オートミールの人気が続いています。背景には、オーツ麦、ライ麦パンなど全粒粉の穀物を使った食品のヘルシー効果が注目されていることもあるよう。そうしたなか、海外の研究から食物繊維の多いライ麦製品を12週間摂取すると、体重や体脂肪の減少が報告されています。全粒粉の効果を知るヒントになりそうです。
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全粒粉でやせることができる?
全粒粉の食品は食べるほどにBMIや体脂肪が減らせるという研究結果もあり、フィットネスやダイエットでは欠かせない食材になっているといってもいいでしょう。そんな全粒粉の原料となる穀物のなかでもライ麦は食物繊維がもっとも豊富で、精製された小麦と比べて、満腹感が得られやすいと報告されています。
高繊維質のライ麦食品を含む食事は精製小麦製品を含む食事と比較して、最大8時間の満腹度の増加が示されています。今回、スウェーデンのチャルマース工科大学の研究グループはライ麦製品を摂取することで、カロリー制限を行った場合の体重や体脂肪の減少に影響するのかを確かめています。対象としたのは、BMIが27~35の太りぎみから肥満の男女242人。低カロリー食を続けてもらい、2つのグループにランダムに分けて、一方はライ麦製品を多く摂取してもらい、もう一方は精製された小麦を多く摂取してもらいました。そのうえで、体重や体組成などへの影響を比べました。
体重の減少が顕著に
こうした研究の結果、12週間後にライ麦グループのほうが体重も体脂肪も減っていることがわかりました。具体的にはライ麦グループの体重で平均1.08kg、体脂肪で平均0.54%の減少でした。なお、体の炎症反応を反映するCRPという検査値もライ麦グループのほうが28%低くなっていました。主観的に回答してもらった食欲や心血管の病気に関連した検査値は差がありませんでした。
ランダム化比較試験という偏りの少ないとされる研究で示された結果となりますから、ライ麦を摂取することで体重や体脂肪を減らせるというのは、たしかだといえそうです。ふだんの食生活のなかで、一般的なパンの代わりにライ麦パンなどをとりいれることで、体型を効率的に変えていくことができるかもしれません。
<参考文献>
Iversen KN, Carlsson F, Andersson A, Michaëlsson K, Langton M, Risérus U, Hellström PM, Landberg R. A hypocaloric diet rich in high fiber rye foods causes greater reduction in body weight and body fat than a diet rich in refined wheat: A parallel randomized controlled trial in adults with overweight and obesity (the RyeWeight study). Clin Nutr ESPEN. 2021 Oct;45:155-169. doi: 10.1016/j.clnesp.2021.07.007. Epub 2021 Jul 24. PMID: 34620312.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34620312/