
暑い夏は毛穴が開いていつもより目立っているような気がしませんか? 汗や皮脂が増えることでニキビなどの肌トラブルに悩まされる…ということも。そこで今回は、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)の副院長で形成外科専門医の澤口 悠(さわぐち はるか)先生に「夏の毛穴ケアのコツや、美肌を保つ方法」を伺いました。
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美肌の基本!毛穴をきれいに保つ方法はスキンケアだけじゃない!?
夏になると増える毛穴トラブル。とくに毛穴詰まりや毛穴の開きが気になる季節ですよね。ニキビなどの肌トラブルに悩まされる人も多いのではないでしょうか。
毛穴が目立つ要因や正しい毛穴ケアの方法など、この時期に多くの女性を悩ませる“毛穴”について澤口先生に教えてもらいました。
「夏は高温多湿により汗の量が増え、冬の2~3倍の皮脂が分泌すると言われています。皮脂が増えると毛穴も常に開きっぱなしになり毛穴が目立ちやすくなります。また、夏は強い紫外線が降り注ぐため、皮ふの表面の角質層が分厚くなりやすく、角質と皮脂が混ざって毛穴に入り込むと角栓ができやすくなります。さらに、暑さやストレスによるホルモンバランスの乱れ、偏った食事や食事量が増えるなども皮脂分泌を促進する要因になります。
この時期は、食事や睡眠の管理がとても大事になります。なので間違ったスキンケアをされていると、ターンオーバーが乱れて毛穴が広がります。年齢とともに毛穴はどうしても広がってたるみ毛穴になってしまうので、日々のコントロールが必要になりますね。肌(毛穴)は、ライフスタイルや生活習慣などの影響を受けやすく総合的に関わってきます」(澤口先生、以下同略)
肌トラブルが起きやすい夏の毛穴対策やお手入れのコツはありますか?
「毛穴や角質のケアには、皮脂や汚れをしっかり落とすための洗顔が基本。1日に2回(朝夜)、32度程度のぬるま湯で、肌にやさしい“泡の洗顔”がいちばん理想的です。洗顔料を選ぶときは、ピーリングのものよりは肌にやさしい弱酸性のものがおすすめ。洗うときに肌に指がふれて摩擦しないように、ていねいにやさしく洗うこと。泡が残ってしまうと毛穴詰まりやニキビの要因にもなりますので、洗顔料の落とし残しがないように、生え際やフェイスラインまでしっかり洗ってください」
忙しいとお湯や水洗いの洗顔で済ませてしまうこともあるのですが、ニキビや毛穴ケアとしてはどうでしょうか?
「泡洗顔をしてあげたほうがいいですね。泡を使わない洗顔(お湯洗顔)などは、肌が敏感でアトピー肌の人や皮脂が少ない人が行う方法なので、基本は洗顔料を使った洗顔が必須です。
肌の常在菌や汚れを洗い流す目的では、毎日しっかり洗顔したほうが肌はきれいになると思います」
基本は泡洗顔ですね! 洗い方や洗顔料の選び方もポイントになりそうです。
[コラム] 赤ちゃんはつるんとしたすべすべの肌なのに、なぜ大人になると毛穴の悩みや肌質が変わってしまうの?
「赤ちゃんは皮脂腺が少なく、皮脂の分泌も少ないうえに、角質層の下にある真皮層のコラーゲンもすごく豊富なので毛穴がキュッとしていて、まったく毛穴が目立ちません。角質も大人の2分の1と言われているんです。すべてが相まって、とてもきれいな状態です。
思春期以降になると、男女ともにホルモンの変化で皮脂腺が発達してきます。また、外からのダメージ(紫外線や乾燥など)や、遺伝的な肌の真皮の厚さもありますが、外的刺激によって少しずつ肌が変化していきます。体質で毛穴が広がる方向に働く人もいますね。
思春期のころにしっかりケアを行い、油ものの少ない食生活を心がけることが大切ですが、基本的にはライフスタイルや環境の影響、体質要因で各々異なる肌質に変化していきます。
20代後半~30代になると、てきめんに真皮層のコラーゲン量が低下して、肌の弾力が失われ、たるみが一気に目立つようになってきます。たるみが進行すると毛穴も伸びて(たるみ毛穴)、さらに毛穴が大きく見えるようになります。気づかないうちに思春期くらいからの食生活や洗顔などのお手入れに左右されているのだと思います」
ありがとうございました!
毛穴ケアにはライフスタイルや生活習慣など総合的に関わってくるとのことで、「運動」も大切だと聞きます。暑い時期に運動はしんどいかもしれませんが、毛穴がきれいになるなら知りたいです。
次回は「毛穴と運動の関係」についてお届けしていきます!
取材・文/FYTTE編集部