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やせているのに脂肪が多い!「スキニーファット女子」の特徴と改善策

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やせているのに脂肪が多い!「スキニーファット女子」の特徴と改善策

これまでとくに運動をしなくてもダイエットとは無縁の生活をしてきて、周りから「スリムだね」と言われてきた女性のみなさん! じつは体重やBMIの数字が平均値やそれ以下でも、肥満の可能性があるってご存じでしたか? ここ最近、若い女性に多い現代型肥満として、医師が警鐘を鳴らしている「スキニーファット」について、立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡先生にお話を伺ってきました。

監修 : FYTTE 編集部

ダイエット専門誌として1989年に雑誌創刊し、2016年よりWEBメディアに。ダイエットはもちろんのこと、ヘルスケア、ビューティなど体の内側からも外側からも美しくかつ健康でいるための体づくりのノウハウを、専門家への取材とともに紹介。“もっと、ずっと、ヘルシーな私”のキャッチフレーズとともに、編集部員も自らさまざまなヘルシーネタを日々お試し中!

Contents 目次

やせ型なのに脂肪が多い「スキニーファット」って?

「スキニー(skinny=やせている)」と「ファット(fat=太っている)」という、相反する単語を組み合わせた「スキニーファット」とは、「見た目はスリムなのに、脂肪が多い人」という意味で使われています。もっと具体的に表すと、肥満度を表す指標のBMI(体重kg÷身長mの2乗)が18.5~25未満と、やせ型~普通※の範囲内にも関わらず、筋肉量が少なくて脂肪が多い人のことを指しています。※出典:日本肥満学会の判定基準

「スキニーファット」になるいちばん大きな理由は、筋肉量の低下です。
筋肉は活動をするために必要な臓器というイメージがあると思いますが、最近の研究では、代謝をつかさどる大切な臓器であることがわかっています。基礎代謝と呼ばれる、1日のなかで何もしなくても消費するエネルギーの大きな割合を筋肉が占めているので、ダイエットなどで食事からエネルギーの摂取量を減らしてしまうと、筋肉が真っ先に落ちて、基礎代謝も落ちてしまいます。その結果、脂肪が増えて太りやすく、やせにくい体になってしまうのです。

食事で摂取した糖質の8~9割は筋肉に蓄えられるのですが、筋肉量が少ないと行き場がなくなった糖質が肝臓で脂肪に変換されてしまいます。食事制限も筋肉を減らして脂肪を増やすことになります。食事から十分な量のエネルギーが摂取できないと、不足分を補うために筋肉が分解されて、筋肉量が減ってしまうという仕組みです」(藤田先生)

スキニーファットは、なかなか見た目にはわかりにくいため、自覚症状があまりないことが問題のひとつとされています。

「やせ型なのに二の腕が簡単につまめたり、下腹が出てきた、お尻が垂れてきたという人は要注意です。一見やせて見えても、お腹のなかは内臓脂肪がぎっちりつまっていた、という状態になっている可能性が高く、そういう人は糖尿病や心疾患などのメタボリックシンドロームのリスクが高いです。
また、筋肉のもととなるたんぱく質不足も問題です。たんぱく質は20種類のアミノ酸で構成され、筋肉や骨、臓器、血液、皮膚、髪の毛、爪、ホルモン、酵素など、体のあらゆる組織を作る材料。筋肉などの組織は、古くなると壊して新しく作り変える必要がありますが、たんぱく質は基本的に体内に貯めておくことができないため、食事から常に補う必要があります。たんぱく質が足りていないと、免疫力が低下して感染症にかかるリスクが高まるほか、肌や髪、爪などの健康も損なわれてしまいます」

●スキニーファットの問題点はここ!
・筋肉が少なく、代謝が下がる→太りやすくやせにくい体になる
・メタボリックシンドロームになりやすい→糖尿病や心疾患の病気につながる
・免疫力の低下→感染症のリスクが高まる
・たんぱく質不足→肌や髪の毛、爪が栄養不足に

もしかして私もスキニーファット⁉ 今すぐ現状をチェックしよう!

ここまでの話を聞いて、「もしかしたら私もスキニーファットかも……」と気になっている人も多いのでは? そこで、下記のチェック表を使って、現状を確認しましょう。

スキニーファットの改善策を知ろう!

上記のチェック表で、自分がスキニーファットやその予備軍と判明した人は、さっそく生活の改善を図りましょう。スキニーファット対策には、筋肉をつけることが重要です。

「筋肉をつけるには、筋肉量が減る要因になっている運動不足とたんぱく質不足を補うことがポイントです。最近の研究によると、運動習慣の有無に関わらず、たんぱく質を摂取することで筋肉量が相関関係的に増えていくことが明らかになっています」

 ◎たんぱく質をしっかりとろう! 
「とくに女性は、朝食はもちろん、ほとんどの場合昼食でもたんぱく質をプラスでとる必要があります。1回の食事で必要なたんぱく質摂取量は、“体重×0.4g”です。体重50kgの女性であれば20g以上とるのが理想と言えます。
たとえば、朝食ならゆで卵1個(60gの場合/たんぱく質7.7g)、牛乳コップ1杯(200cc/たんぱく質6.8g)、食パン6枚切り1枚(60g/たんぱく質5.6g)、ロースハム1枚(10g/たんぱく質1.7g)で十分な量がとれます」

 ◎おすすめはヨーグルト 
「たんぱく質を摂取するために、個人的におすすめしているのがヨーグルトなどの乳製品です。乳たんぱくには、たんぱく質のなかでも筋肉を作るスイッチを入れる働きを持つ『ロイシン』というアミノ酸が多く含まれています。また、食品からとらなければならない9種類のアミノ酸「必須アミノ酸」がバランスよく含まれています。加えて、ヨーグルトは、洋食にも和食にも合わせやすいのでおすすめです」

 ◎たんぱく質はちょこちょこ食べるのが賢明 

朝は食べたくないから、忙しくて食べる時間がないから昼食や夕食にお肉や魚のたんぱく質をまとめてたくさんとればいいのでは?と考える人もいるかもしれません。しかし、その食べ方では問題があると藤田先生はいいます。

「たんぱく質は必要な分だけ使われ、基本的に余った分は尿として排出されます。ですが、余ったたんぱく質は糖質や脂肪に変換され、肥満の原因になることも。なので、たんぱく質は朝、昼、晩の3食で均等に摂取するのが理想的です。また、間食にたんぱく質の多いものを食べるのもおすすめです。とくに昼食から夕食までの時間は、血糖値が下がり、空腹感を感じがちに。たんぱく質の多い食べものには、満腹感が持続するものが多数ありますが、なかでもヨーグルトなどの脂質が少ない食品はダイエットの観点からも罪悪感なしに食べられます。なので、間食に食べるおやつという点でも、たんぱく質が含まれているものをちょこちょことるのがおすすめです。これまでたんぱく質が足りていなかった人は、食生活を変えるだけで2~3か月後には体の変化が実感できると思います」

 ◎運動は活動量を増やして習慣にしよう 
一方で、効果的に筋肉量を増やすには、運動を習慣にすることも重要に。

「これまで運動習慣がない人は、生活の中での活動量を増やすことが大切です。エスカレーターではなく階段を使うとか、散歩に行く時間を作るなど、積極的に動く場面を増やしましょう。
歩数が減るだけで筋肉量が減ることがわかっており、たとえば1日8000歩ほど歩いていた人が、1日2000歩しか歩かない生活を2週間続けると、3か月のトレーニングに匹敵する筋肉量が減ったという研究もあります。
ほかにも、急にハードルが高い運動をするのではなく、お茶を入れるとき1回でも2回でもいいからスクワットをするようにするなど、日常の生活習慣と合わせて、これくらいだったら確実にできるという運動を行うこともおすすめです。一度に20回とかではなく、ムリのない回数にしてください。習慣化できると体力もついてきて、回数は自然と増えていくので、ムリをしないこともポイントです」

編集部おすすめ! 朝食&間食にとり入れたいたんぱく質チャージ食品

たんぱく質が不足しがちな朝食や、ムリなくとり入れやすい間食に、気軽においしくたんぱく質がとれる編集部おすすめのアイテムを4つご紹介します!

「TANPACT ギリシャヨーグルト 甘さひかえめ」(明治)

濃厚な無脂肪ヨーグルトに、カラダをつくる乳たんぱくが10gも入っているほか、皮膚の健康維持などに働くビタミンB6を配合。ほんのりとした甘さで食べやすいのに脂質は0gなのも魅力。種類が多いヨーグルトは、たんぱく質が多く、脂質や糖質が少ないものを選ぶのがポイントです。
110g 60kcal \¥140(税別)

<詳しくは商品サイトをCheck!>
https://www.meiji.co.jp/products/brand/tanpact/

「BODY STAR プロテインスナック(うすしお味)」(おやつカンパニー)


1袋(43g)でたんぱく質が20gも手軽にとれてしまう、高たんぱくの大豆スナック菓子。大豆の風味も楽しめるあっさりとしたうすしお味のほか、パンチのきいたコンソメ味やスパイシーなバーベキュー味もラインナップ。おやつはもちろん、お酒のおつまみにも最適。
1袋/43g 179kcal 参考小売価格\¥160(税別)

<詳しくは商品サイトをCheck!>
https://www.oyatsu.co.jp/product/bodystar/protein-snack/

「さかなのかわり ソーセージ」(ニッスイ)

※2021年9月1日からパッケージが変わります(写真は新パッケージ)
1本(75g)で、真いわし1匹分※の栄養素(魚肉たんぱく質7.7g、カルシウム88mg、EPA+DHA660mg)が摂取できる魚肉ソーセージ。そのまま食べられるので、魚の皮や骨が苦手な人や、魚の調理が面倒な人にも、魚のおいしさや栄養が手軽に味わえる、まさに「魚のかわり」になる商品。
※日本食品標準成分表2015年版(7訂)より、真いわしの可食部40%(廃棄率60%)に相当する3栄養素をソーセージ1本に配合

75g×3本入り 1本(75g)当たり105kcal

<詳しくは商品サイトをCheck!>
https://www.nissui.co.jp/product/00830.html

「マッスルスープ 黒胡麻風味」(松原食品)

体作りをサポートしてくれるプロテイン粉末スープ。1食分には、たんぱく質10gのほか、シールド乳酸菌®が100億個、植物由来の水溶性植物繊維のイヌリア®、運動をサポートするMTCオイルを配合。牛乳で割って飲むと、濃厚でまろやかな黒胡麻ラテの味わいが楽しめます。
1人前34g×2食入り 1食(34g)当たり146kcal \¥432(税込)

<詳しくは商品サイトをCheck!>
https://store.shopping.yahoo.co.jp/soupshop/

日常的にこまめにたんぱく質をチャージして、スキニーファットではなく、健康的で美しい体作りを心がけていきましょう!

<PROFILE>
藤田聡
立命館大学 スポーツ健康科学部教授。2002年、南カリフォルニア大学大学院博士号修了。博士(運動生理学)。2006年、テキサス大学医学部内科講師、2007年、東京大学大学院新領域創成科学研究科特任助教を経て、2009年より立命館大学。米国生理学会(APS)や米国栄養学会(ASN)より学会賞を受賞。専門は運動生理学、特に運動や栄養摂取による骨格筋の代謝応答。監修本に『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』(日本文芸社)、共著に『体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学』(市村出版)など。

イラスト/香川尚子 文/奥沢ナツ

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