お酒を飲んだときはいつも体がかゆくなる、ということはありませんか。冬場は特に肌の乾燥もあり、かゆみが悪化しやすい時季です。かゆみ性の人は、原因物質となる食べ物を見直すことが改善の近道となります。今回は、札幌皮膚科クリニック院長の安部正敏先生の『ざんねんなスキンケア47』(学研プラス)から、かゆみを招く食材についてお伝えしていきます。
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かゆみ性の人は原因食材を控えよう
肌のかゆみをそのままにしていると、肌のカサつき、色素沈着にもつながってしまいます。
「肌のかゆみはQOL(生活の質)も低下するため悩む人は多いようです。それにもかかわらず、生活習慣に無頓着な人が多いのは、とても残念。というのも、かゆみはちょっとした工夫で改善するからです」と安部先生。
特に知っておきたいのが、食べ物のこと。
「食品の中には、かゆみを増強するものがあります。そのひとつが、ごぼうのようにあくの出る野菜。私の患者さんでごぼうが大好物の人に、食べるのを控えてもらったところ、2週間でかゆみがウソのようになくなったことがあります」。
ごぼうのほかには、サバやサケなど、かゆみの原因物質であるヒスタミンやコリンと似た働きをする成分を含む食品があります。またイカ、タコなどや卵白、お酒(特にビールやワイン)などもかゆみを引き起す食材です。
もちろん完全に食べないというのではなく、量や頻度を減らす、食べすぎないことが大切です。
ヒスタミン様物質を多く含む食品に要注意
かゆみを引き起こすのはヒスタミンという物質。
注意したいのは、ヒスタミン様物質を多く含む食品です。
「アレルギーを引き起こす原因にヒスタミンという物質があります。
食べ物の中には、このヒスタミンに似た働きを持つ物質を多く含んでいるものがあり、食べるとかゆみが生じやすくなります」
体内にアレルゲン物質が侵入したとき、それを排除しようとする際にかゆみを引き起こされるのです。
また、血管を拡張する作用がある食品も、かゆみを引き起こしやすいので同じように注意しましょう。
【かゆみを誘発する、気をつけたい食べ物まとめ】
1 サバ、サケ、イカ、エビ、 豚肉、そばなど
サバやサケ、イカ、タコ、エビ、アサリ、豚肉、そばなどにはヒスタミンと似た働きを持つ物質が多く含まれ、食べるとかゆみが生じたり、悪化しやすくなります。
2 たけのこ、ごぼう、なす、さといも、ほうれん草など
たけのこ、ごぼう、なす、さといも、ほうれん草、トマトなどにもヒスタミンに似た働きを持つ物質が多く、食べるとかゆみを誘発。
3 辛いもの
唐辛子やキムチ、カレーなどといった辛いものにも血管を拡張する作用があるため、かゆみが強くなることがあります。
4 アルコール
アルコールには血管を拡張する作用があり、発汗や皮膚のほてり感をもたらし、かゆみが生じたり、かゆみが悪化しやすくなります。
かゆみが出やすいときはヒスタミン様物質が多い食材に注意してください。
また生活習慣でも熱過ぎるお風呂に入ったり、長湯をするとかゆみが増強される恐れがあります。
逆に、かゆくてたまらないときは濡れタオルなどで肌を冷やすとかゆみが治りやすいそうです。ぜひ覚えておきましょう。
参考書籍
安部正敏(著)『皮膚科専門医が見た! ざんねんなスキンケア47 細胞科学が教える効果アップの肌ケア法』(学研プラス)
文/庄司真紀