔全体の印象に影響してしまいます。きちんとお手入れをして美しい鼻を目指しましょう!
「だんご鼻」を解消! 鼻先のボリューム感をダウンするメソッド
村木先生:「だんご鼻」を解消する2つのメソッドをご紹介します。「だんご鼻」は、「鼻先が太い」という特徴があります。まずは、小鼻まわりの「鼻翼部(びよくぶ)」のこりをほぐしてむくみをとり、鼻を中心に寄せる筋肉の動きを活発にし、鼻先のボリュームダウンを目指しましょう。
【メソッド1】2本の指で圧をかけ、ほおの4か所を刺激する
(1)人さし指と中指の腹を小鼻の横に当て、圧をかけながら横方向に小刻みにゆらす(10回)。
(2)指を目頭から指1本分ほど下に移動し、同様にゆらす(10回)。
(3)指を黒目の下に移動してゆらす(10回)。
(4)(3)の位置から、小鼻の高さにずらしてゆらす(10回)。
<ポイント>
ほおのこりを感じる部分をしっかりほぐしましょう。
【メソッド2】指で鼻先をはさみ、圧をかけたまま口を開閉する
(1)親指と人さし指で鼻先をはさむ。
(2) 「え」「お」の形で口を開閉する。各10回くり返す。
<ポイント>
口を開閉するときに、小鼻が動いているのを感じることが大切です。
「にんにく鼻」を変えたい! スリムな鼻の印象に近づけるメソッド
村木先生:「にんにく鼻」の特徴は、小鼻が大きく、中央の鼻すじが太いことです。だんご鼻改善でご紹介した「メソッド2」に加えて、ほおを中心に寄せるメソッドを行うことで、徐々に小鼻がボリュームダウンしていきますよ。にんにく鼻が気になる人は、「メソッド2」を行う際に、鼻先ではなく小鼻を押さえるようにしましょう。
【メソッド3】鼻とつながっているほおの骨を内側に寄せる
(1)手のひらにある手相の横ライン(頭脳線)あたりをほお骨に当てる。
(2)手のひら全体を顔の側面に密着させ、やさしく圧をかける。同時に、反対の手の人さし指を鼻のわきに当てて鼻を中央に寄せるように圧をかける。
(3)(2)の状態のまま、深呼吸しながら30秒キープ。
(4)反対のほおも同様に行う(30秒)。
<ポイント>
正面を向いて行い、リラックスしながら行いましょう。
鼻のつけ根を掘り出して、きれいなラインをゲット! 鼻すじ矯正メソッド
村木先生:鼻まわりの筋肉をほぐして、むくみを解消し、きれいな鼻すじを叶えましょう。鼻すじが気になる人におすすめの3つのメソッドをご紹介します。
【メソッド4】鼻の根もとをしっかりほぐす
(1)眉頭の下に中指の先を当てる。
(2)顔側に圧をかけながら、中指の腹を縦方向に小刻みに動かす。
(3)指を内側に回転させる(鼻骨を掘り起こすイメージ)。
(4)(2)→(3)の動きを各5回×5セット行う。
<ポイント>
皮膚をこすらないように、骨を感じて行いましょう。
【メソッド5】鼻毛下制筋に圧をかける
(1)【メソッド4】の指の位置を維持したまま、ひじをテーブルにつく。
(2)指に頭の重さを乗せて圧をかけ、「いやいや」と首を左右に振る(2回)。
(3)顔を正面に戻したら、「うんうん」と顔を上下に動かす(2回)。
【メソッド6】カギ形の指で鼻をはさみ、鼻すじをプレス
(1)カギ形にした人さし指の平らな部分で鼻すじをはさむ。
(2)鼻を引っ張り出すように、指を内側に軽く回転させながら引き下げる。
(3)(2)から(1)の状態にもどす。5回くり返す。
(4)鼻先に移動させ、同様に5回くり返す。
<ポイント>
第一関節と第二関節の間の平らな部分を使いましょう。
村木先生:各メソッドを行う際は、「皮膚を押さえる」というより、「奥の骨をとらえる」ことを意識しましょう。そうすることで、筋肉の深い部分に効果を与えることができるようになります。力任せに強く押さえるのではなく、しっかりとらえることがポイントですよ。
また、イタ気持ちいい箇所や、奥に響くような刺激を感じる箇所は、筋肉がとくにこっている部分。継続してメソッドを行うことで、徐々にほぐれ、痛みも感じにくくなるはずです。むくみは一度で改善することもありますが、2週間ほど続けると、効果を実感してくると思います。ぜひ、継続して試してみてくださいね。
――ありがとうございました!次回は、「首や目もとのシワ、たるみ」を改善するメソッドを教えてもらいます。
撮影/我妻慶一 文/佐藤有香