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あなたのダイエットをサボらせる“犯人”は身近に? 海外研究で解明された真相とは

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ダイエットのサポート

美容や健康のため、体重を減らしたいと思う理由は人それぞれですが、減量の取り組みや維持を成功させるうえで重要な役割を果たすのが、周囲のサポートと考えられています。ところがこのたび海外研究により、家族や友人といった親しい人たちのサポートが、意図的にあるいは意識せずに、逆効果を与える可能性が報告されました。どういうことなのでしょう?

監修 : 星 良孝 <ステラ・メディックス>

ステラ・メディックス代表取締役社長 獣医師/ジャーナリスト
専門分野特化型のコンテンツ創出を事業として、医療や健康、食品、美容、アニマルヘルスの領域の執筆・編集・審査監修を担っている。東京大学農学部獣医学課程を卒業後、日本経済新聞社グループの日経BP社において「日経メディカル」「日経バイオテク」「日経ビジネス」の編集者、記者を務めた後、医療ポータルサイト最大手のエムスリーなどを経て、2017年に会社設立。YouTubeステラチャンネルでもヘルスケアの話題を発信。
YouTube:https://youtube.com/@stellach

Contents 目次

カギになるのは関係性?

食事

ダイエットを続けるのは大変と、家族やパートナー、友人などの協力を求める人もいるかもしれません。たとえば、食べ過ぎていたら注意してなどと伝えるのです。ところが、そのような関係がむしろダイエットの成功を遠ざける可能性があるといいます。

今回、英国サリー大学の研究グループは、さまざまな健康問題における周囲のサポートについて過去の多くの研究を検討。そのうえで特に減量とその維持に絞って、家族やパートナー、友人、あるいは医療関係者や社会的ネットワークによるサポートがどのような効果を上げているかを分析しました。

その結果、周囲のサポートは基本的に利益があり、サポートが多いほうが減量効果も上がって長続きするという証拠が数多く得られた一方、すべてのサポートがよい効果を与えるとは限らないことも明らかになりました。

減量によって自信がついたり、社会的な力関係が変わったりと、成功が何らかの変化につながる場合がよくあります。ところが、そのような変化を歓迎しない人も多いといいます。結果として、物事をそのままにしておくために、意識的にあるいは無意識のうちに、減量の成功を妨げようとする可能性があると研究グループは説明しています。

「食べさせ行為」など、3つの行動に注意

友人との飲食

そういったネガティブなサポートの形として、過去の研究から特に「妨害行為」「食べさせ行為」「同調行為」の3つが浮かび上がりました。「妨害行為」というのは、ヘルシーな食事に変えようとする気持ちを挫いたり、支援グループへの参加を邪魔したりすることで、自信や自尊心を弱めてマイナスの影響を与えます。

「食べさせ行為」は妨害行為のひとつとも考えられますが、たいていは愛情や豊かさに基づく行為として、食事制限をしている人や空腹でもない人に意図的に食べ物を提供すること。もちろん、減量やその維持には逆効果です。

また、本人の行動に賛同して協力する「同調行為」は、親切心や友情の表れととらえられがちではあります。しかし、「一緒においしいスイーツを食べよう」など、減量という目的にかなっていない行動に同調すれば、明らかにネガティブなサポートになります。

家族やパートナー、友人など最も近い関係の人たちによる支援は、目的を達成するためにとても貴重なツールです。でも、より健康的になる努力の邪魔をする場合もあると研究グループは結論。効果的な減量のためには、この分野をさらに探る必要があると指摘しています。

<参考文献>

Sabotage and collusion could be derailing your weight loss journey, finds study
https://www.surrey.ac.uk/news/sabotage-and-collusion-could-be-derailing-your-weight-loss-journey-finds-study

Ogden J, Quirke-McFarlane S. Sabotage, Collusion, and Being a Feeder: Towards a New Model of Negative Social Support and Its Impact on Weight Management. Curr Obes Rep. 2023 Jun;12(2):183-190. doi: 10.1007/s13679-023-00504-5. Epub 2023 Jun 7. PMID: 37280423; PMCID: PMC10250496.
https://link.springer.com/article/10.1007/s13679-023-00504-5

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