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塩10gで1kg増!? 医師に聞いた「減塩レモンダイエット法」。調味料の作り方とおすすめ料理
「第3次健康日本21」の施行により、推奨される日本人の1日の摂取塩分量が減りました。減塩と聞くとおいしくない、ガマンなどネガティブな印象がありますが、塩分量を減らすだけで、ダイエットや美容、健康にいいことがたくさん! そこで、今回は、ポジティブに減塩しながら健康的にダイエットができる「減塩レモンダイエット」を石原新菜先生に教えてもらいました
Contents 目次
「第3次健康日本21」とは?
「健康日本 21」とは、国が進める健康増進プロジェクトで、第3次が2024年4月から開始されました。このプロジェクトは、ひと言で表せば、国民の健康増進と社会保障費の抑制を大きな目的としています。
厚生労働省のサイトには次のようにあります。
「健康日本21の目的は、社会からみると病気や障害による社会的な負担を減らし、国民の健康寿命を延長して、活力ある持続可能な社会を築くことにある。また人の死を最終的に予防することが不可能である以上、病気予防の重点は早世に置くべきといえる。一方、個人からみると、早世と障害を予防し、生活の質を高めることによって、稔り豊かで満足できる生涯づくりを目指すことにある」(厚生労働省より)
「健康日本21」(第3次)のプロジェクトは多岐に渡りますが、とくに重要なのが“減塩”です。
日本人の食塩摂取量は現在平均で約10gほど。WHO推奨水準が5gですので2倍以上。さすがに、いきなり半分にするのは難しいこともあり、令和14年度までに7g(現在からマイナス3g)を目標としています。
ちなみに、3gは小さじ1杯に相当。また、ひとつまみで約1gですので、3つまみ相当を減らすことができれば達成できます。とはいえ、3gの減塩はなかなか難しいもの。塩味は味の決め手ですから、単に減らしただけでは食事の満足度が低下してしまいます。また、塩分はパンやうどんなどの加工食品にも含まれています。意識せず何気なくとっている塩分をカットするのは容易ではありません。
参考:厚生労働省 健康日本21(第3次)
なぜ減塩が大事なのか?
人間の生命維持に欠かせない塩分ですが、とりすぎると血液中に保持される水分量が増加し、血液の体積が拡大します。これにより心臓に負担がかかり、結果として、高血圧や心血管疾患などのリスクが高まります。そのほか、むくみや肥満、メンタル不調などにもつながります。
そこで今回はムリなくできて、おいしい。ポジティブに減塩ができる「減塩レモンダイエット」の方法を石原新菜先生に教えていただきました!
塩10gで1kg太る!? むくみや肌の老化も
石原先生の話によると、塩10gで1kg以上の水が体にたまるそうです。
「塩分をとりすぎると血液中の塩分濃度が高まるため、水分量を増やしてバランスを整えようとして体の中にため込まれる。塩気の多いものを食べ過ぎるとのどがかわくのはこのためです。
塩分をとりすぎると、血液の濃度を同じ割合に保とうとするため、塩10gを摂取すると1L(=1kg)以上の水がたまると言われています。血液中の水分が増えると血管の壁に圧がかかって水分が細胞間にもれ出してむくみとなり、結果として体重増加につながってしまうのです」(石原先生)
また、塩分をとり過ぎることで肥満以外に、むくみ、肌の老化も…。
●肥満
塩分が多い食事をとることで食欲が増進し、ご飯もどんどん食べがちに。
塩分の多い食生活が日常化することで、肥満体質に。
●むくみ
顔のむくみはあごにたまって二重あごに。
上半身のむくみは下っ腹に。
脚のむくみは足首に。
●肌の老化
塩分過多は体全体の水分を血液に回そうとするので、肌の水分を奪い乾燥肌に。
肌の水分量が減るとバランスが崩れ、ニキビやシワなどの老化につながる。
石原新菜先生おすすめ「減塩レモンダイエット」とは?
ふだん使っているドレッシングやしょうゆなどにレモンや酢などの酸味を加えるのが「減塩レモンダイエット」のポイント。酸味を加えることで、塩味などのうま味を感じやすくなるため手軽に減塩することができます。ただし、塩分は体にとって大切な成分なので、極端に減らさないよう注意が必要です。
減塩しても味が落ちないアレンジ調味料&おすすめ料理
【レモンしょうゆ】塩分量50%カット!
1食あたりの減塩目安:マイナス1g程度
(作りやすい分量)
・しょうゆ 50ml
・レモン果汁 50ml
※しょうゆ:レモン果汁=1:1
ボウルなどにしょうゆとレモン果汁を入れ、よく混ぜる。
おすすめの料理は、ほうれん草のおひたし。
【めんつゆレモン】暑い季節にさっぱりおいしい!
1食あたりの減塩目安:マイナス0.5g程度
(作りやすい分量)
・濃口しょうゆ 150ml
・レモン果汁 150ml
・みりん 50ml
・だしパック 1パック
みりんを鍋に入れ火にかけてアルコールを飛ばしたら、保存容器に入れ、しょうゆ、レモン果汁、だしパックを入れる。1日から1週間程度寝かせて完成。
※3倍濃縮めんつゆ7:レモン果汁3でもOK
おすすめの料理は、天ぷらうどん。
【レモン焼肉のたれ】さっぱり食べられる!
1食あたりの減塩目安:マイナス0.5g程度
(作りやすい分量)
・市販の焼肉のたれ 大さじ1
・レモン果汁 大さじ1
※焼き肉のたれ・レモン果汁=1:1
小皿など、お好みの容器に焼肉のたれとレモン果汁を入れ、よく混ぜ合わせる。
※カルビやハラミ、タンなどの漬け込みダレにしてもよい
おすすめの料理は、豚肉のしょうが焼き。
【レモンケチャップ】フルティーさがアップ!
1食あたりの減塩目安:マイナス0.3g程度
(作りやすい分量)
・トマトケチャップ 大さじ1
・レモン果汁 大さじ1
※トマトケチャップ:レモン果汁=1:1
お好みの容器にトマトケチャップとレモン果汁を入れ、よく混ぜる。
おすすめの料理は、スペイン風オムレツ。
【レモネーズ】マヨネーズとレモンで万能ヘルシー調味料!
1食あたりの減塩目安:マイナス0.2g程度
(作りやすい分量)
・マヨネーズ 大さじ3
・レモン果汁 大さじ2
※マヨネーズ:レモン果汁=1:1
お好みの容器にマヨネーズとレモン果汁を入れて混ぜ合わせる。
おすすめの料理は、カット野菜でお手軽!コールスローサラダ。
入浴、運動でよぶんな塩分、水分を排出!
食事以外でも減塩できる方法はたくさんあります。
たとえば、入浴。できれば毎日40度位の湯船にムリのない範囲でゆっくり浸かること。じんわり汗をかき、また水圧が体にかかるので細胞間にしみ出てきた水が毛細血管に戻ってきます。
ふだんの生活の中では階段を使う、歩くこと。ウォーキングやスクワットなど、筋肉が多い下半身を動かして滞っている血液の循環を促すよう心がけること。筋肉は血液をめぐらせるポンプの役割を担っているため、運動不足で筋力が低下すると体のめぐりが悪くなり、むくみから体重増加につながります。
石原先生のクリニックにいらっしゃる患者さんの中にも、塩分のとりすぎでむくんでいる人が男女問わずたくさんいるそうです。漢方ではむくみの状態を「水毒」と言い、耳の中で水が多くなるとめまいや耳鳴り、目の中で多くなると眼圧があがって目のトラブル、副鼻腔で多くなると慢性鼻炎になるなど、太るだけではない弊害 がたくさん出てくるそうです。
もしかしたら、減塩を意識するだけで、今まで原因不明だった不調が緩和するかもしれませんね!
文/FYTTE編集部