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CATEGORY : ビューティ |ボディケア

【年末のボディリセット】医師に聞く、女性に多い巻き爪、陥入爪のケア法とは

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きれいな爪と足

ボディケアに熱が入るシーズン。これまで気に留めなかった爪の状態に、目が向く人もいるかもしれません。足指の爪は、体の小さなパーツですが、歩くときに足で地面をつかんだり、後ろに蹴ったりと、人間の動作に大きな役割を果たしています。“爪の健康”も、とても大事です。しかし、体の負荷がかかる場所だけに、トラブルも起こりやすいものです。フットケアに詳しい、埼玉県済生会川口総合病院皮膚科主任部長の高山かおる先生に、気をつけたい爪のトラブル「巻き爪」「陥入爪」の原因と予防について伺いました。

監修 : 高山 かおる

埼玉県済生会川口総合病院 皮膚科 主任部長
皮膚科専門医。フットケア、接触皮膚炎を専門とする。「100歳まで自分の足で歩ける社会づくり」を目指し、『足育研究会』を設立、代表を務める。『巻き爪、陥入爪、外反母趾の特効セルフケア』
(マキノ出版)など、フットケアに関連する著書も多数。

Contents 目次

爪の切り方や合わない靴で巻き爪に

爪のトラブルを示す赤いマーク

女性に多い爪のトラブルには、巻き爪(まきづめ)、陥入爪(かんにゅうそう)などがあります。

巻き爪からみていきましょう。

巻き爪とは?

巻き爪とは、爪の先がくるっと「C」の字のように内側に巻き込んでしまったり、ステープラーのように爪の両端が直角に折れ曲がってしまう状態をいいます。主に、足の親指に起こります。ふだんは痛みがなくても、長時間歩いたり、運動をすることで靴が当たると、痛みが出ることがあります。

巻き爪の原因

1.合わない靴をはくことで起こります
「日本の女性は、実際の足のサイズよりも大きな靴をはく傾向があります。ヒール靴の場合、大きな靴をはくと、“前すべり”が起こり、本来、“遊び”の部分である先端に足指が入り込んでしまい、靴の両側から爪が押されてしまいます。それによって、皮膚をはさみ込むように内側に巻いてしまうのです」(高山先生)

2.爪の切り方やネイルが影響します
「爪の先端や両端を短く切りすぎる“深爪”や、爪の両端の角を大きく斜めに切ってしまう“バイアスカット”も、巻き爪の原因になります。特に、バイアスカットは要注意。爪は線維構造をしています。布を斜めに切るとくるくるっと巻いてしまうように、爪も斜めに切ると、内側に巻いてしまいます。また、ジェルネイルやスカルプチャーネイルは巻き爪を悪化させる原因になります」(高山先生)

3.歩き方や足の変形も影響します
「歩くときに、足の親指でしっかり地面を踏み込み、体重をかけないと、爪は内側に巻いてしまいます。また、巻き爪は足指の親指が『く』の字に変形する“外反母趾”がある人にも多くみられます」(高山先生)

陥入爪は深爪が原因

足の爪を切っている女性

■陥入爪とは?
陥入爪は、爪が皮膚に食い込んで炎症を起こした状態です。痛みがあり、赤く腫れたりします。主に、足の親指に起こることが多いです。

■陥入爪の原因
「いちばんの原因は、深爪です。爪を短く切りすぎると、爪を切ってしまった部分の皮膚が盛り上がり、伸びてきた爪がそこにぶつかったり、食いこんだりして、傷をつくり、炎症を起こしてしまいます。また、爪の角を切るときに、爪の角がトゲのように残ることがあり、それが皮膚に突き刺さることで炎症を起こすことがあります」(高山先生)

■巻き爪と陥入爪の予防
「巻き爪も陥入爪も、正しく爪を切ることで、ある程度は予防できます。痛みがある場合、皮膚に食い込んだ爪を切りたくなりますが、爪が伸びてくるとさらに悪化するという悪循環に陥ります。まずは、爪の端を切りこまないことが予防・対策になります」(高山先生)

また、巻き爪の予防には、足に合った靴をはくことも大切。靴を買うときには、シューフィッターのいる靴店で、足のサイズをはかってもらい、サイズの合った靴を選んでもらう のもおすすめです。足に合った靴をはくことで、足の親指で地面を踏みしめるという正しい歩き方ができるようにもなります。

<爪の切り方のポイント>

爪の切り方のイラスト

こんな切り方はNG!

バイアスカット、スクエアカットのイラスト

巻き爪、陥入爪のセルフケアと治療法

爪をととのえようとしている足

「巻き爪、陥入爪で痛みがあるとき、自分でできる痛みをやわらげる応急措置として、コットンパッキング法とテーピングなどがあります」(高山先生)

●コットンパッキング法 ※爪先が2mm程度ある場合
<方法>
脱脂綿や不織布を米粒大に丸め、痛みのある爪と皮膚の間にはさみます。小さすぎると効果がなく、大きすぎると痛むので、何度か試して、ちょうどいい大きさに調整しましょう。

コットンパッキング法

●テーピング ※爪先が1 mm程度しかない場合
<方法>
痛みのある爪と皮膚の間をテーピング用のテープや絆創膏の力で広げ、痛みをやわらげる方法です。

テーピング法

1.2.5cm幅のテープを5cmの長さに切り、半分に折って切り込みをいれる。
2.切り込みから指の爪を出して、爪の端にかませ、余った部分を爪の根元側、爪先側に貼りつける。
3.左右の余った部分を引っ張りながら、足指の腹に巻きつける。

■医療機関での治療
フットケア治療に力を入れている皮膚科や形成外科などでは、手術だけではなく、巻き爪や陥入爪の保存的治療を行っているところがあります。

●巻き爪
爪の先の両端に穴をあけてワイヤーを通し、ワイヤーがまっすぐになろうとする力を利用して、爪が巻くのを防ぐ「超弾性ワイヤー法」などがあります。爪を矯正する治療で、爪が巻かないように生えてくるまで、1~2年がかかります。巻き爪は病気ではなく、基本は自費治療です。

●陥入爪
深爪や陥入爪には、爪の上にアクリル樹脂の人工爪をつけ、爪が短いことで起こる皮膚の盛り上がりや爪の食い込みを緩和させる「アクリル樹脂人工爪療法」などを行います。炎症がひどい場合は手術を行うこともあります。

爪の基本的なお手入れ

キレイにケアされた足先

「爪も日頃からのケアが必要です。巻き爪などの変形にも気づきやすくなります」(高山先生)

●よく洗う
「爪は、歯ブラシを使って、よく洗いましょう。ブラシ部分が大きく、毛のやわらかいものがおすすめです。爪と指の間、爪の側面、生え際などを石けんの泡をつけて、よく洗います。爪と指の間の古い角質を落として、臭いも防ぎます。
また、巻き爪があると、爪が皮膚を押すこと爪と皮膚の間の溝が深くなり、角質がたまりやすくなります。この歯ブラシを使って、よく洗うだけで、巻き爪が解消した人もいます。
ただし、洗い過ぎには注意。爪や指を痛めたり、乾燥の原因になります」(高山先生)

●クリームで保湿をする
「爪は乾燥して硬くなると、靴にぎゅっと押されたとき、変形が生じやすくなります。やわらかくしておけば、靴に押されても元に戻りやすくなります。爪をよく洗ったら、その後はクリームなどを塗って保湿をしましょう。爪先から根元に向かってマッサージをしながら塗るとより効果です。ワセリンやハンドクリームでOK。保湿効果の高い尿素、ヘパリン類似物質入りなどがおすすめです」(高山先生)

小さいけれど、大事な役割を果たしている足の爪。愛情を持ってケアしたいですね。

取材・文/海老根祐子 イラスト/クロカワユカリ

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