美容と健康のために、ダイエットや運動で体重を減らそうとしている人は世界的にもたくさんいます。でも、せっかく体重が減っても、今度はそれを保つのが意外と大変。そんななか、平均3年間も減量に成功している人たちにその秘訣を自分の言葉で書いてもらい、まとめた内容が報告がされました。参考になるアドバイスが聞けるかもしれません。
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AIを使って自由回答を分析
減った体重を保つにはどんな方法が有効か、それを調べるためにこれまでにも多くの研究が行われてきました。ただ、たいていはアンケートに答える形のもので、自由に書いてもらう記述形式となると結果をまとめるのが難しくなるため、どうしても少人数の研究になりがちでした。
今回、米国カリフォルニア州立大学などの研究グループは、AIを使った最新の手法で、6000人以上の記述形式の回答をまとめることに成功しました。
対象としたのは、米国の企業『WW(Weight Watchers)社』が提供しているダイエットプログラムで9kg以上の減量を1年以上維持できている人々です。減量のきっかけや今も維持できている理由、方法、体験などについて自分の言葉で書いてもらい、結果を分析しました。参加者は平均して3.4年間、24.5 kgの減量を維持していました。
つまずきは失敗ではない
一連の研究で、減った体重を維持するためには、挫折しそうになったり思うようにいかなかったりしても、「長期的な目標に向かう長い旅の1日に過ぎない」と思って気持ちを切り替え、決して諦めないことが大切だとわかりました。
また、食べたものを確認、記録するという行動を続けることも同じように重要でした。そして、体重が多かったときのつらい体験を思い出し、その頃より健康で容姿がよくなったと認識することで、続けていこうという気持ちになるといいます。今の行動が将来どんな結果を生むか考える傾向も見られました。
体重を減らし、維持する長い道のりでは多少のつまずきは避けられません。それは失敗ではなく一時的な中断ととらえて、次の日から(あるいは次の食事から)また続ければいいだけ。体の痛みが軽くなった、より動けるようになったなど健康面での改善をはっきりと自覚することが大切だと研究グループは指摘しています。今回の結果から、研究グループは考え方と今後の展望が体重維持の成否に大きく影響するとまとめています。
<参考文献>
The Weight is Over: Two Cal Poly Studies Reveal Strategies to Keep the Pounds Off
https://www.calpoly.edu/news/weight-over-two-cal-poly-studies-reveal-strategies-keep-pounds
Phelan S, Roake J, Alarcon N, Ng SM, Glanz H, Cardel MI, Foster GD. In their own words: Topic analysis of the motivations and strategies of over 6,000 long-term weight-loss maintainers. Obesity (Silver Spring). 2022 Mar;30(3):751-761. doi: 10.1002/oby.23372. Epub 2022 Feb 9. PMID: 35137557.
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/oby.23372