野菜や果物には抗酸化物質が豊富に含まれており、健康にもおすすめ! 今回は、アンチエイジング対策に効果的な、抗酸化物質を多く含む代表的な果物のひとつである「カシス」についてです。一般社団法人グルテンフリーライフ協会 フォーブス弥生さんに教えてもらいました。
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抗酸化物質が豊富なうえに、運動パフォーマンス効果がある食材「カシス」
近年、アンチエイジング(anti-aging)は美容や医療でも注目されています。アンチエイジングとは、「抗加齢」「抗老化」とも呼ばれます。一般的にアンチエイジング対策の有効的な方法としては、バランスのとれた食事、定期的な運動、十分な睡眠、ストレスの管理などが必要だと言われています。
なかでも、アンチエイジング対策のためには、体の「酸化」と呼ばれる現象を抑えることが大切です。酸化とは、化学反応の一種で、物質と酸素の反応により性質が変化する現象のことです。この酸化を抑えることを「抗酸化」と言い、体の中を錆びつかせない(酸化を抑えること)ようにするためには、抗酸化物質を食事からとり入れることが大切です。
野菜や果物には抗酸化物質が豊富に含まれており、健康によいということがわかっています。そこで、今回は抗酸化物質を多く含む代表的な果物のひとつである「カシス」についてです。
カシス(Cassis)とはじつはフランス語であり、英名ではブラックカラント(Black Current)と呼ばれています。おもな原産地はヨーロッパ諸国となり、世界の生産量の8割弱を占めています。なお、国内の生産においては青森県が約7割を占めます。
このカシスですが、注目すべきは栄養素や効能です。カシスは、アントシアニンというポリフェノールを多く含むことから、スーパーフードとみなされるようになりました。さらに、カシスには4種類のアントシアニンが含まれており、ブルーベリーよりも含有量が多いのが特徴です。アントシアニンとはポリフェノールの一種であり、現在500種類以上あると言われています。また、カシスにはアントシアニンのほかにもビタミンC、ビタミンE、β-カロテンなどの栄養素も豊富です。
【ビタミンC】
皮ふや粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。カシスには、オレンジの3倍も含まれています。
【ビタミンE】
強い抗酸化作用を持つ脂溶性のビタミンで、体内の脂質の酸化を防ぎます。また、細胞膜を健全に保つなどの働きがあり、“若返りのビタミン”とも呼ばれます。カシスには、オレンジやいちごの約4倍含まれています。
【β-カロテン】
体内でビタミンAに変換されて作用することから、皮ふや粘膜を丈夫にしたり、視力の維持、がんの予防など、健康を保つために重要な働きをする栄養素です。また、ビタミンAとしての機能以外で、βカロテンは抗酸化作用や免疫を高める作用があります。
加えて、研究論文 (2020)によると、カシス(ニュージーランド産)が運動パフォーマンスに与える多少の有意な効果があるとの研究結果が示されています。多くの種類のベリー系が研究されていますが、運動能力に関しては、カシスアントシアニンがすぐれたベリーである可能性があるようです。
このようにカシスは抗酸化物質が豊富なうえに、運動パフォーマンス効果がある食材としても注目されています。今後、積極的に毎日の食事にとり入れていきたい食材のひとつですね。
※参考文献
●日本ブラッククカラント協会 https://japanblackcurrantassociation.jp/
●一般社団法人日本カシス協会 https://j-cassis.jp/
●研究論文_ニュージーランド産カシスのスポーツパフォーマンスへの影響とその関連性 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1186/s12970-020-00354-9#abstract