しっかりメイクをした日や日焼け止めなど簡単なベースメイクだけの日。メイクを変えてもクレンジングや洗顔はいつも同じ、という人も多いのではないでしょうか。今回はかずのすけ先生にクレンジング剤の選び方を含め、「落とす」「洗う」方法の極意を教えていただきます。
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現代人の肌荒れの大半は「洗い過ぎ」もしくは「洗わな過ぎ」が原因!?
化粧品や美容に興味を持つ人の多くは、そのきっかけが「自身の肌荒れ」から始まることが多いです。現在ではじつに消費者の7割以上が自身を「敏感肌」だと自覚しており、肌荒れを経験したことがないという人は本当に稀です。しかも前回でもお話したように、現状ではさまざまな化粧品や美容の情報がネットを中心に錯綜しており、その中には決して質がいいとは言えない情報もたくさん紛れています。こういった情報に触れた人々が、“誤ったスキンケア”を行ってお肌を荒らしてしまうというケースはかなり多く、僕は以前からこのように悪質な情報をキャッチしてしまったがために肌荒れしてしまう消費者をできる限り少なくしたい、という思いから活動を続けてきました。
そんな中、僕自身の経験も踏まえ、さらに多くの消費者と実際にコミュニケーションをとってきたところ、現代人の肌荒れの根本的な原因の大半が「洗い過ぎ」もしくは「洗わな過ぎ」である可能性が非常に高いことがわかってきました。
洗顔は「しっかり洗え」から「手早く洗え」に
じつは「洗顔」の仕方については、ここ最近で業界の基本方針が大きく変わってきています。特に今から10年ほど前までは洗顔といえば「ゆっくりていねいに、時間をかけて行いましょう」と言われていました。しかし今、このフレーズを聞くことはほぼありません。むしろ「手早く済ませましょう!」という考え方が主流です。この背景には、“時短”という時代のニーズもありますが、科学技術の発展と共に「界面活性剤」というものの特性が明らかになるに連れ、美容業界全体がこのような考え方になってきたからでしょう。
洗剤と触れる時間は最小限に!洗顔時間の目安は“20秒”程度
洗顔料には「陰イオン界面活性剤」というものが主成分に配合されています。泡がモコモコ立つタイプは殆どがこのタイプです。じつは界面活性剤には色んな種類があり、中には肌への刺激がほぼ無いものもあるのですが、陰イオン界面活性剤は多かれ少なかれ皮膚への刺激がありますので長時間洗顔するのは基本的にNG。
洗顔に時間をかければかけるほど、肌への刺激が大きくなりますし、肌に必要な油分や水分も除去しやすくなってしまうからです。特に市販の洗顔料は「石鹸」を主成分にしているものが多いです。石鹸は最も主要な陰イオン界面活性剤の一種で、洗浄力が非常に高く特に皮脂を除去するのが得意です。肌がそれなりに強いと問題ないものの、肌が弱かったり、乾燥肌の人は普通の洗顔石鹸で時間をかけて洗うと顔がパサパサに乾燥してしまうこともあります。特に洗浄力の高い洗顔料ほど、短時間で手早く洗顔を済ませる必要があります。個人的には、お肌に負担になりにくい洗顔時間の目安は20秒程度と考えています。