砂糖のとり過ぎが健康によくない影響を及ぼすことはよく知られています。しかし、このたび海外研究により、砂糖の摂取量とさまざまな病気との関連性が調べられ、1日に摂取する砂糖を小さじ6杯までに抑えることで悪影響を防ぐことができることがわかりました。砂糖の適量は、私たちが予想するよりも少ない可能性があるのかもしれません。
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砂糖と病気の関係を徹底検証
砂糖のとり過ぎは、肥満や糖尿病、心臓や血管の病気、内臓脂肪の蓄積などに加えて、一部のがんにも関連することが示されています。そのため、WHO(世界保健機関)や米国保健福祉省などは、砂糖や添加砂糖の摂取量を1日の総エネルギー摂取量の10%未満に抑えることを推奨しています。
ここでいう「砂糖」とは、糖類のなかでもブドウ糖やショ糖、果糖などの種類を指し、フラクトオリゴ糖などのオリゴ糖類は含みません。また添加砂糖は、加工調理済みの食品に加えられた砂糖のことで、果物や果汁に天然に存在する糖類は含みません。
これまでに砂糖が私たちの健康に与える影響については多数の研究が行われ、より信頼できる結果を得るために、これらの研究を組み合わせて分析した「メタ解析」も行われています。ただ、このような努力にかかわらず、砂糖との病気の関連についてはまだ明確な結論は得られていません。
そこで今回、中国と米国の研究グループは、メタ解析をさらに詳しく分析し、砂糖と病気の関係を調査しました。
45の症状や病気に関連
こうして研究で確認されたのが、砂糖をとり過ぎると健康に悪影響を及ぼし、45種類の症状や病気に関連するということです。一部の研究ではポジティブな効果が報告されていましたが、こちらは根拠が弱いこともわかりました。
関連していると明らかになった症状や病気を詳しく見ると、内分泌および代謝関連が18種(糖尿病、痛風、肥満など)、心臓および血管関連が10種(高血圧、心臓発作、脳卒中など)、がんが7種(乳がん、前立腺がん、膵臓がんなど)、そのほかが10種(ぜん息、虫歯、うつ病など)でした。
研究グループは、砂糖とその健康への影響に関する研究はまだ多くの不確実性があることを認めています。しかし、WHOなどのガイドラインも踏まえて、1日砂糖摂取量を25g(およそ小さじ6杯)以下に抑え、週に1杯(およそ200〜355ml)以上の砂糖入り飲料を摂取しないよう提案しています。あらためて砂糖のとり過ぎには気をつけておくとよさそうです。
<参考文献>