きっとこの記事を読んでいる人の多くが「ダイエットにザセツした経験」を持っているのではないでしょうか?
ダイエットに限らずですが、過去の失敗やザセツがトラウマになってしまっていると失敗をくり返すことになります。こういった悪循環のパターンはよくあるのです。そこで今回は、多くの人がハマってしまう『思考が悪循環に陥る』メカニズムについてと、そこから抜け出すコツをご紹介します。
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人は「考えないように」と思うとむしろそのことばかり考えてしまう生き物
一度思考のループが始まると、多くの人は意識しても止めることが難しくなります。どんな単純なことでもです。ここでひとつテキサス州で行われた有名な心理学の実験をご紹介しましょう。
とても単純な実験で「5分間白クマについて“考えない”でもらう」だけです。白クマについて、もし少しでも考えてしまったら、ベルで自己申告してもらいます。その結果…多くの人が数分以内にベルを鳴らしました。1度でなく、何度もベルを鳴らした人がほとんどでした。そして、実験後「何を考えてもいいですよ」と言われた途端、ここぞとばかりに白クマについて考えはじめました。
その後も数々の実験が行われ、「“考えてはいけない”と考えることで、リバウンド効果が起きてしまう」ことが明らかになりました。これをダイエットに置き換えていきましょう。
よくあるのが、「食べちゃいけないと考えた結果、逆に食べ物のことで頭がいっぱいになる」ケースです。上記の実験にもあるように、考えないように努力することは非常に難しいのです。考えないようにするのではなく、別のことに気をそらすことがオススメです。また、何か集中できるものがあるとそちらに気をそらせます。ゲームや読書などで構いません。自分の注意が向きやすいアイテムを普段から準備しておくこと良いでしょう。
メンタル状態によって、悪い考え方はループする
また、過去にダイエットがうまくいかなった、リバウンドしてしまった経験がある人は、その失敗について考えてしまうことがあると思います。とくに暗い気持ちの場合、失敗の気持ちが増幅しやすくなることがわかっています。ここでさらに2つ、心理学の実験をご紹介したいと思います。
普通の精神状態の人たちを集め、今の気分について8分間、考えてもらいました。この時、気分が普通もしくは良い人は問題なく8分間終えました。しかし、たまたま悲しい気分でいた人は、その悲しい気持ちが8分間でさらに大きくなってしまったのです。
また別の実験では、抑うつ傾向の学生を集め[認知療法をするグループ]と[ただ勉強の課題をやってもらうグループ]の2つに分けました。そして、その直後と4か月後に気分の状態を測定しました。その結果、[認知療法をするグループ]の抑うつが悪化する結果になってしまいました。
認知療法とは、ネガティブなものの受け取り方や考え方に焦点をあてていく(振り返ってもらう)療法です。最近の研究では認知療法で思い出したくないことを振り返ることで思考のループが悪化する可能性があることが明らかになってきています。ネガティブな考えを修正するための療法でも、嫌な考えや気分を思い出させること自体、逆効果を生んでしまうのです。
もしあなたが、過去に失敗や挫折したダイエットについて反省したり、思い出したりすることがあったら失敗にフォーカスし過ぎてしまわないよう、客観的に分析するのみにしましょう。効果が出やすいダイエットは人ぞれぞれです。過去にとらわれずに、いろいろなことに挑戦していく中で、自分に合ったものが見つかるといいですね。