足から全身に働きかけることで健康的な毎日を生み出す「足ウェルネスⓇ」というライフスタイルを提唱している足裏研究家の鈴木きよみさん。「体や心の不調を解消するには、まずは自分の足裏をみてみましょう」という先生の足相診断に基づき、簡単にケアできるメソッドをお伝えしていきます! 今回のテーマは、「気持ちよく汗をかける体になるための足刺激方法とは?」です。汗をしっかり出して代謝アップを目指しましょう!
Contents 目次
暑くても汗をかけない理由とは
最近はホットヨガでたっぷり汗をかくことが人気となっていますね。その背景には、ふだんの生活ではなかなか気持ちよく汗をかけていない人が増えていることがあるように思います。
汗をかくことは体温調節のために必要なこと。暑さによって生じた余分な熱を外に出し、命を守る防御反応なのです。ところが、エアコンが完備された室内で過ごすことが当たり前になった現代生活では、自分自身で体温調節をしなくても、快適な環境が保たれています。すると、本来備わっているはずの体温調節機能が衰え、じょうずに汗をかけなくなってしまうのです。低体温の人の増加や、インフルエンザにかかっても高熱が出ないなどの原因も、こうした体の機能の衰えを反映しています。また、汗をかけない状態が続くと、湿疹が出やすく、アレルギーや抜け毛、肥満の悩みなども起きやすくなります。
汗には余計な水分や老廃物を外に出し、新陳代謝を上げるうれしい効果も。免疫力の向上によって、体の健康にもつながります。気持ちいい汗をかけるようになりましょう!
汗をかかない人の足相チェックポイント
足裏にある足相は、今の不調の原因をリアルに教えてくれます。足相をみることで今の自分に必要なケアがわかるのです。
汗をかかない人はこんな足相が現れていませんか?足をチェックしてみてくださいね。
【凹凸のない寸胴な形をしている】
土踏まずなどの足裏の凹凸がなくなって、寸胴な形をしていませんか。全体的につきたてのおもちのように、ぷにっとしたふくらみ感があるのも特徴です。私のサロンでもこのような足を刺激すると、施術中に足から汗が噴き出てくることがよくあります。
【指の間の水かきがつまめない】
足の指と指の間にある、水かきの部分をつまんでみましょう。水かき部分が短くうまくつまめない人は汗をかくのが苦手です。これからご紹介する刺激方法を行ってみてくださいね!
汗を外に出すための足刺激テクニック
それでは、足を刺激して汗をしっかりかける体になりましょう!
【指の間の水かき部分をもむ】
足相でチェックした足指の間の水かき部分を、手の親指と人さし指で挟み、もむようにして刺激します。ここは全身につながるリンパの始まりです。東洋医学的な考えでは、汗は「津液」というリンパの1つに位置づけられます。全身のリンパの流れを良くすることで、血管も刺激されて汗がかきやすくなります。水かき部分の刺激によって、リンパの流れを促しましょう。
汗をかいてすっきりするための養生法
汗をかきにくい人は、日常生活から汗をかくための習慣をとり入れましょう。
【常温の水をたっぷり飲む】
ふだんどのくらい水分をとっていますか? 蒸し暑い時期は、アイスコーヒーなど冷たい飲みものがおいしく感じられますね。ただし、汗をかくための生活習慣として冷たい飲みものは避けたいものの1つ。暑さの厳しいブラジルやインドの人々も、ふだん飲むのは熱いコーヒーやチャイなどで、冷たい飲みものを飲む習慣はないそうです。汗をかくためには常温以上の飲みものがおすすめです。
また、味のついた飲みものではなく、ミネラルウォーターをしっかりとることが大切です。一日の目安量である1.5~2リットルを飲みましょう。量の目安がわかるペットボトルやドリンクジャーに入れて、飲んだ量を確認しながらきちんと飲み切るように心がけましょう。
汗が出ないとむくみを気にして、水分を減らしている人を多く見かけます。常温の水分を口からとり入れることによって、汗をかきにくい人も全身の水の流れが促進され、最終的には汗や尿となって出ていきます。
【わきの下や首にあるリンパをもみほぐす】
わきの下や首にはリンパが集まる大切なリンパ節がたくさんあります。首周辺のリンパ節は、特に「耳介後リンパ節」をよくもみほぐしましょう。全身のリンパの巡りを良くし発汗を促すことができます。入浴時に湯船につかりながらマッサージするのも効果的です。
耳介後リンパ節
【入浴時に足の指先を温める】
入浴時には足指の水かき部分を中心に、冷えやすい足先にシャワーをかけて温めます。自律神経のバランスが整い、汗をかきやすくなります。
きちんと汗をかけるようになると、体の調子がよくなり、美肌作りにも。代謝アップによって、すっきりとしたボディラインも目指せます。
取材・文/牧内夕子 イラスト/湯沢知子