抗酸化成分や食物繊維、不飽和脂肪酸が豊富なアボカド。美容・健康効果についてはいろいろな研究結果が出ていますが、このたび、ふだんの家族の食事にアボカドをたくさんとり入れると、全体的に摂取カロリーが減るだけでなく、炭水化物や肉類、飽和脂肪酸、塩分などの摂取量が減って、ヘルシーな食事になるという報告がありました。
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ヒスパニック系の家族で検証
これまでのアボカドの研究では、内臓脂肪やコレステロールなどメタボや病気につながるリスク要素について個人を調べた研究が多数ありました。一方でハーバード大学など米国の研究グループによる今回の研究は、家族全体の栄養状態に目を向けたユニークな研究です。特に米国においてほかの人種・民族系の人々と比べて肥満率が高く、栄養分の構成が偏っているといわれるヒスパニック系の家族を研究対象に選びました。
毎日の食事にヘルシーな食品をひとつ加えるという簡単な方法で、栄養状態が改善されるかどうかを検証。ヒスパニック系の人たちは伝統的にアボカドに親しんでいますから、ぴったりの食材です。病気の人がいない72家族を2つに分けて、一方にはふつうの量(週に3個)、もう一方にはたくさん(週に14個)のアボカドを6か月間食べてもらい、栄養状態の変化を比較しました。栄養豊富とはいえアボカドは高カロリーですから、ヘルシーなとり入れ方など栄養についても隔週で勉強してもらいました。
摂取カロリーが大きく低下
一連の研究で確認されたのが、アボカドを食事にたくさんとり入れたグループは、カロリー摂取量はもちろん、炭水化物、肉類などのほか、あまりヘルシーではないと指摘されている飽和脂肪酸や塩分が減ったことです。特にカロリー摂取量は、自己申告ですが1家族あたり1日およそ30%も減少しました(ふつうの量のグループは3%減)。同時にカルシウムやマグネシウム、カリウム、鉄、ビタミンDも減りましたが、これは食事の量が減ったせいと考えられ、摂取カロリーを合わせて分析すると、食物繊維、不飽和脂肪酸、カリウム、ビタミンE、葉酸が増えました。
研究グループは、特に脂肪と塩分が多いとされる加工肉の摂取量が減った点や、豊富な食物繊維のせいで満腹感が持続する点などを指摘。アボカドを食事にとり入れることで、飽和脂肪酸と塩分を減らして栄養状態を改善できる可能性があると結論づけています。
<参考文献>
Havacado or Two. Study Finds Eating Lots of the Fruit Hass Public Health Import
https://ucsdnews.ucsd.edu/pressrelease/havacado-or-two-study-finds-eating-lots-of-the-fruit-hass-public-health-import
Pacheco LS, Bradley RD, Denenberg JO, Anderson CAM, Allison MA. Effects of Different Allotments of Avocados on the Nutritional Status of Families: A Cluster Randomized Controlled Trial. Nutrients. 2021 Nov 11;13(11):4021. doi: 10.3390/nu13114021. PMID: 34836276; PMCID: PMC8623192.
https://www.mdpi.com/2072-6643/13/11/4021
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34836276/