お腹が空いていないのに、ついつい食べ過ぎてしまう…。そんなときは根底にストレスや怒り、不安などの感情がありませんか。太らない女優さんがもっている“やせメンタル”について著した演技指導師の鰐渕(わにぶち)将市さんは「感情と“やせメンタル”には密接なかかわりがある」と話します。著書『きれいな女優がやっている やせメンタルのつくりかた』から、感情を開放して過食を防ぐ方法を探っていきます。
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なぜイライラしているのか?
イライラして、ついお腹いっぱいなのに食べてしまうなら、まず始めに自分の感情がどこからくるのか考えてみましょう。
「1980年にアメリカの心理学者ロバート・プルチックが提唱した『感情の輪』という表があります。『喜び・信頼・心配・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待』という8つの基本感情をベースとしたモデルで、プルチック博士によれば、人の感情はすべてパターンに分類でき、それらはこの8つの感情から派生していると考えられます」(鰐淵さん)
「わかりやすい例を挙げれば、『不安』と『動揺』は似たような感情表現に思われるかもしれません。しかし、『不安』は『心配』 につながる感情で、『動揺』の根底にあるのは『驚き』の感情です。こうした構造を踏まえておけば、『不安』と『動揺』を表現しやすくなります」
このチャートを使えば、自分のイライラの理由が悲しみなのか、怒りなのか、嫌悪なのかを理解することができます。
「漠然としたイライラの正体がわかる。ダイエットではこれが重要です。得体の知れない感情が明確になるだけで、あなたは心を落ち着かせることができます。それはすなわち、やせメンタル獲得へとつながるのです」
体と感情を一致させる
生きていればさまざまなことがありますが、ストレスを感じても、その感情をなかったことにしていませんか。それが食べ過ぎ、飲み過ぎにつながることがあります。
「自分の心、すなわち感情と体が一致していないと、自分の心を表現できていない状態が続いて、知らず知らずにストレスをため込んでしまいます。人がイライラしてしまう理由は、ここにあると僕は考えています」と鰐渕さん。
「大人は感情を殺して生活することが日常になっています。それはある意味で必要なスキルですが、どこかで自分を解放しないとイライラが蓄積して、食べ過ぎや飲み過ぎにつながりかねません。すなわち、“でぶメンタル”です。人は本来、感情と体が一致しているものです。楽しいときは背すじが伸び、胸が開いている。逆に悲しいときは、猫背になり、肩が前に落ち込む。感情に素直な体をとり戻しましょう」
感情が出しきれないから、ストレスがたまり、その結果、食べ過ぎに。ついつい最後のひと口が多くなる場合は、意識していないところで何らかの感情がたまってきているのかも。
心を表情と声で表すことで、感情が解放され、それがやせメンタルになります。上辺だけではなく、筋肉を意識して、体と表情で心を表現してみましょう。
文/庄司真紀
参考書籍
『きれいな女優がやっている やせメンタルのつくりかた』(アスコム)