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「ヒアロワン」ひとつで8機能! 美容皮ふ科医とキユーピーが語る「ヒアルロン酸の基礎知識と高機能ヒアルロン酸」勉強会レポート
キユーピーはマヨネーズやドレッシングで知られていますが、じつはヒアルロン酸の国内出荷量ナンバーワンの企業です。キユーピーウエルネス主催で開催された「美容皮ふ科医と語る。キユーピーの高機能ヒアルロン酸勉強会」では、第一部では美容医療の視点から美容皮ふ科Mクリニックの阿部みち先生がヒアルロン酸の基本を解説し、キユーピー ファインケミカル本部 営業企画部の田川亜矢さんにより高機能ヒアルロン酸の独自技術を解説。第二部では、「キユートピア ヒアロワン」を紹介しました。
ヒアルロン酸の基礎知識や種類、肌への影響、そしてキユーピーが研究開発した5種の高機能ヒアルロン酸など気になるポイントを絞ってお届けします!
Contents 目次
美容皮ふ科医による「ヒアルロン酸の概要」
本記事は、11月27日にキユーピーウエルネス主催で開催された「美容皮ふ科医と語る。キユーピーの高機能ヒアルロン酸勉強会」を元にお届けいたします。

第一部では、シミ、シワ、たるみなどのエイジングによる肌の悩みを、きめ細やかなカウンセリングと確かな技術で解決することで定評がある、美容皮ふ科Mクリニック院長である阿部みち先生より、美容医療の視点からヒアルロン酸の基本的な知識、体内での働き、加齢による影響、そして応用分野について解説されました。

ヒアルロン酸の基本知識と役割
「ヒアルロン酸は、化粧品の成分として非常によく知られています。元々は、牛の目の硝子体(目の中を満たす透明なゼリー状の物質)から発見されました。
ヒアルロン酸は、グルコサミンとN-アセチルグルコサミンという2つの糖類がくり返されてできたムコ多糖類です。その機能で最も有名であるのは、極めて高い保湿・保水力です。なんと、わずか1gで6ℓもの水を保持する能力があり、体内の水分保持に大きな役割を果たしています。
このヒアルロン酸は体内のさまざまな部位に存在しており、その約半分は皮ふに含まれています。そのほか、目、関節、靭帯にも含まれています。

とくに皮ふにおいて、ヒアルロン酸は表皮で保湿膜を形成して水分の蒸発を防ぎ、肌の乾燥を防ぎます。さらに、真皮層ではコラーゲンやエラスチンと共に細胞間マトリックスとして存在し、肌の弾力やハリを支える大切な働きをしています。ヒアルロン酸は細胞間の環境を整え、コラーゲンの生成を助けるため、健康な肌の維持と美しさに欠かせない成分です」(阿部先生、以下同略)

加齢によるヒアルロン酸の減少とそのメカニズム
「しかし、年齢を重ねるにつれて体内のヒアルロン酸は減少します。ヒアルロン酸が減ると、皮ふでは乾燥、小じわ、たるみの原因となり、関節ではこわばりや痛み、目ではドライアイや疲れ目を引き起こします。加齢に伴う減少は深刻です。40代から大幅に減少し、70代では約1/4に減少すると言われています。
ヒアルロン酸が減少する主なメカニズムは以下の通りです。
1.細胞機能の低下:ヒアルロン酸やコラーゲンを合成する線維芽細胞の活性が低下し、ヒアルロン酸の合成量が減少します。
2.分解酵素の活性化:ヒアルロン酸を分解する酵素まで発生します。これは、紫外線ダメージの蓄積や酸化ストレスによる活性酸素の増加が原因として大きく関係しています。
3.女性ホルモン(エストロゲン)の低下:エストロゲンには線維芽細胞を活性化する働きがありますが、更年期以降にエストロゲンが急激に低下することで、ヒアルロン酸の合成量が減少します」
分子量の違いと美容医療への応用
「ヒアルロン酸は分子量の違いにより、その機能が大きく異なります。
分子量が大きいヒアルロン酸は、皮ふの表面にとどまりやすく、高い保湿効果を発揮します。
分子量が小さいヒアルロン酸は、肌の深部にまで浸透しやすく、シワの改善や肌の再生に効果的です。
とくに超低分子ヒアルロン酸は、細胞に作用して肌の土台環境を整える高機能美容液としての働きが注目されています。皮ふの深部まで保湿し、バリア機能を強化したり、ほかの美容成分の浸透を高めるブースター効果を発揮します。

美容医療分野においては、ヒアルロン酸は「皮ふ充填剤」(フィラー)としてシワや凹みを改善したり、輪郭を形成したりするのに役立ってきました。しかし近年、次世代ヒアルロン酸スキンブースターと呼ばれる新しいタイプの注入治療が注目されています。
これは、従来のフィラーのように形を整えるのではなく、皮ふを育てる栄養剤としてのヒアルロン酸です。肌を持ち上げて構造を変えるのではなく、皮ふそのものを育て、周囲に何をしたのか気づかれにくい自然な若返りが期待できるアプローチとして注目されています」
キユーピーのヒアルロン酸研究。独自技術により開発した5種類の高機能ヒアルロン酸
続いて、キユーピーの高機能ヒアルロン酸(独自技術など)について紹介がありました。
キユーピー ファインケミカル本部の田川亜矢さんは、10年以上にわたり化粧品に携わっており、同社のヒアルロン酸が自社製品だけでなく、多くの化粧品にも採用されていることを紹介しました。

「キユーピーグループで扱う卵、日本の鶏卵生産量の約1割にあたる約25万トンに着目し、その親であるニワトリのトサカに存在するヒアルロン酸の研究を1980年代から開始しました。
1985年:トサカからの抽出法によるヒアルロン酸の製造販売をスタート(主に医薬品向け)。
2004年:マヨネーズに使う酢の発酵技術を活用した発酵法を開発し、良質なヒアルロン酸の大量かつ安定的な生産が可能に。
現在、キユーピーでは、この発酵法を用いたヒアルロン酸を中心に、医薬、食品、化粧品の分野で多種多様な製品を提供しています」(田川さん、以下同略)

独自技術による高機能ヒアルロン酸の開発
「一般的にヒアルロン酸は分子量の違いによりテクスチャーが大きく異なります。高分子のものは糖の結合が長くトロトロとしていますが、低分子のものは結合が短く、粘度が低くサラサラとしたテクスチャーになります。
キユーピーは、通常の高分子ヒアルロン酸(ヒアルロン酸ナトリウム)の開発からスタートしましたが、テクスチャー以外にもさまざまな機能を持たせるため、主に以下の2つの独自技術を用いて高機能ヒアルロン酸を開発しました。
1.分子量調整技術:ヒアルロン酸の分子量を低くして肌に浸透させる。
2.化学修飾技術:ヒアルロン酸に化学修飾を施すことで、プラスアルファの機能(吸着性や油への溶解性など)を追加する。
キユーピーでは、肌の奥深くから表面まで、多様なニーズに応える5種類の高機能ヒアルロン酸を開発しています」

キユーピーが開発した5種類の高機能ヒアルロン酸
とくに濃厚保湿ヒアルロン酸は、高分子にもかかわらずベタつきが少ないテクスチャーが特徴で、実際に阿部先生が試したところ、「しっとりしているのに、サラッとすべすべになり、ベタつかない」と、その斬新な技術に驚きを示しました。
「5種類の高機能ヒアルロン酸を見ると、化粧品のパッケージ裏面に記載されている“表示名称”で、どのような分子量のヒアルロン酸が配合されているかをある程度判断できます。例えば、“加水分解ヒアルロン酸”と記載されていれば、低分子のヒアルロン酸が含まれていることがわかります。
また、高分子ヒアルロン酸(濃厚保湿ヒアルロン酸)と低分子ヒアルロン酸(ハリ生成ヒアルロン酸)を同時に塗布しても、それぞれ働く箇所が異なるため、それぞれの機能を発揮できます。低分子のヒアルロン酸は、高分子のヒアルロン酸で覆われていたとしても、それぞれのターゲット層まで届くため、中から保湿し、外側をフタをして保湿するという相乗効果が期待できます」
阿部先生と田川さんのトークセッションでは、美と健康を保つためには、美容医療によるアプローチと化粧品によるアプローチ、両方の大切さ、そしてその相乗効果があることを強調しました。日々の努力、すなわち毎日のスキンケアの積み重ねが、医療で得た効果を維持するために不可欠ですね。
続いて第二部では、「キユートピア ヒアロワン」についてお届けしていきます。
キユーピーウエルネス「キユートピア ヒアロワン」の魅力
「キユートピア ヒアロワン」は、キユーピーが独自開発した高機能ヒアルロン酸スキンケアの集大成として開発されたオールインワン商品です。ヒアルロン酸製造メーカーだからこそ実現できる、こだわり抜いた配合と独自原料、そしてテクスチャーに徹底的にこだわって作られました。

「ヒアロワンの最大の特長は、独自開発された6種類のヒアルロン酸を、エビデンスに基づいた量でしっかりと、かつ配合限度ギリギリに高配合している点です。この6種類の内訳は、キユーピーが開発した5種類の高機能ヒアルロン酸と、通常のヒアルロン酸(高分子ヒアルロン酸)の合計です。これにより、肌の表面で蓋をする役割を果たす高分子のものから、肌の中に浸透する低分子のものまで、肌の多層的な保湿とケアを可能にしています。それぞれのヒアルロン酸が働く箇所が異なるため、これらを同時に塗布しても、それぞれの機能を発揮することが可能です。低分子ヒアルロン酸で内側からしっかり保湿し、高分子ヒアルロン酸で外側をフタをして保湿をするという相乗効果が期待されます。
ヒアロワンは、ヒアルロン酸のみずみずしさを最大限に活かしたジェルタイプのテクスチャーです。これひとつで8つの機能(化粧水、乳液、美容液、クリーム、マッサージクリーム、アイクリーム、化粧下地、パック)を果たすオールインワン商品です。

ふだんのスキンケアの最後にクリームの代わりとして使うこともできます。また、お好みの化粧水や美容液と組み合わせて使用することも可能です。ヒアルロン酸はとくに組み合わせてよくないという原料はない「やさしい原料」であるため、レチノールなどの成分と併用も可能です。
乾燥シーズンには、お手持ちのオイルと手のひらでよく混ぜて、オイルリッチなテクスチャーにして使うのもおすすめです」(田川さん)
製品名:「キユートピア ヒアロワン」
内容量:50g 価格:7,920円税込
製造:国内 フリー設計:香料、無着色、パラベン不使用
アレルギーテスト済み
取材・文/FYTTE編集部



