秋の味覚としてもおなじみのさつまいも。中央アメリカが原産地といわれ、日本では江戸時代から栽培されてきました。ビタミンC、ビタミンEなどを含んでいます。
Contents 目次
栄養素
・ビタミンB6
・ビタミンC
・ビタミンE
・葉酸
・カリウム など
栄養素のポイント
さつまいもに含まれるビタミンCやカリウムは水溶性ですが、他の野菜に比べ失われにくいのが特徴です。蒸したり焼いたりして食べるのがおすすめ。
「紅芋」や「紫芋」といった紫色の品種には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれます。
低温でじっくり長時間加熱することで、でんぷんの分解酵素が活発に働き、ほっくりした食感と甘みが増します。
切ると出てくる白い液の正体は「ヤラピン」という成分です。
旬・産地
旬は秋を中心とした10~12月。主に北関東以南の地域で生産されています。気温20~30℃の地域が栽培に適しており、鹿児島県、茨城県、千葉県で多く収穫されています。
育てやすいことから全国に普及
さつまいもは寒さに弱いものの、やせた土地でも育ちやすいことから、飢饉に強い作物として栽培が奨励され、全国的に普及しました。
トリビア
「さつまいも」の名前の由来とは?
原産地は中南米といわれ、紀元前から栽培されていました。その後、コロンブスによってヨーロッパにもたらされ、日本へは江戸時代に入ってきたとされています。さつまいもの漢名は「甘藷(かんしょ)」ですが、当時の薩摩国から栽培が広まったことから広く「さつまいも」と呼ばれるようになったのです。
人気品種はさまざま
関東地方では黄色い果肉の「紅あずま」、西日本では上品な甘さの「鳴門金時」が代表的な品種。ほかにも、種子島特産でねっとりした食感の「安納芋」など、さまざまな品種が生産されています。
選び方
おいしいさつまいもの選び方
皮の色が鮮やかでムラがなく、ふっくらとした形のもの。持ってみて、ずしりと重みがあるものがよいでしょう。ひげ根の跡が多く、均一に並んでいるものを選びましょう。ひげ根が生えたままのものは、繊維が多く筋っぽい場合が多いので、避けましょう。
甘いものを見極めるポイント
甘さをチェックするには、軸の部分を見てみましょう。軸から蜜が出ていたら、完熟して甘みが増しています。また、切ったときに切り口から蜜の跡が出ているものは糖度が高い証拠です。
保存方法・期間
丸ごと保存する場合
1本ずつキッチンペーパーに包んでから新聞紙に包み、ビニール袋に入れて風通しの良い冷暗所で常温保存します。保存の目安は6カ月(夏期を除く)。
冷やし過ぎに注意!
気温が高い場合(12℃以上)は冷蔵室へ。ただし、温度が低すぎると甘みが薄れるので、なるべく冷蔵保存は避けましょう。
使いきれない場合
使いきれずに余ってしまったら、生のまま冷凍できます。皮付きのまま使いやすい大きさに切って水にさらし、水気を十分に拭き取った後、冷凍保存袋に入れて冷凍室へ。使うときは凍ったまま調理します。1カ月を目安に食べきりましょう。
保存のポイント
保存袋に詰めるときは平たく並べておくと、使う量だけ取り出せるので便利です。
下ごしらえのコツ
料理の仕方で変わる食感 ―― 茹で方と蒸し方
甘みをうまく引き出すには、「低温でじっくり加熱」がポイント。下ごしらえにひと手間かけることで、料理の仕上がりや食感に差が出ます。
ねっとり派なら……茹でる
鍋にさつまいもを丸ごと入れてたっぷりの水を張り、火にかける。沸騰直前で火を弱め、80℃くらいの湯でじっくり火を通す。竹串を刺してすっと通るくらいにやわらかくなればでき上がり。
ほっくり派なら……蒸す
熱した蒸し器に皮付きのまま並べ、ペーパータオルをかぶせ、ふたをして火を通す。竹串を刺してすっと通るくらい柔らかくなったらでき上がり。
黒ずみ防止!あく抜きの方法
さつまいもはあくが強く、切ってそのままにしておくと黒ずんでしまいます。切ったらすぐに、たっぷりの水にさらしてあくを抜きましょう。水が白く濁ってきたらザルに上げ、水気を切ります。
お弁当にもおすすめ!色鮮やかに仕上げるポイント
皮のすぐ内側にあるリング状の筋部分には、黒く変色する成分が集まっているので、厚めに皮をむいて取り除きましょう。離乳食やお菓子などに裏ごして使う場合にも同様に。筋を取ることで繊維が少なくなるので、なめらかなペーストができます。