体がだるい、毎日の疲れが取れない…などは自律神経の乱れが要因。そんな悩みも、入浴法でお手軽に解決できるといいます。そこで、入浴医学の第一人者でもある早坂信哉さんに自律神経をコントロールできる入浴法を教えていただきました。
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自律神経を整える入浴方法とは?
そもそも自律神経には、体を活発に動かすときに働く交感神経と、体を休めるときに働く副交感神経があります。日中は交感神経が、夜は副交感神経が優位になることで、活動と休息という体のバランスを保っているのです。
しかし、ストレスや、女性の場合は女性ホルモンの影響で自律神経は乱れがちです。最近は書店に行くと呼吸法やヨガなどたくさんの自律神経を整える方法に関する本はありますが、一番簡単で手軽にできるのが、入浴法といえるでしょう。
現代人は交感神経が興奮しすぎることで自律神経が乱れていることが多いので、交感神経の興奮を鎮め、リラックスの副交感神経をしっかりと優位にすることが大切です。そのためには38℃~40℃のお湯に10分ほど、肩まで浸かる全身浴をするのが基本です。38℃の場合はぬるいので、10分以上入っていても大丈夫です。汗が出たら一度湯船から出るのを目安にするのもいいでしょう。自律神経を整えるには、ぬるめの湯船にゆったり入ることが重要です。
日中の忙しさに疲れて、ストレスがたまっている場合は、ぬるいお湯にゆっくり浸かることが基本ですが、朝など気分転換などでしゃきっとしたいという場合は、42℃くらいのちょっと熱めのシャワーを浴びるのもひとつの方法です。
また、ぼーっとしているときは、温冷交代浴で、交感神経を刺激するのもいいと思います。温冷交代浴とは、40℃のお湯に肩まで3分漬かり、いったんお湯から出ます。そして、25℃〜30℃くらいのちょっと冷たいと感じる程度のぬるま湯を30秒くらい腕や脚にかける。すると血管が収縮するので、それを3回くり返しましょう。最後は温かいお湯に浸かって血流をよくしてから上がるのもポイントです。
自律神経にいいお風呂の理想的な環境は?
基本的にお風呂はリラックスのスイッチを入れる場所です。あまり明るすぎては交感神経が高ぶってしまうので、太陽のような白昼色の蛍光灯ではなく、やわらかく温かみのあるオレンジ色の白熱灯を照明に選びましょう。
疲労回復やリラックスには、アロマオイルや入浴剤も効果的です。特に入浴剤は、温熱効果を高めたり、血流をよくすることにつながってくるほか、水の中に入っている塩素を中和する働きもあるので、皮膚が敏感な人は積極的に入浴剤を使いましょう。
おすすめは炭酸系です。炭酸系の入浴剤は、炭酸が皮膚から吸収され、血管を広げる作用があります。温熱作用で血流がよくなる上、プラスアルファで炭酸の力で血管が拡張し、さらに血流がよくなります。医薬部外品や浴用化粧品と表記があるものは安心して使えます。保湿系の入浴剤もあるので、好みや目的に合わせて選びましょう。
内容が何も書かれていない「雑貨」としての商品は健康作用は期待できませんので、選ぶ際の参考にしてください。
取材・文/奥沢ナツ