「グルテンフリー」という言葉、よく聞きますね。欧米ではかなり浸透した考え方のようですが、日本はまだまだ遅れているとも言われています。でも、いったいグルテンフリーって何? じつは詳しいことがイマイチわからないという人も多いはず。グルテンフリーライフ協会のフォーブス弥生さんに教えていただきました。
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まずは正しいグルテンフリーの知識から
最近では少しずつ耳にするようになった「グルテンフリー」や「グルテンフリーダイエット」ですが、そもそも「グルテンフリーダイエット/ Gluten Free Diet」とは何でしょうか。
まず「グルテン/ Gluten」とは、小麦やライ麦、大麦に含まれるたんぱく質の一種です。パンやケーキなどのもちもち感を出したり、膨らませたりするのに関係しているのがこの成分となります。
日本で古くから使用されている食材では、お麩があります。お麩の原料はグルテンとなり、小麦粉に水を加えて練り、寝かせたあとデンプンを洗い流して抽出したものがグルテンです。
次に「フリー / Free」には、日本語では、~が含まれていない、~を除いた、という意味があります。最後に「ダイエット / Diet」ですが、日本では痩せるという意味で多く使われていますが、通常、欧米では、食事、食生活、食習慣という意味となります。
つまり、「グルテンフリーダイエット/ Gluten Free Diet」とは、グルテンが含まれていない食生活・食習慣ということになります。
このグルテンフリーですが、欧米では最初、グルテンに関する疾患(グルテン過敏症やセリアック病)向けの食事療法でしたが、体調が優れない人が同様の食事療法を行ったところ、体調や肌状態の改善などが顕著に現れたことで、一般の人々の間にも新しい食生活として広がってきました。
実際に、アメリカの市場調査会社Mintel(ミンテル)が行ったグルテンフリー食品の購入理由による調査によると、「健康的である」65%、「減量」27%、「炎症」7%という結果になっています。つまり、グルテンフリーはいまや疾患向けの食生活と言う枠を飛び越えて、漠然とした体調不良を抱える人がそれを改善したり、健康な人がさらに健康になり、パフォーマンスを進化させるために実践する新習慣になっているのです。
アスリートやセレブなど特別な人がやっているイメージのグルテンフリー
また海外ではスーパーモデル、ハリウッドスターや政界、国内でも芸能界・スポーツ界にも広がりつつあるグルテンフリーですが、これらの一流と呼ばれる人たちがこぞって重要視しているのが“パフォーマンスの改善”です。運動能力の向上はもちろんのこと、思考力の変化・集中力の高まりなど、体とメンタル、頭脳に与える影響も圧倒的に指示されている理由のようです。
実践した多くの人が証言するのは、食事を変えたことによって、気分が前向きになり、心身にエネルギーが満ちている感覚になるということです。ひとつのことに集中でき、ふだんから平常心で過ごせるようになります。世界の舞台で活躍し続ける彼らが、いかに食事に気をつかい、日々の体と心を健康的に保ち続けることに熱心なのか、グルテンフリーの広まりから感じ取ることができます。
しかし一方では、一流の人がグルテンフリーのよさを熱心に語るたびに、「私たちとは違うから」と遠い話のように感じてしまいます。たしかに、小麦粉食品は安価です。菓子パンやパスタ・ラーメン、ピザでお腹いっぱい食べれば満足感も得られます。小麦抜き生活は、よさそうだから、やってみたい。でも「お金がかかる」「面倒くさい」「手間がかかる」「つらい」「大変」「おいしくない」というマイナスイメージがあり、一歩踏み出せない人が多いのも事実です。しかし、コツさえつかめば、非常に簡単に実践できますよ。