「主役は自分、服は自分を引き立たせるもの」というフランス女性に対して、日本では、「無難なものや流行りのもの」と判断する軸が“他人”になりがち。美容家の岩倉陽子さんは、フランス女性のファッション観に触れて、「日本で一般ウケする自分でいる限り、垢抜けないし、自分を活かせない」と思ったそうです。今回は、岩倉さんの著書『「美人」は、生まれつきではなく、テクニック』(SBクリエイティブ)から、自分らしいエレガントさをつくる洋服選びのコツをお伝えしていきます。
Contents 目次
自分の「好き」「ワクワク」を大切に
どんな基準で洋服を選んでいますか?
「服はあるのに着たいものがない…」。こういうことは誰しもあるのではないでしょうか。
岩倉さんがクローゼットの見直し始めたのは、やはり日本から出てからでした。
「フランスやアメリカの女性たちにとって、主役は自分、服はわき役。その考えに直に触れたとき、もう誰かのためにキレイになるのはやめようと思いファッションが急に楽しいものになりました」
無難なもの、変に思われないもの、流行りだから、ではなく、
自分の「着たい!」という気持ちを軸にする。
「フランスの尊敬する女性にこんなアドバイスをもらいました。それは、とにかく『あなたが心から、テンションが上がるものを集めていく感覚を大切にしてみてね』ということ。たとえば、SNSや雑誌、テレビを見ていても“いいな”とか“好き”と感じる女性のファッションがありますよね。そういう自分になったら、どんな気分かな?と想像してみるんです」
自分が何にワクワクするか知ることから。
それが、自分らしいエレガントさを形作ってきます。
一般ウケする自分を捨てる経験
日本にいる間は、男性にも女性にも好かれる、いわゆる「可愛い」ものが好きだったという岩倉さん。
「ふわふわのワンピースとか、前髪を作って小顔に見せるとか、正解を目指していろんなことをやっていました。でも、一般ウケする自分でいる限り、突き抜けられない、垢抜けない、その一般ウケする中で右往左往している自分がいました。
でも、いったん一般ウケをやめて、自分のよさを活かすことを流行よりも優先してみると、その突き抜けた部分を“いいね!”と言ってくれる人が現れるんです」
「日本だけに住んでいたら、“みんなにいいね!と言われたい”から抜け出せなかったと思う」と岩倉さん。
海外に一歩出てみて、いろいろな感性に触れ、「その人がその人らしく、自信を持っていれば、何を着てもいいんだ」とラクになったと話します。
ファッションは「2つの方向」で考える
具体的には自分がワクワクするものと似合うものからスタイルを作っていきましょう。
「まず、私は、“自分”を中心にしつつ、“ワクワクする”ものと、専門家や他者が“似合うね”と言ってくれるもの、この2つの方向を組み合わせるとよいな、と思っています」
似合うものを見極めることも大切ですね。
「自分を知る、分析するのはとっても大事。何が好きか?だけじゃなくて、何が似合うか?も含めて知っていくことです。今は専門家のサービスもたくさんあります。ファッションはメイクよりも理論が確立しているので、専門家に見てもらうと、ひとつ“これも似合うんだな”という武器が増えますよね」
この世で一番素晴らしい色は、あなた自身を輝かせる色
ベーシックなモノトーン以外にも、自分らしい色を発見するのもエレガンスにつながります。
「ココ・シャネルは、“この世で一番素晴らしい色は、あなた自身を輝かせる色”と言っていますが、フランスにいたときの私の友人で、季節を問わずずっとボルドー色の服を着ている人がいました。彼女いわく“ボルドーは秋に映える色という人もいるけどいいの。この色を身につけていると、元気になれるのよ。季節に関係なく私らしいカラーって感じかな”ということでした。そう言われて彼女を見ていると、不思議といつの間にか、ボルドーが彼女に似合う色になっているのです」
あなたにとって大切な自分らしいカラーはありますか。
あなたを輝かせる色の引き出しがあると、魅力がぐっと高まります。
自分で分析したり、複数の専門家にアドバイスをもらいながら、自分らしいスタイルを作っていきましょう。それが自分を何倍にも魅力的に見せてくれます。
文/庄司真紀
参考書籍
『「美人」は、生まれつきではなく、テクニック』(SBクリエイティブ)