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医師に聞いた! 運動で毛穴が変わる!? スキンケアだけじゃない毛穴をきれいに保つ方法

「運動をしている人は肌がきれい。自分も運動で肌がきれいになる?」このように考える人もいるかもしれません。そこで今回は、豊洲内科・糖尿病/形成・美容外科クリニック(東京都江東区)の副院長で形成外科専門医の澤口 悠(さわぐち はるか)先生に「運動と肌(毛穴)の関係」について教えていただきました。毛穴をキレイにする方法には、スキンケアだけじゃないんです!
Contents 目次
医師に質問! 運動は肌(毛穴)にとっていい影響がある?
運動をすることで血流がよくなり、汗の質も変わるので毛穴にとってもいい影響があるのではないかと感じているのですが、運動は肌質(毛穴など)の改善につながりますか?
「結論から言うと、適度な運動は美肌作りに役立ちます。
有酸素運動(週に150分以上 ※2時間半以上/1日に30分程度)は、血流促進効果があり、細胞に栄養と酸素が行き渡るため真皮の線維芽細胞というコラーゲンの合成が促進できると研究でわかっています。肌のコラーゲンが増えると、水分量も増えて、みずみずしい状態を維持することができ、内側から引き締まっていくので毛穴にもいい効果が得られます。
血行が促進されると、毛穴から分泌される皮脂の質が変わってくるので、毛穴に詰まる黒ずみが起こりにくくなると言われています。また、ターンオーバーも正常に整う(代謝サイクル)ので、酸化した皮脂の排出を助けてくれます。さらに適度な運動は、筋肉からマイオカイン※(筋ホルモン)が出るので表皮の細胞が増殖し、肌のハリ感が高まります。
※マイオカイン(筋ホルモン)とは、筋肉(骨格筋から分泌される生理活性物質の総称)で、運動によって分泌が促進され、筋肉だけでなく、全身の臓器や組織によい影響を与える。健康維持や老化防止に重要な役割を果たす物質。
気をつけたいこととしては、運動や筋トレをしている人はプロテインを飲んでいることが多いと思いますが、動物性のホエイプロテインは皮脂分泌を促進する方向に働くため、過剰に摂取するとニキビの要因になる可能性があります。毛穴ケアや美肌を意識するなら、植物性のソイプロテインに変えるのがおすすめです」(澤口先生、以下同略)
毛穴がきれいになる! おすすめの運動習慣とその効果
続いては、具体的な運動の種類とその効果について教えてください。
有酸素運動、ヨガ、筋トレなどの運動は毛穴にとってどんな効果が得られますか?
「有酸素運動は、1日30分程度のもの。例えば、ランニングや水泳、自転車などですね。血流が促進され汗をかくことで老廃物を排出してくれます。毛穴の黒ずみ対策になります。
ヨガやストレッチなどの軽い運動では、汗をかくというよりはリラックス作用があり、精神面に働きかけてくれます。ストレスホルモンを下げ、皮脂分泌のバランスを安定させたり、コントロールに役立ちます。
筋トレは、背中やお尻、脚(太もも)などの大きな筋肉を中心に、週2~3回のトレーニングをとり入れるのがおすすめ。大きい筋肉を鍛えることで成長ホルモンが増えますし、真皮のコラーゲンの密度を高めてくれて、毛穴のたるみを防ぎ、肌のハリ感アップなどアンチエイジングに効果が期待できます」
運動を行う際、肌ケアの注意点はありますか?
「運動直後は、皮脂や汗をかくのでなるべく30分以内に洗顔すること。難しければ、ぬるま湯で洗うだけでもいいです。皮脂や雑菌対策になります。顔を洗ったあとは保湿を行うことです。乾燥してしまうと、皮脂分泌量が増えるので、しっかり保湿を行なってください。
運動は美肌に重要な成長ホルモンの分泌にとってはおすすめですが、やりすぎは活性酸素を発生させて肌にダメージを与えることもあるので適度な運動をとり入れましょう」
最後に、パーツ的に顔を鍛えるグッズがありますが、肌(毛穴)にも効果はありますか?
「顔に直接ふれるようなアイテムはおすすめしません。シワやたるみの原因にもなりますし、皮ふを伸ばしてしまうことにもなるので、肌にはなるべくさわらないことです。ボトックスで予防するくらいがおすすめです。コスパがよく、半年に1回程度のメンテナンスで、費用も安い。最初は抵抗がある人も、やってみたら結構効果がいいので継続される人も多くいらっしゃいますね」
そうですよね! 最新で最先端の美容医療が増えている中、ボトックスは以前よりも効果と価格帯で手軽に試せるのかな、と感じています。
ありがとうございました!
運動で毛穴の黒ずみや筋トレによるマイオカインの分泌はうれしい効果ですね。顔だけでなく全身を動かすこともできるので、ダイエットやボディメイクにもつながり一石二鳥です。
次回は「毛穴ケアにつながる食事法(インナーケア)」について教えていただきます!
取材・文/FYTTE編集部