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1日3食は食べ過ぎ?! あっちゃんも実践&実感した”プチ断食”ダイエットで健康美を手に入れる♪

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冷蔵庫の前で迷う女性の画像

健康面の本にハマって勉強中というオリラジの中田あっちゃんに「一番の名著来たかな」と言わしめた『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)。この本に書かれた「プチ断食」に注目が集まっています。なかでも、女性にとってうれしいのは、皮下脂肪が燃えやすくなるというダイエット効果。食べることに制限をかけるのではなく、食べない時間を作るという意識づけを行っていくだけなので、気をラクにしてとり組むことができます。著者である医学博士・青木厚先生に、プチ断食の効果について伺いました。

監修 : 青木 厚 (医学博士)

医学博士。あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長。自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科などを経て、2015年、青木内科・リハビリテーション科(2019年に現名称に)を開設。糖尿病、高血圧、高脂血症、生活習慣病が専門。糖尿病患者の治療に本書の食事術をとり入れ、インスリン離悦やクスリを使わない治療に成功するなど成果を挙げている。自身も40歳のときに舌がんを患うも完治。食事療法を実践してがんの再発を防いでいる。ライザップの医療監修ほか、「行列のできる法律相談所」(日本テレビ)、「直撃!コロシアム!ズバッとTV」(TBS)などメディア出演多数。

Contents 目次

 

1日3食は食べ過ぎ?!

ご飯をよそっている画像

ふだん、皆さんは、1日に何回、食事をしていますか。朝・昼・晩の3食という人も多いことでしょう。しかし、「そもそも1日3食では、食べ過ぎ」と青木先生は指摘します。
「1日3食を食べるようになったのは明治時代以降。江戸時代までは1日2食だったと考えられています。現代の30~49歳女性の平均基礎代謝量は1170kcalです。運動などによって消費するエネルギー量を加えても1日の摂取カロリーは、1800~2200 kcalが妥当だと現在では考えられています。食後に眠気やだるさを感じることがあったら、食べ過ぎかもしれません」

食べ過ぎは、肥満だけではなく、体にさまざまな悪影響があるといいます。
「食べ過ぎが続くと、食べものの消化、吸収活動で内臓は休む間がなく、疲れてしまいます。栄養の吸収が悪くなり、老廃物をうまく排出できなくなることで、便秘、下痢、肌荒れの原因になります。また、活性酸素が増え、シミ・しわができやすくなる、免疫力が落ちるといった問題も起こります。ダイエットに関心のある女性にとって、いちばんの問題は、肥満の原因になることでしょう。1日の活動で使われなかったエネルギーは、皮下脂肪として蓄えられてしまいます」

プチ断食で、メタボリックスイッチを発動させよう

食べ過ぎで生じる問題から体を守りながら、肥満を予防する方法として有効なのが、プチ断食。ものを食べず、空腹の時間をつくることです。

「白米、パン、麺類などの炭水化物を主食とする食生活では、糖質がエネルギー源となる“ブドウ糖代謝”です。そして、最後にものを食べてから10時間以上たって、体内に食べものでとり入れた糖質がすっかりなくなると、今度は中性脂肪を分解して使う“ケトン体代謝”となります。この代謝の切り替わりを“メタボリックスイッチ”といいますが、プチ断食は、メタボリックスイッチを発動させ、ブドウ糖代謝からケトン体代謝に切り替わるため、脂肪が分解されやすくなり、減量効果が期待できるというわけです。空腹の時間が長くなればなるほど、脂肪の分解は進みます。同じエネルギー量を摂取しても、空腹時間がより長いほうが体重減少がみられたという報告もあります。プチ断食を行うことで、結果的に、だらだら食べることもなくなるため、1日に摂取する総エネルギー量も減るというケースも多く見られます」

12時間以上の空腹時間で発動し始める“オートファジー機能”

白と黒の時計が並んでいる画像

では、どれぐらいの時間、プチ断食を行えばよいのでしょうか。
「ケトン代謝に切り替わり、脂肪の燃焼が始まるのは最後にものを食べてから10時間経ってからですが、12時間以上は行いましょう」と青木先生。

「その理由は、空腹の時間が12時間を超えると、オートファジー機能が働き始めるからです。
人間の体は、食べものが入ってこなくなると、古くなったり、壊れたりした細胞内のたんぱく質を集めて、分解し、それらをもとに新しいたんぱく質を作る機能があります。つまり、古くなった細胞を内側から新しく生まれ変わらせる仕組みで、それがオートファジーです。

人間がストレス下でも生き残れるように、体内に組み込まれたシステムで、飢餓状態などに陥ったときにこそ、働きが活発化します。最後にものを食べてから12時間経つとこの機能が働き始め、16時間経つ頃には、オートファジーがしっかりと働きます

プチ断食の効果を表す図

オートファジーがしっかりと働くことで、老廃物が一掃され、細胞や組織、器官の機能が活性化するため、健康で若々しい体になります。女性には、美肌効果が期待できるでしょう。また、病原菌をやっつける機能もあり、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症にも強くなります」

空腹の時間は、消化器官である腸が休まることで、腸内環境がよくなり、便秘やそれに伴う肌荒れが改善することもあります。
ダイエットになって、しかもキレイにもなれるプチ断食。日常にとり入れてみたいですね。

“プチ断食”はガマンせず、習慣の一部にするつもりで

アーモンド画像

「オートファジー機能がしっかりと働くのは空腹時間が16時間に達する頃ですから、できれば16時間のプチ断食を目標にしたいところです。けれども、始めは、10~12時間の空腹時間を作るところから始めるのがよいでしょう。

10時間のプチ断食でも、ある程度の減量効果は期待できますが、オートファジー機能が発動する12時間のプチ断食から始めるほうが“夜8時から朝8時まで食べない”など、時間の管理もしやすいのでおすすめです。

12時間の空腹時間をつくるというと、大変そうな気もしますが、睡眠時間を組み込めばラクに実践できます。たとえば、8時間睡眠の人であれば、睡眠の前後2時間を食べない時間にすればよいのです。やり方としては、朝食を抜くというイメージです。プチ断食中でも、ヨーグルトやチーズ、生野菜、ナッツ、血糖値が上がらないものなら、食べてもOKです。

もちろん、10時間のプチ断食から16時間のプチ断食へと、徐々に空腹時間を延ばしていただいてもかまいません」

プチ断食を行ううえで大切なのは、「目標体重や期間を決めないこと」と青木先生はアドバイスします。
「ムリやガマンはだめです。つらいと感じたら、どこかにムリがあるのです。継続は力なりで、プチ断食は、続けることが大切。夜に会食がある日や、旅先の旅館でおいしい朝ご飯が出たときは、空腹時間にこだわらず、食べてもかまいません。できる日にやればいい、という軽い気持ちでトライしてください」

平日は、空腹が気になって仕事に集中できない、という人は、週末に1日だけ行うという方法でもOKです。
「毎日、続けたほうが効果は大きいですが、1日でも空腹の時間を作れば、それだけ脂肪も分解され、オートファジーも働きます。週末にたまった脂肪と疲れをリセットするという感覚でとり入れてもいいでしょう」

ここでは12時間のプチ断食の例と、オートファジーがしっかり働く16時間のプチ断食の例を紹介します。オフィスワーカー、学生、主婦など、主に日中に活動している人が始めやすいタイムスケジュールです。

〈空腹時間の設定の仕方(例)〉

スケジュールイラスト画像

【12時間のプチ断食(前日20時~翌朝8時)の場合】
起床時間:7時
朝食:8時
※好きなものを食べてOK
昼食:12時
※好きなものを食べてOK
夕食:19時
※好きなものを食べてOK
就寝:24時

【16時間のプチ断食(前日20時~翌昼12時)の場合】
起床時間:7時
朝食:なし
※何も食べずに出社するのがつらいときは、ヨーグルトやナッツを朝食代わりに食べましょう。
昼食:12時
※好きなものを食べてOK
夕食:19時
※好きなものを食べてOK
就寝:24時

空腹時間の間は、飲みものはできるだけノンカロリーのお茶などがおすすめ。ただ、お酒を飲む場合は、糖質が入っていないウイスキーなど蒸留酒がおすすめです。

シフト勤務で夜勤がある人は、睡眠時間(8時間)+前後4時間というルールで実行します。
体調が悪いときはやめるなど、プチ断食はムリのないように行っていきましょう。

くじけそうになったら?! プチ断食を続けるためのQ&A

斜め上を向いている女性の画像

どうして、目標体重や期間を設定してはいけないの?

プチ断食は、続けることが大切です。「2週間だけ頑張る」「3kgやせるまで続ける」など目標を決めると、ムリをしたり、ガマンすることが出てきてしまい、かえってその反動でドカ食いを招いてしまうこともあるからです。空腹時間をつくることは、健康によいことです。便秘が解消され、体も軽くなるでしょう。そうした快適な状態を空腹の時間が招くということを、感覚として体が覚えることを目指しましょう

空腹の反動で、ドカ食いしてしまいそうで心配。どうしたらいい?

空腹の反動で食べてしまうのは、どこかでムリをしているからです。空腹時間に、ナッツやヨーグルトなどは食べてもOKです。ゆるっとした気持ちで行ってください。

ナッツやヨーグルトを食べてもいいのは、なぜ?

空腹時間は、水以外のものをとらないのが理想です。しかし、お腹がすいて仕方ない、というときもあるでしょう。そんなときは、低糖質のものは食べてもOKとしています。たとえば、素焼きのナッツ、ヨーグルト、生野菜、根菜以外の具を入れたみそ汁、スープなどです。おすすめは、ナッツ。腹持ちもいいため、少量で満足感がありあります。また、栄養価も高く、不足しがちなビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。

たとえば、ピスタチオ、クルミ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツには食物繊維、抗酸化作用のあるビタミンE、脂肪の燃焼を促すビタミンB2、亜鉛、カリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。アーモンドにも、食物繊維、ビタミンE、鉄分が多く含まれています。ナッツに含まれる不飽和脂肪酸がオートファジーを活性化させることが研究でわかっています。ナッツやヨーグルトをじょうずにとり入れて、“食べない時間=ガマンする時間”にならないように工夫しましょう。プチ断食に慣れてくれば、こうしたお助けフードも必要としなくなってきます。

プチ断食が終わった時間帯は何を食べてもいいの?

何を食べるのも自由です。ケーキやお菓子はNGといった制限はありません。まずは、空腹の時間を習慣にすることが大事。ムリやガマンをすると続かなくなってしまいます。

月経前になるとイライラして食べてしまう。そんなときはどうすればいい?

女性ホルモンの影響で、女性は体調に波があります。月経前などにイライラを感じて、食べてしまうようなら、その時期はプチ断食をお休みしてもかまいません。体調がよくなって、快適に過ごせるようになってから再開しましょう。

プチ断食中に運動をしてもいいの?

プチ断食の欠点は、食べる量が減ることで、筋肉量が低下してしまうことです。運動はぜひ行いましょう。おすすめは、階段の上り下りです。有酸素運動と下半身の筋トレになります。通勤など移動の際には、積極的に階段を使いましょう。ちょっとした空き時間に、ウォーキングをしたりするのもいいでしょう。ただし、減量効果を高めるには、食後のタイミングで運動するのが最適です。また、空腹中に運動をすると、オートファジーが活発化すること、動かした部分の筋肉にオートファジーが起こりやすくなることがわかっています。

日常の中に「空腹の時間」を作る“プチ断食”。
ダイエットというと、目標をしっかり設定しすぎてしまい、「今日はできた」「今日はできなかった」と、その日その日の調子で一喜一憂しがちですが、“プチ断食”は、ゆるっとした気持ちを大切にし、空腹の快適さを体得することを目指していきましょう。

文:FYTTE編集部  イラスト:クロカワユカリ

参考書籍
『「空腹」こそ最強のクスリ』(アスコム)

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