CATEGORY : ダイエット |食べる
ボディメイクの味方に!筋トレ効果アップ&免疫力を左右する「機能性アミノ酸」
ボディメイクをするうえで、トレーニング同様に意識したいのが、体にとり入れる栄養素やその成分。なかには、運動パフォーマンスを上げてくれたり、免疫のバランスに関わる“機能”をもった栄養成分も。コンディショニングトレーナーの桑原弘樹先生に、「機能性アミノ酸」のBCAAとグルタミンについて教えていただきました。
Contents 目次
三大栄養素のそれぞれの役割
私たちは、三大栄養素である「糖質」「脂質」「たんぱく質」がないと生きていけません。
これらの三大栄養素は、全てエネルギーを持っています。そして、糖質と脂質はエネルギー源、たんぱく質は主に体の材料として、それぞれの役割があります。
そんな三大栄養素のそれぞれの機能が十分に発揮されるためには、 “バランス”が究極の肝。
そのための理想的なエネルギー比は、
糖質:50~60%、脂質:25%以下、たんぱく質:15%以上
と言われています。
「ボディメイクの上では、たんぱく質が体の材料として使われることが大事。そのためには、糖質と脂質がそれぞれエネルギーとしての役割をまっとうしてくれないといけません。
ダイエットのために必要以上に糖質や脂質を抜くことで、本来、体の材料として使われるはずだったたんぱく質がエネルギーとして使われてしまうのです」(桑原先生)
機能性アミノ酸「BCAA」と「グルタミン」って?
また、たんぱく質は全20種類のアミノ酸によってできています。そのうちの9種類は自分の体ではつくることのできない必須アミノ酸。今回はそんなアミノ酸の中から、機能性アミノ酸である「BCAA」と「グルタミン」について詳しく教えていただきました。
BCAAとは、3種類の必須アミノ酸「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」の総称。BCAAは、筋肉の中にとり込まれることでその機能を発揮します。
このBCAAの一体どこがすごいのかと言うと、
(1)糖質+脂質以外にエネルギーとして活躍する
このエネルギーは乳酸をつくらない
(2)筋肉に刺激がいくようになり、筋肥大しやすくなる
(3)集中力がアップ!
といった特徴的な機能をもっている点。
「ランニングや水泳など持久系の運動は、乳酸が溜まることで動きにくくなり、パフォーマンスが下がります。ですが、BCAAのエネルギーは、乳酸をつくらないので、パフォーマンスアップに繋がるのです。
また、BCAAが足りない状態で運動をすると筋肉が分解されてしまいますが、逆にしっかり補充されている状態では、筋肉に刺激がいき、筋肥大しやすくなります。運動量や時間、強度によっても異なりますが、BCAAは最低でも4g程度とり入れるのがオススメです」
では、「グルタミン」とはどのような機能性アミノ酸なのでしょう。
「グルタミンはBCAAと違って、体内でも合成することができ、たんぱく質系の食材など食べものからも比較的とり入れやすいアミノ酸です。
そのため、体内に存在する遊離アミノ酸のなかでは、全体の60%も占めるほど。
そんなに大量にあるなら大事じゃないんじゃない? と思うかもしれませんが、
大量に存在するのはそれだけ体内で使われるものだから、体でつくることができるのは、なくなったら困るものだから、とも言えるわけです」
では、グルタミンが減ってしまうと体にどんな影響があるのでしょう。
「体の中でつくることができる11種類のアミノ酸は、グルタミンが仲介役となってつくられているため、グルタミンが減ることでそれらをつくる効率も落ちてしまいます。
また、体の中で大量にエネルギーを消費する場所が脳と小腸。
脳がブドウ糖をエネルギー源にしているのに対して、小腸のエネルギー源はグルタミンです。小腸は栄養と細菌の入り口であり、免疫細胞が多く集まっている場所。そのため、グルタミンが足りないと免疫細胞が元気にならず、免疫が落ちてしまうことにもつながります。
例えば、体のためにやっているエクササイズやトレーニング、ランニングなどをすることでも、体内のグルタミン濃度はグッと減ります。このような体への負荷やストレスに対して、グルタミンは総動員で免疫細胞を元気にするため立ち向かっているのです。
そうして、グルタミンが足りなくなったとき、発熱したりしんどくなったりと体がギブアップします」
BCAAは筋肉をつけたい、運動パフォーマンスを上げたいなど、ポジティブにとり入れる機能性アミノ酸ですが、グルタミンは私たちが最低限の当たり前の状態でいられるためにとり入れたい機能性アミノ酸。
常に体内でグルタミン濃度が下がらないように、運動をする前にはグルタミンをとり入れてみてはいかがでしょう。
文/FYTTE編集部