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2026年の美容トレンドを先取り! 世界が注目するJ-Beautyと、日米韓から見えた最新美容とは?
美容特化型イノベーションファーム「ampule(アンプル)」は12月11日、『ampule 日米韓トレンド予測2026』発表会を開催しました。昨年は「セルフカスタムコスメ」や「キッズコスメ」、「防災コスメ」などが話題となりましたが、今年は日本・韓国に加え、アメリカの最新動向も分析! さっそく、発表会の模様をレポートします。
Contents 目次
日本では“自己投資美容”が加速中!

発表会では、美容家や専門家、メーカー、市場調査など多角的な分析をもとに選定された12のキーワードが登場! 各国の文化的背景や消費行動の変化とあわせて、これからの美容のあり方が語られました。登壇者は、トレンダーズ常務執行役員の飯田安紗美さん、ampule magazine編集長の岡部のぞみさん、そして韓国の大手ビューティプラットフォーム「Glowdayz」のイ・ウンギョンさんです。
まず、日本のトレンドについて解説したのは、ampule magazine編集長の岡部のぞみさん。日本では「美容=自己投資」という意識がさらに深まり、より“深く、ていねいにケアする”方向へと関心が移っているといいます。
その象徴となるのが、「時を止める美容」。エイジングケアは、老化の進行を遅らせる「アンチエイジング」から、時を戻すことを目指す「リバースエイジング」へと進化しています。人生100年時代を迎え、社会全体で若さを意識する流れが高まる中、老化細胞(ゾンビ細胞)そのものにアプローチする考え方が主流になりつつあるのだとか!
SHISEIDOの「アルティミューン パワライジング セラム」のように、老化細胞をターゲットにした製品や、iPS細胞のバイオ上清を活用した再生医療技術応用アイテムも登場しており、これまでSFの世界だったような美容が、少しずつ現実のものになりつつあります。
また、過酷な自然環境や生活ストレスから肌を守るため、いつものルーティンに「プラスひと手間」を加えるケア、いわゆるプレステップアイテムへの関心が高まっています。街頭調査では約7割の人がプレステップケアを実践しており、肌がやわらかくなるといった実感のほか、「やっている感」や「心が整う」といった心理的な満足感(モチベーションの向上)も重視されています。美白やピーリングなど、メインの役割を担う機能を備えた導入アイテムが増えており、その流れはヘアケア市場にも広がりつつあります。
さらに、顔や髪だけでなく、目元や首元、頭皮、デリケートゾーンなど、これまで見落とされがちだった部位への「サードパーツケア」も定着しつつあります。人に見せるためではなく、自分への満足感や癒し効果が、心の満足感につながっていることが背景にあるようです。
さらに、メンズ美容の広がりにも変化が見られるのだとか!
若い男性を中心に広がってきたメンズ美容の波は、ミドル・シニア層の中高年男性(ダンディ)にも広がりつつあり、悩みに特化したアイテムや、ジェンダーレスなデザインの商品が増えることで、男性が美容を始めるハードルも、少しずつ下がってきているのだそう。
韓国は“本質回帰”の時代へ

続いて紹介されたのは、韓国のトレンドです。Glowdayzのイ・ウンギョンさんは、韓国では急速なトレンドの移り変わりに疲れを感じる人が増え、「本質的な価値」や「心理的な充足感」を重視する動きが強まっていると語りました。
「スキンケアにおいては、技術革新そのものよりも、保湿や肌バリアといった皮ふの質に目を向けた製品が注目されています。数十年前から一貫したメッセージを発信してきた正統性のあるブランドのオリジナル処方が改めて評価される傾向にあり、マーケティングの面でも、インフルエンサーより専門家(皮ふ科医やメイクアップアーティストなど)からの発信が重要になると予測されています。
また、デジタル情報があふれる今、その反動としてアナログや古典的な価値が見直される『ノスタルジア』のトレンドも広がっています。
Z世代・アルファ世代の間では、『過去のものは新しいもの=トレンド』という感覚があり、メイクのルックはY2Kからさらに遡り、90年代から70年代までが注目されています。BBクリームなどのクラシックなカテゴリが再び脚光を浴び、最近の製品と組み合わせて楽しむメイク方法も話題に! 消費者は、単に製品を選ぶのではなく、そこに重なる『思い出』を大切にするようになっているのです。
さらに、結果よりもプロセスを大切にするライフスタイルの広がりとともに、化粧品を使う時間そのものに寄り添う『感情タッチ』、いわゆるムードケアの重要性も高まっています。五感に心地よく働きかける質感や香り、遊び心のあるデザインによって情緒的な充足感をもたらすことに加え、心理的な変化を科学的にサポートできるよう設計された製品が、今後の競争力を持つと考えられています」(イ・ウンギョンさん)
TikTokが美容の主役に! US-Beauty最前線
最後に紹介されたのは、アメリカのトレンドです。飯田安紗美さんは、Z世代・アルファ世代の台頭と、TikTokを中心とした動画プラットフォームの影響力の大きさを挙げました。

TikTokなどの影響を受け、分かりやすく映えるユニークな商品が人気を集めており、リキッドやスティックに加えて、ジェリーやセラムなど質感の進化も進んでいます。肌の温度やpHで発色が変わるカラーアダプティブメイクアップが注目される一方、ヘルシー志向の高まりから、ソフトな印象を作るためのチークブラシへの関心も高まっているのだそう!
また、SNSの影響でアルファ世代(6~12歳)まで美容への関心が広がり、カラフルで遊び心のあるデザインのコスメが支持されています。機能性だけでなく、「ファッションとして楽しめる」点も選ばれる理由のひとつです。
さらにアメリカでは、インフルエンサーが商品を紹介するだけでなく、購買につなげる存在へと進化しています。UltaやSephoraなどがクリエイター向けの仕組みを整え、SNS上でインフルエンサーがBA(ビューティアドバイザー)の役割を担う動きが広がっているとのこと。

成分買いが浸透する中、複数成分を組み合わせた処方が評価される傾向があり、美白成分として知られる「コウジ酸(Kojic Acid)」も注目されています。品質や安全性が評価される日本のコウジ酸製品は、今後、アメリカ市場での展開が期待されています。
飯田さんは日米韓のトレンド総括として、「去年までは韓国のトレンドが日本に影響を与えていましたが、今年は日米韓すべてのトレンドから、J-Beautyのもの作りに注目が集まる流れが生まれています」と語りました。
日米韓それぞれの視点から見えてきた2026年の美容トレンドは、機能や見た目だけでなく、心の満足感や本質的なケアを大切にする流れが共通していること! これからの美容は、自分自身とていねいに向き合う時間を支える存在として、ますます進化していきそうです♪
取材・文/FYTTE編集部



